ニッポンのエンタメ界を牽引し、各方面で引っ張りだこの活躍を見せる佐久間宣行さん。 人生において陥りがちな"うまくいかないとき"はどうすべき? 自身も実践した方法を伝授
今月のお悩み
仕事の理想と現実のギャップを感じることはありますか? (21歳・学生)
ラジオDJに憧れて就職活動をした結果、偶然欠員が出た地方局で働くことに。ですが、実際に話し手になると現実は思い描いていた理想と違うし、リスナーの反応を気にしすぎる性格も相まって、裏方に回りたいと思うように……。佐久間さんは理想と現実のギャップを感じることはありますか? ほかにやりたいことができたときは、どのように進んでいますか?
佐久間Pからの回答
本当の楽しさを味わうために。まずは仕事の基礎体力をつけよう
僕は「何事もうまくいくわけがない」 と思うネガティブ人間なので、理想と現実の差はないんです。が、SNS世代は特にキラキラ輝く他人と中途半端な自分を比較しやすいからモヤモヤはより膨らみやすいかも。テレビ業界でも憧れのプロジェクトに20代からジャッジできる立場として関われるのは、ひと握りのスーパールーキーのみ。大抵はリサーチのような下準備ばかりを任されがち。理想との折り合いがつかず悩むスタッフには「夢はいったん横に置き、目の前の仕事に集中することを続けよう。仕事の筋力や体力がついてないと、醍醐味を味わえないよ」と伝えます。これって基礎体力がないのにプロサッカー選手みたいに活躍したいと言ってるのと同じ。目の前の仕事に注力できないと次の目標が見つからないから成長しにくいし、正しく判断するための材料に何が必要かわかっていないから、責任ある仕事も任せにくいんです。
相談者の悩みを掘り下げると、裏方の仕事が好きというより、逃げ道として選んでいるような気も!? こういう考えの人は、どんな道を選択しても選ばなかったほうの道に名残をとどめがちなので、ほかの仕事に就いても結局は堂々巡り。うまくいっていないときって、現状の問題を周囲の環境や人に見出しがちだけど、ここで大事なのは自分がどんな状態なのかを正しく把握すること。要は内省です。1行メモでいいから〝よかったところと改善点〞をアイデアとともに毎日書いてみる。継続すると、体調・精神面で不調に陥りがちなタイミングやクセが客観視でき、悶々と悩むことが格段に減ると思います。自分という乗り物をうまく乗りこなす力を20代のうちにつけておくと、ますます生きやすくなるかと。
今回のスイーツは、夢みたいな現実の、巨大マカロン。おいしさとともにご自身の心と向き合い、分析してみてください。
佐久間Pの今月のおすすめスイーツ:ル・ショコラ・アラン・デュカスのマカロン ショコラ
仏料理界の巨匠による直径約7㎝の夢あふれるマカロン。インド、ホンジュラス、エクアドル産など個性の異なるカカオを各75%使ったメルティなガナッシュ入り。※取り寄せ可
さくま のぶゆき●TVプロデューサー&ディレクター。「オールナイトニッポン0(ZERO)」の最年長パーソナリティを務める。4月からは32年ぶりに復活する「オールナイトフジ」(フジテレビ)にMCとして出演!(祝)