長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときの"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。
「たまには植物性の素材ベースで、軽やかに食べられるセットを作るのも楽しいもの。植物性だけで献立を考えるのは多少工夫が必要で、パズルのような発見があります」。今回のパンケーキはそば粉と米粉でグルテンフリーにし、オーツやアーモンドの植物性ミルクを使用。
「オーツだけではややストイックになるので、アーモンドミルクで甘みをプラス。木綿豆腐のスプレッドはインド料理のカシューナッツのペーストがヒントに。クセのない合わせ味噌を加え、コクのある味に」。風味づけの調味料は強すぎないものを適度に使うのがいい。
「塩気と油気が足りないとおいしいと感じにくく楽しくないので。メリハリは大事」。植物性の素材をベースにすることで食べ心地や食後感に違いを感じたら、時々取り入れてみても。
「ヴィーガン、ベジタリアンなどのカテゴリーを気にせず、自分に合ったバランスで心地よく楽しんで」
材料
そば粉と米粉のパンケーキ
そば粉
140g
米粉
140g
ベーキングパウダー
小さじ1強
オーツミルク・アーモンドミルク
各150㎖
植物油
少々
〈フムス〉
ガルバンゾ水煮
約200g
練りごま
約80g
レモン汁
1/2個分
カイエンペッパー
少々
〈豆腐スプレッド〉
木綿豆腐
約150g
カシューナッツ
80g
合わせ味噌
約大さじ2
サラダ用ケール
3枚
ディル
3本
ミディトマト
4個
グリーンレーズン・スライスアーモンド
各大さじ2
炒りごま
大さじ1
オリーブオイル・塩・ 黒こしょう
各適宜
〈下準備〉フムスを作る。ガルバンゾの水煮は水気を切り、練りごま、塩、レモン汁を合わせてフードプロセッサーに入れる。低速から粉砕していき、水気が足りなければ大さじ1ずつ水を足し、粗めのペースト状に仕上げて保存容器に詰める。カイエンペッパーをふる。
豆腐スプレッドを作る。カシューナッツと大さじ2の水をフードプロセッサーに入れ、ペースト状にし、木綿豆腐をちぎりながら加えてなめらかになるまで回す。ボウルに移し、軽く練った合わせ味噌(硬ければ少し水を足す)を加えて混ぜ合わせ、保存容器に詰めておく。
ミディトマトはヘタをくり抜き、薄めの輪切りにして黒こしょうを軽くふり、容器に入れる。ケールとディルは5〜6分水に漬けて水気を切り、葉を食べやすくちぎって容器へ。それぞれ冷蔵しておく。
グリーンレーズン、スライスアーモンド、炒りごまは合わせて容器に。
パンケーキを作る。そば粉と米粉、ベーキングパウダーをボウルに入れ、塩ひとつまみを加えてよく混ぜる。オーツミルクとアーモンドミルクを計量カップに混ぜ合わせ、粉のボウルに数回に分けて加え、泡立て器で混ぜる。レードルですくい、スムースに落ちるくらいの生地に仕上げる(硬い場合は2種のミルクを同量合わせて少量足す)。
フライパンに植物油を薄く引き、キッチンペーパーで軽く拭き取って火を弱める。⑤の生地を流し入れ、レードルの底で軽く円を描くように広げ、少し火を強める。生地が白くなり8割方火が通ってきたら上下を返す。これを繰り返し、全部で15~16枚焼き、ベーキングシートなどに包んでおく。オリーブオイルは小瓶に移すかミニサイズを調達する。
〈仕上げ〉2種のスプレッドや野菜はそれぞれ器に盛り、フムスに④を散らす。パンケーキはオーブントースターで軽く温める。パンケーキにスプレッドや野菜をのせ、オリーブオイルを少し回しかけていただく。
今月のお気に入り
洗って繰り返し使える、スコッティのペーパータオル。
「野菜の水気を取ったり、キッチンや道具を拭いたり。何度も洗って乾かして繰り返し使い、最後はフライパンの油を拭き取って捨てます。そばに置いておくと自然とまめに掃除するようになるので、そういう意味でもいい存在。1枚ずつたたんで数枚重ねておくのがおすすめ」
フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍する一方、オリジナルの器を扱うオンラインストアSOUPs(soup-s.shop/)を展開。「友人から仮住まいのキッチンについての相談を受けて、最小限の道具を思案中。直径15cmの小鍋の可能性を探る毎日です」