“アペロ”とはフランス語のアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表す言葉。チョコレートの季節には、ビターなスコーンと洋酒入りのミルクティーで、ティータイムのようなアペロを楽しむのも素敵。「ココアやビターチョコレートの風味にデーツの甘みがよく合う、大人っぽいスコーン。生地作りのコツは、ボウルの中でしっかりと練り合わせること。その後の作業がスムースになります。オーブンシートで生地を挟み、上からカッティングボードで押さえる生地ののばし方は、あまりお菓子作りをしない人でも気軽に作れるように今回考案したもの。なかなかよいアイデアなので、ぜひお試しを」。スコーンといえば、やっぱりミルクティー。「ミルクティーに甘みをつけて、ウイスキーやラムなどの洋酒を少し加えると、温かくて香りのよい飲み物に。紅茶はしっかりと濃いめにいれ、牛乳は少しだけ温めても。寒い時季ならではの格別なおいしさです」。甘党のあなたも、こんなアペロならきっとうれしいはず。
材料(12個分)
- 中力粉
- 250g
- ココアパウダー
- 30g
- ベーキングパウダー
- 大さじ1
- 三温糖
- 150g
- 塩
- 少々
- バター(無塩)
- 100g
- 牛乳
- 約160㎖
- チョコレート(ビター)
- 80g
- デーツ
- 10個
- クリームチーズ
- 約80g
作り方
❶ バターは細かく刻んで冷やしておく。チョコレートとデーツは細かく刻んでおく。
❷ 中力粉、ココアパウダー、ベーキングパウダーを合わせてふるい、ボウルに入れ、三温糖、塩を加えて泡立て器で混ぜ合わせる。そこに冷やしておいたバターを加え、粉をまぶしながらバターを指でつぶし、細かいパン粉のような状態にする。牛乳を2〜3回に分けて加え、そのつど全体を手早くゴムべらで混ぜる。少し粉気が残るくらいの段階でチョコレートとデーツを加え、しっかり練り合わせてひとまとめにする。
❸ オーブンを180℃に温める。天板にオーブンシートを敷く。それとは別に、大きめのオーブンシートを作業台に敷き、②の生地をのせてざっと広げる。上からもう1枚のオーブンシートをのせて生地を挟み、まな板やカッティングボードをのせて静かに押さえ、2㎝ほどの厚さにする。直径5㎝の丸型で生地を抜き、天板にのせる。型に打ち粉(分量外)をつけると抜きやすい。抜き終わった生地はまとめて同様に抜き、最後に残った生地は丸める。オーブンで20~25分焼き、取り出して粗熱を取る。練ったクリームチーズを添えていただく。
濃くいれた紅茶に牛乳を加え、蜂蜜か好みの砂糖で甘みをつけて洋酒を少々。「アイルランドの紅茶は、味がしっかりしてミルクティー向き」。
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストア、SOUPs(https://soup-s.stores.jp)を展開。現在、2021年に向けて単行本の内容を熟考中だそう。「レシピもありつつ、これまでの旅の写真や文章を中心に構成する予定」。
SOURCE:SPUR 2021年2月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.23」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda