レトロなルックスも愛せる賢いミラーレスカメラ、Nikonの「Z fc」 vol.173

今回は、Nikonの「Z fc」というカメラをご紹介します。このカメラ自体は2021年の夏に発売されたAPS-Cセンサー搭載のミラーレスカメラ。カメラ上部のロゴも昔のデザインとなっていて、パッと見「フィルムカメラかな?」と思ってしまうようなレトロなルックスが目を惹きます。こちらのオールブラック「Black Edition」は2023年3月3日発売の新色です。

Nikon Z fc Black Edition

これまで発売されていた通常モデルはシルバー×ブラック、またはカラフルな巻き革の組み合わせがかなり可愛らしい印象でしたが、オールブラックとなったことで、レトロな可愛さもありつつ、ユニセックスな印象に。Black Editionの登場と合わせて、巻き革を張り替えてもらえる「プレミアムエクステリア」で選べるカラーもアップデートされ、よりシックなラインナップになりました。この、プレミアムエクステリア、7月14日までに申し込めば、無料で希望のカラーに張り替えをしてもらえるそうです。

Nikon Z fcカラーバリエーション
Photo by Nikon
Nikon Z fc ズームアップ

上部には、これまたレトロな印象のアナログダイヤルがたくさん並んでいます。これらのダイヤルをカチカチと回して、マニュアル操作で撮るのも楽しいですし、シャッターを押すだけで良い感じに撮れるオートモードも搭載しているので、ちゃんとしたカメラを持つのが初めて、という方も安心して使い始められるはず。

Nikon Z fc 上部のダイヤル

写真の色味をカメラ内で調整できるフィルターのような機能「ピクチャーコントロール」は28種類も用意されています。どのくらい効果を適用するかなど、カスタムも可能。私は「サンデー」というピクチャーコントロールが気に入っています。カメラ内で写真がびしっとキマると、カメラのWi-Fiと専用アプリの「SnapBridge」を使って写真をスマホに転送するだけで、加工する手間なくSNSなどにアップできるので楽ちんです。

Nikon Z fcのピクチャーコントロール「サンデー」で撮影した植物
Z fcのピクチャーコントロール「サンデー」で撮影
Nikon Z fcのピクチャーコントロール「サンデー」で撮影したパスタ
Z fcのピクチャーコントロール「サンデー」で撮影
Nikon Z fcのピクチャーコントロール「サンデー」で撮影したインセンス
Z fcのピクチャーコントロール「サンデー」で撮影

カメラ初心者さんにも優しいカメラでありつつ、その代わりに機能や性能面がごっそり削られているような“ザ・初心者向けカメラ”というわけでもない、というのが使ってみて感じたZ fcの隠れた魅力。

カメラ入門機として手に入れたとしても、ひと通り撮るのに慣れてきたら、いろんな撮影モードを試してみたり、レンズを替えてみたり、いずれはRAWからの現像、動画も……!なんて感じで、このカメラと一緒にレベルアップが楽しめそうなところも、良いカメラだなあ、と思うポイントであります。

後ろの液晶は、ぐるりと180度回転させることのできるバリアングル液晶になっており、自撮りや動画撮影時に便利。動画は4K30pまで撮影することができます。メインは写真だけれど、動画も撮ってみたい、という方にもおすすめ。

Nikon Z fcのバリアングル液晶

本体は非常にコンパクト、というわけではありませんが、手にしっくりくるサイズ感で、手に持つと「何かを撮りたくなる」意欲を掻き立てられるような。カメラもいろいろあって、迷っちゃいますが、このルックスにピンときた方は「買い!」で、間違いないんじゃないかなあと。

今回、私は26mm F/2.8という平べったい形をした超コンパクトな“パンケーキレンズ”と一緒に使っているのですが、このレンズをつけるとレンズの出っ張りが減るので、普通のバッグにもポン、と入れやすくなります(※実際はケースやカメララップなどに包んでバッグにインすることをお勧めします)。

Nikon Z fcとバッグ

Nikon Z fcは28mm F/2.8というZ fcに合わせたルックスのスペシャルエディションのレンズがセットになったものか、16mm-50mmというコンパクトなズームレンズがセットになったもの、本体のみの3種類から選べます。見た目も含めて愛せるカメラで、日々のちょっとしたシーンを印象的に残してみてはいかが?

市川 渚プロフィール画像
市川 渚

ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのプロモーション企画/ディレクションに関わる。
また自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も併せ持つ。強い服と少し先の未来を垣間見られるデジタルプロダクトが好き。

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