ラリックとジェームズ・タレル、光の芸術家同士のコラボによる限定アートピースが登場

2022年にアルザスにあるガラス工場が設立100周年を迎えたのを記念して、ラリックとジェームズ・タレルのコラボレーションによって生まれた限定アートピースが、先日「Paris+ par Art Basel」で発表された。4年以上にわたる緊密なコラボレーションの末に生まれたのは、2つのフレグランスボトルと42点のクリスタルライトパネルだ。

ラリックとジェームズ・タレルのコラボレーションによって生まれた限定アートピースが、この秋、ラリック アートがオフィシャルパートナーを務める「Paris+ par Art Basel」で発表された。

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左が「レンジ ライダー」、右が「パープル セージ」。

ラリックは1888年に、革新的なガラス工芸家で宝飾デザイナーなどとしても活躍したルネ・ラリックによって設立されたクリスタルメゾン。現在ではクリスタルガラスのデコレーションアイテムをはじめ、インテリアデザイン、フレグランス、ジュエリー、アートピース、ホスピタリティの6つの分野で製品を展開、アール・ドゥ・ヴィーヴル(美しい暮らし)の価値を提供している。

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Paris+ par Art Baselにて発表された時の様子。

ラリックとタレルのコラボレーションは4年以上前にスタート。ラリックグループ会長であるシルヴィオ・デンツはタレルと知り合った後、「私は直ちにラリックと光の芸術家ジェームズ・タレル氏によるコラボレーションの必然を考えました」とコメント。ルネ・ラリックもまた、「光の彫刻家」として知られる存在であった。そして、このコラボレーションの成果は、アルザスにあるラリックのガラス工場の設立100周年を祝うものにもなった。

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2つのフレグランスボトルはアメリカ西部の美しさにもインスパイアされている。

今回発表されたのは、各100点限定の2種類のフレグランスボトルと、42点のクリスタル ライト パネル。2つのフレグランスボトルは、エジプトのピラミッドやアジアのストゥーパ(仏塔)の建築構造や、ゼイン・グレイによる西部劇『Riders of the Purple Sage(ユタの流れ者)』で描写された、アメリカ西部の美しさに着想を得たものだという。フレグランスボトルはいずれもラリックの職人によるハンドメイド。彼らの高い技術によって、色彩の濃度と同一性を保持し、クリスタルの均一な厚みを実現している。

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ピラミッドを思わせる「レンジ ライダー」のボトル。

このコラボレーションでタレルは、ラリックの調香師とともにフレグランスも手がけた。「レンジ ライダー」は、セージで傷を付けたレザー チャップス、ペッパー、アンバー、シトラスなど、彼のルーツであるアリゾナのナチュラルな香りを捉えたもの。

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柔らかな曲線を描く「パープル セージ」のボトル。

また「パープル セージ」は、アリゾナに咲く繊細な植物の女王にちなんで名付けられたもので、精巧なフレグランスはフルーティー、ムスキーな香調を帯び、やがて、パープル セージ、マンダリン、グレープフルーツ、ルバーブのノートが現れる。柔らかな曲線を描くボトルは、フェミニンなフォルムとその普遍性へのオマージュだ。

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2013年にグッゲンハイム美術館で展示されたジェームズ・タレルによるインスタレーション「Aten Reign」。

一方、「クリスタル ライト」と名付けられた42点のクリスタルライトパネルは、2013年にグッゲンハイム美術館で展示されたタレルによるインスタレーション「Aten Reign」にインスパイアされたもの。透明なクリスタルを用いて製作されたパネルに波紋のように拡がる色彩は、背後のスクリーンによって生み出されている。

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ジェームズ・タレル

「私の作品の性質は、光を形成することです。光が素材です。知覚は媒体です。ルネ・ラリックのことは認知していましたが、その創造性の広がりについては知りませんでした。ラリックの工場で熟練の職人を目の当たりにし、その妙技に魅了されました。彼らは真のアーティストです」と語るタレルの光への飽くなき探究心が形になった、今回の特別なコラボレーション。グローバルでの発売は2023年春以降を予定しているそうだ。



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