“アペロ” はアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表す言葉。気軽なパーティが増えるこれからの季節はスパークリングワインに合う、魚が主役のこんなひと皿はいかが? 「刺し身用に細長く切り分けてある切り身は、実はとてもソテー向き。火の通りがわかりやすく、盛りつけもしやすいので、お刺し身以外にもぜひ使ってみてください」。大きめのさくで一度に食べきれない場合は、焼いた後、オリーブ油漬けにするのもおすすめだそう。「少し塩を強めに足してハーブと一緒にオイル漬けにしておくと、チーズに合わせたりサラダにしたり、いろいろ楽しめます」。シンプルなソテーに、松の実の香ばしさやケイパーの酸味がアクセントとなってワインも進みそう。「スパークリングワインは、好みでレモンのスライスを加えるのもおすすめです。特に甘口のものは爽やかさが加わって、さっぱり飲みやすくなりますよ」
材料(2人分)
- 鰤(刺し身用)
- 小1さく
- ブロッコリー
- 1/2株
- ケイパー
- 小さじ1
- 松の実
- 小さじ2
- にんにく
- 1片
- 塩
- 少々
- オリーブ油
- 適宜
- レモン
- 1/4個
作り方
❶ ブロッコリーは小房に分けて塩ゆでし、オリーブ油小さじ1をふって混ぜておく。鰤は食べやすく切り分け、軽く塩をふる。
❷ フライパンにオリーブ油大さじ1と、皮をはずして2等分したにんにくを入れ、弱火にかける。にんにくの香りが立ってきたら鰤を並べ入れる。少し火を強め、すべての面に焼き色をつけるようにトングなどで返しながらこんがりと焼き上げる。
❸ トングで押さえて、鰤の身がしっかりとしていたら火が通った目安。フライパンから鰤を取り出して器に盛り、①のブロッコリーを添える。
❹ ③のフライパンにケイパーと松の実を入れ、軽く揺すって松の実に焼き色をつけ、油と一緒に鰤に回しかける。ブロッコリーにレモンを搾りかけて完成。
刺し身用のさくをブロック状に切り、全面を香ばしくソテー。「身にしっかりと弾力が出てきたら、火の通った証拠。トングを使うと便利です」
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。アドバイザーを務める小石原ポタリーにこの秋、新作の入れ子鉢が登場。「入れ子の収まりのよさや使い勝手のよさをポタリーでもと思い、10周年の限定品として作りました。ミニマムな1人分のセットとしても、単品で使っても便利です」。 koishiwara.jp/
SOURCE:SPUR 2020年1月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.10」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda