在宅時間が増えた今日この頃。今月号の連載はいつもと少し趣向を変えて、お酒とともに楽しむアペロのアイデアを集めた特別編を。「連載では食事に近いボリュームのものも紹介していますが、今回はいつもの気軽さはそのままに、さらに手間をかけず作れる小さなアイデアを集めてみました」。一品作ってグラスワインに添えても、デリメニューのように数種類を盛り合わせても楽しい。「金曜日に限らず、どんな時間を過ごすかが大事になるこれからの暮らし。アペロのひとときはゆったりしたリズムで暮らすヒントになりそうです。おいしい塩やスパイス、オリーブ油などがあれば、たいていは失敗しないもの。小さな料理でも、自分の好きなバランスを見つけるチャンスです」。
チーズときゅうりのサラダ
カッテージチーズをキッチンペーパーで茶巾絞りにして冷やし、水気を絞る。きゅうり、ドライドトマトとともに皿に盛り、塩、こしょう、オリーブ油を全体にかける。「チーズを崩しながらきゅうりと一緒に食べて」
クミン風味のキャロットラペ
にんじんはスライサーで斜めに薄切りにしたあと、千切りにする。ボウルに入れて、ビネガーとはちみつ、塩、クミンシードを順に加えて混ぜ、冷蔵庫で冷やす。「一口大に切って軽く塩をふったトマトを添えても」
コーンと香菜のヨーグルト風味
ゆでたとうもろこしの粒をそぎ落として、刻んだ香菜と一緒にボウルに入れる。プレーンヨーグルト、マヨネーズ、塩、オリーブ油、赤唐辛子粉を加えてよく混ぜる。「ハムやサラミを刻んで入れてもおいしい」
ローストパプリカと温泉卵
フライパンに薄く油を温め、一口大に切ったパプリカの皮側を下にして並べて中火で焼く。焼き色がついたら上下を返し、蓋をして、柔らかくなるまで蒸し焼き。卵は常温に戻し、沸騰した湯に入れ、7分置いて殻を割る。器に盛り、オリーブ油と塩をふる。「卵をからめて食べるとおいしい」
トースト レモンとパンチェッタ
レーズンパンに、薄くスライスしたレモンと無塩バターをのせる。バゲットには、スライスしたパンチェッタをのせる。どちらもトースターでこんがり焼き、レモンには塩、パンチェッタにはオリーブ油をそれぞれふる。「レモンのトーストには、さらにはちみつを少し垂らしてもいい」
オイルサーディンとレモン
輸入食材店などで売っているトマト風味のオイルサーディン缶を開けて、サーディンをフォークでざっと崩し、レモンをたっぷり搾りかけてバゲットにのせて食べる。「大ぶりで身の柔らかい、輸入品のサーディンに向いた食べ方。ほぼそのままなので手間なしで作れる気楽なアペロの一品」
\ 何種類か作って盛り合わせても /
アルザスの老舗ワイナリー、クラインクネヒトの白ワイン。「古い畑で作られるヴァンナチュール。ピノブランはやわらかい風味、値段も手頃でおすすめです」
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにしたオンラインストア(soup-s.shop/)を展開。昨秋、友人と共同経営で神宮前にバーをオープン。「Bar werkのメニューをミニマムに変更中。かっこいいバーメニューとは?を考える毎日」。vegemania.com
SOURCE:SPUR 2020年8月号「長尾智子のお酒と小さなひと皿 金曜日のアペロ No.17」
photography: Tomoko Nagao text: Kaori Okuda