温野菜のプロシュートのせとオレンジワイン - 金曜日のアペロ【最終回】

"アペロ"とはフランス語でアペリティフ(食前酒)の略で、「お茶しない?」「一杯、どう?」という気分を表す言葉。最終回の今月は手軽に作れてワインに合う、アペロのお手本のようなひと皿を。「シンプルな野菜の蒸し煮は、季節ごとに組み合わせを替えて一年中楽しめる料理。温かい野菜にプロシュートをのせると熱で少し脂が溶け、それも風味づけになっておいしさが倍増します。チーズや温泉卵、ゆで卵なども合うので、その時々でボリュームを変えてアレンジして」。野菜が煮上がる頃に水分を足し、スープにするのもおすすめだそう。「シンプルな料理は調味料選びも重要。香りのいいオリーブオイル、ミネラル豊富な塩などを普段から用意しておくといいですよ」。合わせたのは、イタリアのオレンジワイン。「赤ワインの製法で白ぶどうから造るオレンジワインは、合う料理の範囲が広くオールマイティ。このエリージョはやさしい香りで、少しトロピカルな風味も」。春の訪れを待ちわびつつ、軽やかなアペロでリラックスした時間を楽しんで。

材料(2人分)

キャベツ 
約1/4株
カリフラワー
小さめ1/2株
かぶ
中2個
プロシュート
3〜4枚
卵 
4個
ローリエ
1枚
塩・こしょう
各少々
オリーブ油
 大さじ1強
粒こしょう
各少々
オリーブ油
 大さじ1強
 小さじ2
好みのパン 
 適宜

作り方

❶セロリの茎はすじを取って斜めに切り分ける。黄にんじんは皮をよく洗い、厚さ1㎝弱の輪切りにする。きゅうりはピーラーですじ状に皮をむき、両端を切り落として1㎝の輪切りにする。バットなどに入れ、軽くまぜ合わせておく。レモンは3枚スライスし、残りは搾っておく。

❷鍋に湯を沸かし、常温においた卵を7分ゆで、流水で急冷して粗熱を取って殻をむく。

❸清潔な瓶にきゅうり、黄にんじん、セロリをまぜながら入れ、途中で周りにディルとセロリの葉、レモン2枚を詰める。上に残りのレモンとディルをのせる。別の瓶に、ゆで卵とガルバンゾを詰めておく。

❹鍋に水700㎖とりんご酢、レモン汁、塩、ローリエ、砂糖、粒こしょうを入れて中火にかける。煮立ったら少し火を弱めて1分ほど煮詰める。ピクルス液が熱いうちに、野菜の瓶に注ぎ入れて蓋をする。残りのピクルス液にターメリックを加えてまぜ、卵の瓶に注ぎ入れて蓋をする。そのまま半日以上おく。

 

イタリアのエミリア・ロマーニャ州のマリア・ボルトロッティ エリージョ。「古くから地元に根づく土着のソーヴィニヨン・ブランを使っています」

PROFILE

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍する一方、スープをテーマにしたオンラインストア(soup-s.shop)を展開する。アペロの連載は今月で終了。次号からの新テーマは保存食。「実は昔から、保存食作りが趣味的に好き。役に立って頼れてきれいな連載にしたいな」。乞うご期待! vegemania.com

SOURCE:SPUR 2021年3月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ 最終回」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda

FEATURE