佐久間さんのエンタメの楽しみ方とは？【佐久間Pの甘口人生相談「え、それ俺に聞く!?」】

ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。エンタメを純度高く楽しむにはどうしたら？佐久間さんの〝摂取法〞を教わりました

今月のお悩み

今月のお悩み（31歳・広告代理店）
映画好きの友人の影響で今まで触れてこなかったジャンルの作品を観るように。鑑賞後はよく「〇〇監督らしい俳優の活かし方だね」など感想を話すのですが、『ミッション：インポッシブル』を観てシンプルに感動していた頃には戻れないのかなと寂しい気持ちも。作り手の佐久間さんは、どんなふうにエンタメを摂取していますか？

佐久間Pからの回答

心が自由になるために観ていることを胸に刻もう

30代前半の頃は、触れる作品すべてが勉強に思え、心から楽しめない時期がありました。僕のようにもともと好きなことを職業にすると、人生で一度くらいはそうなりますが、生業にしていなくても、勉強だと思うタイプの人がいます。考えられる理由として、数多く観ていると、誰かに語りたくなるし、SNSで発信してみたくもなる。それによって自分の意見が多数派か、面白いと思った作品をみんなが同様に感じているか気にするように……。その結果、作品がけなされたりダメ出しされたりすると、自分まで評価されていないように感じる人がいるようです。大切なのは、〝自分の好きな世界に、他人の評価を介在させないこと〞。

とはいえ「評価が欲しい」「褒められたい」といった承認欲求は誰の心にも潜んでいるし、どこにでも滑り込んでくる。「自らの意思で楽しんでやっている」「自分の好きなものが広まってほしい」よりも「認められたい」比重が増すと、もはや趣味でも娯楽でもなくて、うまくコントロールしないと心的負担になります。胸騒ぎがしたら、〝好きな作品は、心が自由になるために観ている〞という原点に立ち返ってほしいと思います。

対策としては、エンタメにのめり込む日を過ごすこと。合間じゃなくてどっぷり浸かる、スマホも見ない。僕の場合は、面白いと思った配信ドラマを日がな一日見続ける日を過ごしてみたら、余計なことを考えなくなりました。エンタメを心地よく楽しむにも、演劇観賞やスポーツ観戦などの娯楽と同じくコツのようなものはあります。それを知るには、じっくり向き合うことが一番。あと、子どもの頃に好きだった作品を見ること。ちなみに僕にとっては『天空の城ラピュタ』（’86）です！

今回のおすすめはミルクパイ。サクサクのパイ生地にミルキーなクリームがたっぷり入っていて、気持ちが甘く、安らかに。童心に返れるスイーツです。