“アペロ”はアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表す言葉。オーブン料理が恋しくなるこれからの季節には、熱々のクロックムッシュと微発泡のロゼワインで冬のしゃれたアペロはいかが? 「ブリオッシュで作る、少しよそ行きのクロックムッシュ。チーズは挟まず、仕上げにパルメザンチーズをかける程度なので重たすぎずアペロにぴったり。ブリオッシュ以外で作るなら、パンの耳が厚くないものにすると食べやすくていいですよ」。一見ハードルが高そうに思えるベシャメルソースも、慣れると意外に簡単だそう。「グラタンやシチューにも使えるソースなので、覚えておくと料理の幅が広がって便利です。風味づけのナツメグは粉末でもいいけれど、ホールをおろすと香りがほどよくておすすめ」。見た目も華やかでおもてなしにも喜ばれそうなメニューだから、ぜひ得意料理にしてアペロタイムを楽しんで。
材料(4人分)
- ブリオッシュ(円筒形のもの)
- 厚さ約1cmのスライス8枚
- プロシュット(生ハム)
- 4枚
- 牛乳
- 400㎖
- 薄力粉
- 大さじ2
- 無塩バター
- 30g
- 塩
- 少々
- ナツメグ
- 少々
- パルメザンチーズ
- 少々
作り方
❶ ベシャメルソースを作る。薄力粉はふるっておく。牛乳は鍋に入れ、沸騰する前に火を止める。別の鍋にバターを入れて弱火にかけ、バターが溶けてふつふつと泡立ってきたら薄力粉を加え、泡立て器で手早く混ぜて、クリーム状になるまで火を通す。
❷ ①が少し色づいてきたら温めた牛乳を少しずつ加え、そのつどなめらかになるまで混ぜて、とろりとしたクリーム状になったら火を止める(だまがあるようなら一度漉す)。ナツメグを全体にふり、塩を控えめに加えてよく混ぜる。
❸ オーブンを210℃に温める。天板にベーキングシートを敷き、ブリオッシュを4枚並べる。それぞれに②のベシャメルソースを全体に薄くのばして広げ、半分に折りたたんだプロシュットをのせる。さらにベシャメルソースを小さじ1程度のせ、残りのブリオッシュでサンドする。最後に余ったベシャメルソースを表面にものせて、パルメザンチーズを全体にすりおろし、オーブンへ。ほどよく焼き色がつくまで15分ほど焼く。
ベシャメルソースのだまを防ぐには泡立て器を使うといいそう。「ゴムべらや木べらよりも混ぜやすい。それでも気になる場合はザルで漉しても」
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するほか、オンラインストア(soup-s.shop/)でオリジナルの器の販売も。最近は、アクシデントで改装を余儀なくされたキッチンを少しずつ整え中だそう。「今度のキッチンはアジアの道具ばかりになりそう」。 http://www.vegemania.com/
SOURCE:SPUR 2019年12月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.09」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda