"アペロ"はアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」あるいは「一杯、どう?」というような気分を表す言葉。休日前のリラックスした夜、軽いお酒の時間を楽しみながら、お腹もしっかり満足させたい。今月のひと皿は、そんなときにぴったりのレシピ。「ポークソテーとゆでたじゃがいもはシンプルな調理でも、それぞれ丁寧に仕込むとビストロ料理のような一品になります」と長尾さん。お酒に合う、決め手はレモン。「火を通したレモン独特の風味や香りを豚肉に絡めつつ、スライスも添えてフレッシュな香りも楽しんで。じゃがいもは水分を多めに残して、ほっくりやわらかく仕上げるのがコツ。からし菜も先にちぎっておくと盛りつけがスムースで、ソテーのでき上がりにタイミングが合います」。合わせたのはイタリアのスプマンテ。「さっぱりした辛口を。余ったらシャーベットに回しかけるとおいしくて、しゃれたデザートになりますよ」
材料(約2人分)
- 豚肩ロース肉
- 2枚(1枚約120g)
- じゃがいも(男爵)
- 2個
- からし菜
- 3〜4枚
- レモン
- 約1/2個
- 植物油(米油など)
- 小さじ1
- オリーブ油
- 小さじ2
- 塩
- 適宜
- こしょう
- 少々
作り方
❶ じゃがいもは1個を4〜5等分して皮をむき、さっと水にさらしてたっぷりの湯でゆでる。やわらかくなったら湯を捨て、オリーブ油と塩少々を加えて軽く混ぜ合わせ、蓋をしておく。
❷ からし菜は葉を小さめにちぎり、冷水に2〜3分つけて水気をしっかり切る。レモンは2枚だけスライスする。
❸ 豚肉は塩をふり、植物油を温めたフライパンに入れて中火にして蓋をし、2〜3分焼く。上下を返し、もう片面は蓋を取ったままこんがりと焼き、いったん火を止め、残りのレモンを搾りかける。再び火にかけ蓋をしてレモンの風味をさっとつける。
❹ ①のじゃがいもを弱火で温め直して器に盛り、③のソテーも盛ってレモンのスライスをのせ、フライパンに残った油を少しかける。最後にからし菜をたっぷり添えて、軽く塩をふる。全体に黒こしょうを挽きかけたら完成。
火を通したレモンは少し甘みがあって、独特の風味。先にスライスを切り分けておき、残りはフォークを使ってぎゅっと搾って
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。オンラインストア(https://soup-s.shop/)で販売中のオリジナルの器に、新作のケーキ皿が仲間入り。「ソースがきれいにたまって、スプーンですくいやすいようにリムを少しだけ深くしました」。ぜひチェックを! http://www.vegemania.com/
SOURCE:SPUR 2019年5月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.02」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda