冬が近づいて、温かい料理が恋しくなってきたのでは? 今月のテーマは、日本の民芸運動の流れをくむ、英国マチェルニー・ポタリーのオーブンウェア。「イギリスのオーブンウェアはグラタンやパンプディングにぴったりで、ひとつ持っていると毎日オーブン料理を作りたくなるはず。頼れる道具であり、器です」。英国らしいおやつももちろんだけど、まずは王道のグラタンを。「シンプルなポテトグラタンを個性的にするにはチーズの風味を変えること。生クリームを回しかけて焼く方法なら気軽だし、最初はサラサラした生クリームもチーズやポテトと混ざると全体がなじんで、とろーりおいしくなりますよ」
ウォッシュチーズのポテトグラタン
材料(3〜4人分)
- じゃがいも(男爵)
- 中6個
- ウォッシュタイプのチーズ
- 1個
- (マンステール、ポンレベックなど)
- 塩・こしょう
- 適宜
- 生クリーム
- 200㎖
- オリーブ油
- 小さじ1+少々
- 好みのパン(カンパーニュなど)
- 適宜
作り方
① チーズは1時間ほど冷凍し、切りやすくしておく。
② じゃがいもは1個を6等分に切り分けて皮をむき、軽く水にさらす。鍋に入れてかぶるくらいの水を注ぎ、オリーブ油小さじ1と塩ひとつまみを加えて中火にかけ、煮立ったら少し火を弱めて充分柔らかくなるまでゆでる。
③ じゃがいもが柔らかくゆで上がったら、少し火を強めて木べらで混ぜながら水気を飛ばす。粉吹き芋のように表面の水気がなくなったら火を止める。
④ オーブンを210℃に温める。耐熱容器にオリーブ油少々を塗り、③のじゃがいもを並べ入れる。塩を軽くふり、冷凍しておいたチーズを皮つきのまま12~14等分にスライスし、じゃがいもの上に置く。生クリームを注ぎ、オーブンに入れる。チーズが溶けて焼き色がつくまで20分ほど焼く。熱いうちにこしょうをたっぷり挽きかけ、厚めに切り分けたパンを添える。
今月のうつわ
巨匠バーナード・リーチの孫、ジョン・リーチが仲間と営むマチェルニー・ポタリー。「グラタンは小さいサイズで焼いて肉料理のサイドディッシュにも。洗ったらよく乾かすのがお手入れのコツ」。 オーブン皿 大〈Φ23.5〉¥12,000・小〈Φ18.5〉¥6,800/サムエルワルツ
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。10月に再オープンした「とらや 赤坂店」3階の菓寮メニューを監修。待望の新刊は、12月の出版が決定! 詳細は次号にてお知らせするのでお楽しみに。http://www.vegemania.com/
SOURCE:SPUR 2018年12月号「長尾智子が語る、うつわと料理 美味しいひと皿、あります」
photography:Masahiro Sanbe text:Kaori Okuda