料理と器の連載、最終回に長尾さんが選んだのは漆の汁椀。「漆の器はハードルが高いと決めつけず、使って慣れるとその心地よさに気づくもの。ひとつ加わるだけで食卓の雰囲気が変わります」と長尾さん。手始めに選ぶなら、汁椀がおすすめだそう。「スタンダードな白い洋食器と合わせると品がよく、色の対比もきれい。洋風のポタージュにトーストを添えたシンプルな献立も、漆器だといつもと違う表情になります。そろそろちゃんとした器を使いたいという気分の人は、まずは手頃な値段の漆器を少しずつ揃えてみては。日本的な道具ですが、和洋問わず気楽に使えていろいろと発見がありますよ」
かぶのポタージュとチーズトースト
材料(約4人分)
- かぶ
- 中5個
- 菜の花
- 1株
- 玉ねぎ
- 1/2個
- 生クリーム
- 200㎖
- オリーブ油
- 小さじ2
- 塩
- 少々
- 赤唐辛子粉
- 少々
- グリュイエールチーズ
- 約50g
- マスタード
- 少々
- バゲット
- スライス8枚
- くるみとレーズンのパン
- 4枚
作り方
❶ かぶは根元から葉と茎を切り落とし、縦4等分してからひと切れを2等分し、鍋に入れる。
❷ 玉ねぎは縦に薄切りにしてから刻み、粗みじんにして①に加える。軽くかぶるくらいの水(分量外)とオリーブ油、塩を加えて中火にかけ、煮立ってきたら蓋をして、少し火を弱めて15分ほど蒸し煮にする。
❸ ②がやわらかく煮えたらミキサーにかけるか、またはハンドブレンダーで粉砕し、少し粗めのピュレ状にして鍋に戻す。生クリームを加えて弱火で温め、味見をして必要なら塩を足し、ぽってりとしたポタージュに仕上げる。
❹ 菜の花は塩ゆでし、さっと水に通して粗熱を取る。水気を絞って細かく刻み、ボウルに入れて塩を軽くふって混ぜておく。
❺ バゲットにマスタードを薄く塗り、チーズをのせてトースターでカリッと焼く。ポタージュを器に盛り、④の菜の花をのせて赤唐辛子粉を軽くふる。チーズトーストともう一種のパンを添える。
今月のうつわ
代官山に本店を構える漆器専門店、山田平安堂は使いやすい器が揃い、長尾さんも時々のぞくそう。右の料理写真で使用した汁椀は、まゆみ(溜)。(右から)中椀 欅(神代すり)¥6,000・汁椀 まゆみ(朱)¥5,000・まゆみ(溜)¥5,000・汁椀 溜¥10,000/漆器 山田平安堂 代官山本店
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネイター。新刊『ティーとアペロ』好評発売中。次号からの新テーマは「金曜日のひと皿」。週末の夜に作りたい、お酒のおともにも軽い食事にもなるレシピをご紹介します。乞うご期待! http://www.vegemania.com/
SOURCE:SPUR 2019年3月号「長尾智子が語る、うつわと料理 美味しいひと皿、あります」
photography:Masahiro Sambe text:Kaori Okuda