シャンパーニュメゾン「ルイナール」のコラボレーションプログラム「カルト・ブランシュ」。2023年の参画アーティストは、パリを拠点に活動するアーティスト、エヴァ・ジョスパンだ。
1729年に創設された世界最古のシャンパーニュメゾン「ルイナール」は、毎年メゾンのテロワール(ブドウ畑を取り巻く自然環境要因)やヴィジョンを世界的アーティストと共有し作品を完成させるコラボレーションプログラム「カルト・ブランシュ」を行っている。2023年の「カルト・ブランシュ」には、パリを拠点に活動するアーティストのエヴァ・ジョスパンが参画。
エヴァ・ジョスパンは1975年パリ⽣まれ。ジヴェルニー美術館やフランス国⽴⾃然史博物館などで展覧会を開催するほか、エメリージュ・グループやクリスチャン・ディオールなど、世界の名だたるブランドからオファーを受けるアーティストだ。彼女は動作と時間の積み重ねの大切さを、カードボードや浮き彫り、ドローイング、刺繍など様々な手法で構成されたインスタレーションによって表現しており、そのテーマはシャンパーニュづくりにも共通する部分がある。
「カルト・ブランシュ」とは、思考や活動の完全な⾃由を意味する。アートには⼈を変⾰させ、結びつけ、啓発する⼒があると確信する「ルイナール」が、2008年に始動させたプログラムだ。「ルイナール」の最⾼醸造責任者であるフレデリック・パナイオティスは、ブドウからアロマを抽出し、それを形にすることで、⾃分のイメージに忠実なワインに命を吹き込む。そしてエヴァもまた、⼀⾒ありふれた素材に敬意を表しながら、歴史とノウハウを継承していくことを信条としている。両者にとって、時間はとても⼤切なものだ。
エヴァは3度にわたりシャンパーニュ地⽅を訪れ、2022年の収穫にも参加。シャンパーニュ地⽅で過ごした⽇々からインスピレーションを受けた彼⼥は、パリの⼯房で6カ⽉以上の時間をかけて作品をつくり上げた。
画家であり製図家でもあったルイ カロジス カルモンテル(1717-1806)からその名がついた作品「カルモンテル」は、2本のスプールの間にロール紙を張って仕上げられている。もともとは登場⼈物が暮らす⽥園⾵景を描いた逆光の絵が飾られていた。この⾵景は⼩さな巻き上げ機を使って展開されたもので、その原理を応⽤して、「ルイナール」の史跡とモンターニュ ド ランスを想起させるパノラマが創出されている。⽩亜の洞窟からブドウ畑や近隣の森まで、エヴァが訪れたさまざまな場所を想起させる作品だ。
カードボード製の「プティ シェドーヴル」。タイトルは、過去と現代の職⼈の傑作にちなんでいる。シャンパーニュのテロワールをミニチュア化したような作品で、来場者を⽬で⾒て歩かせ、ある世界から別の世界へと誘う。2つのレベルで構成された彫刻には、⾃然の⾵景と「ルイナール」の⽩亜の地下セラーを想起させる建築物が並べられている。このほかハイレリーフ、刺繍、絵などさまざまな表現方法で作品が制作された。
地下の世界に魅⼒を感じていたエヴァは、「ルイナール」の⽩亜質のセラー「クレイエル」を訪れ、深く感銘を受けたという。根、深さ、地層に魅了された彼⼥は、上下をつなぐ感覚や彫刻に興味を持ち、それが彼⼥の「カルト・ブランシュ」の核となった。⼿間と時間は、エヴァの芸術的解釈における重要なテーマ。何世紀にもわたって繰り返される⼯程を受け継ぐことは、反復と変化が常に複雑なプロセスに組み込まれており、彼⼥のアーティストとしての仕事と重なる。そんな背景を持ちつくられたものは歴史あるルイナールの1本ととてもよく結びついた作品となった。
また、東京・八雲茶寮にて、「ドン・ルイナール 2010」とのペアリングを
6月30日(金)までの期間限定で楽しめるコラボレーションを開催中。
■八雲茶寮 × Dom Ruinart 2010
・期間:~ 6月30日(金)※月曜日、火曜日は定休
・時間:12:00~21:00 ラストオーダー
・場所:八雲茶寮 (東京都目黒区八雲3丁目4−7)
・予約方法:お電話(03-5731-1620)にて。予約は前日まで。
・料金:33,000円(税込)*お食事代のみ、別途サービス料10%
■季節のおまかせ料理 お品書き 一例
・水茄子
・蒸鮑
・近江牛のすき煮
ルイナール
https://www.mhdkk.com/brands/ruinart/