4月のお悩み/【人間関係】で思い悩むあなたへ

4月から新生活がはじまり、人間関係にも変化が生まれる季節です。友人との関係性から職場での上司との付き合い方まで、ライフステージの変化に伴って人間関係に新たな悩みが生じるのは、避けようのないことかもしれません。今月は、人の数だけ存在する人付き合いのモヤモヤについて、考えるイラストレーター、描き子と向き合います。

♥描き子/ Twitterフォロワー数3万人を誇る、“考えるイラストレーター”。親や夫、子供との関係に悩んだ自身の経験を活かし、より多くの人の生きづらさを解消しようと積極的に発信している。

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【お悩み①】 友人との会話で、相手に対して劣等感を抱いてしまうように......。

▶なんさんのお悩み

20代後半から、周りの友人たちの環境がどんどん変化していきました。例えば結婚や出産、そして昇進など。その中で、自分だけがいつまでも変わらずに取り残されている感覚になります。例えば、私は何度か業界を変えて転職をしているのですが、周りの友人が長く勤続して役職が上がったと聞くと、年収や貯金額の面で焦りを感じます。私は使えるお金の範囲内で好きな服を買ったりよく旅行に行ったりするのですが、そのお金遣いに対して「お金持ってるんだね」と言われることもあり、そうすると劣等感を感じるだけでなく日々の行動さえ悪いことのように思えてくることも。付き合いが長いので本人に悪気がないのはよくわかるのですが、会っていても、とても肩身が狭くなってしまいます。私自身が人の言動や行動をかなり気にしてしまうタイプなので、それを気にせずに堂々といられたら良いなとは思うのですが......。

♥描き子の「幸せの要点」

かつては同じ目線で仲良くしていた女友達と、ライフステージの移り変わりや環境の変化によってだんだん話が合わなくなって、かつてのように一緒に楽しく過ごせない。そんな時には、思い切って古い関係を断ち切り、新しい関係、今の自分で違和感なく付き合える友達を探すというのも一つの手です

職場や身の回りにすぐに新しい友人を見つけられなくても、ネットやSNSがこれほど便利に使える時代です。共通の趣味や考え、価値観を持った友人を探すのは、かつてほど難しいことではありません

しかし、です。なんさんはすでに共通点が失われつつある過去の友人たちと、それでも繋がっていたいという気持ちも少なからず持っているように思います。人と簡単に繋がれる時代だからこそ、共通点が見つけられなくても、それでも一緒にいたいと思えるような深い関係の友達はなかなか見つからないもの。 友人たちとの仲を回復する可能性を探ってみるのも、決して悪くないと思うのです。

♥そこでこんな隠し味

そこで私がお勧めしたいのは、抱えたモヤモヤを、いっそそのまま、打ち明けてみるということです

どう見えているにせよ、なんさんが感じていらっしゃる「置いていかれた感じ」や「正体不明の焦り」のようなものは、30代以上の女性なら殆ど誰もが、同じように抱えているものです。「お金持ってるんだね」と言ってきたそのご友人も、旅行やファッションを楽しむなんさんの状況と自分自身を比べ、「私にはそんなに使えるお金がない…」という劣等感を感じているように思えてなりません。

皆、焦っていて、皆、置いていかれた寂しさを感じている。そして皆、自分だけだと思っています。お互いにそれを打ち明けないから。だから、思い切って打ち明けてみるのも手です。「最近周囲に置いて行かれたようにな気持ちになる時がある」と、そのまま吐露するので良いのです。結果がどうなるか保証することはできませんが、これまで築き上げた関係性があれば、意外とご友人も自分の抱える悩みを打ち明けてくれるのではないかと思います。もしかしたら、ご友人からはなんさんの方こそ、ずっと先を行っているように見えているかもしれません。

心を開き、共感し合うことができれば、友情は続く。そうやって大切に育ててきた絆は、これから長く続く人生、どんなにライフステージが変わっても、お互いの心強い支えになってくれるはずです。

♥4月の格言①

いっそ、自分の抱えた劣等感を打ち明けてみる。

【お悩み②】 会社の上司に目をつけられています……。

▶ヒスイママさんのお悩み

新しい環境に入ると、いつも人間関係に不安がつきまといます。最近転職をしたのですが、一番苦手な「ボス」的存在に目をつけられ、顔色を窺うくせがついてしまいました。どうすればやり過ごせるのでしょうか......。

♥描き子の「幸せの要点」

何かと悩みの多い職場の人間関係の中でも、特にその場のボス、権力を握っている人と上手くやれるかどうかというのは頭を悩ます問題の一つですよね。

そういう大きな存在から目をつけられるようなことがあれば、毎日働いていて気が休まらないのはもちろん、その後の評価に響くのではないかと心配になったり、これ以上嫌われないようにと顔色を窺ってしまったりするのは当然のことだと思います。

頑張っていればきっと認めてもらえる、そのうち評価も変わっていくはず…そう自分に言い聞かせていても、嫌われているかも?という疑念を持っていることそれ自体、パフォーマンスが下がる要因になり得ます。嫌われているというのが事実であるにせよ、知り合って間もないがゆえの誤解であるにせよ、リラックスして働けるよう、早急にモヤモヤを解消したいものです。

♥そこでこんな隠し味

そこで、視点を変えてみましょう。上司から目をつけられている状態というのは、見方を変えれば意外とピンチではありません。マイナス評価をプラスに転じるのは、決して難しいことではないのです。

目をつけてくる人には、前のめりでアドバイスをもらいに行くのがコツです。折に触れてアドバイスを受け、何か上手く行ったら、あなたのおかげで!とすかさずお礼を言う。その人はきっと気を良くし、好感を持ってくれるでしょう……なんていうとちょっと話を単純化しすぎですが、とにかく、自分のアドバイスで人が成長していく様子に心を動かされない人はいません。

また、こういうボス的な存在は、気に入られてしまえば楽に過ごせるというほど単純なものでもありません。好かれたり高評価を受けたりするということは、逆に考えると、その好意と評価を裏切れない、というプレッシャーを抱えることにもなります。職場の人間関係では互いの利害が対立したり、言いにくいことを言わねばならなかったりする時もありますから、職場では好感を持たれすぎない方が、むしろやりやすいことも多いのです。ヒスイママさんは、別の視点で見ると、新しい職場で非常に幸先の良いスタートを切っているとも言えるのではないでしょうか。少なくともそういう見方を取り入れることで、焦る気持ちを和らげることができるはず。どうぞリラックスして、力を発揮してくださいね。

♥4月の格言②

目をつけられたら万々歳くらいの勢いで!

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描き子

イラストレーター、デザイナー、ライター。親や夫、子供との関係に悩んだ自身の経験を活かし、より多くの生きづらさを解消しようとSNSを中心に発信をしている。著書に、『推しにも石油王にも出会えない私たちの幸福論』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『女と男、このしんどさは誰のせい? わかりあいたいのに、なぜかすれちがう』(永岡書店)がある。Twitter@kaqico

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