作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。単なる効率ではなく、季節を感じながら健やかな自分を持続させる保存食、今月は便利でおいしいイタリアの万能ソース。
「ピエモンテの肉料理、ボリートミストに欠かせないサルサヴェルデを春らしくアレンジして、イタリアンパセリの代わりに菜の花と春菊で作ってみました。刻んだ野菜にゆで卵やパン粉、アンチョビなども加えてコクのある味に仕上げます。本来は卵黄のみですが、もったいないので全部一緒に」。
煮込み料理やゆで野菜に添えると味のアクセントになって見た目もきれい。
「サンドイッチやパスタ、スープの具にしたり、ポテトサラダに混ぜたり。ひとさじ加えるだけでイタリアの味になりますよ」。
野菜がたっぷり取れて、シンプルな料理をグレードアップしてくれる、鮮やかな緑のソースをぜひ冷蔵庫の定番に。
材料(作りやすい分量)
- 菜の花
- 1束
- 春菊
- 1/2束
- 卵
- 2個
- パン粉
- 大さじ山盛り2
- アンチョビフィレ
- 6枚
- レモン汁
- 少々
- オリーブオイル
- 約150cc
- 塩
- 少々
作り方
❶菜の花、春菊は冷水に10分ほどつけてパリッとさせ、茎の硬い部分があれば切り落とす。大きめの鍋にたっぷりの湯を沸かし、沸騰したらそっと卵を入れ、9分タイマーをかける。再び煮立ってきたら菜の花を入れ、1分ほどゆでたら引き上げて冷水に取り急冷する。次に春菊を入れ、こちらは30秒くらいで引き上げて急冷。両方ともしっかりと水気を絞る。
❷①の卵がゆで上がったらいったん冷水に取り、しばらく置いてから殻にひびを入れ、粗熱を取る。菜の花と春菊をまな板にのせ、端から粗く刻み、水気が出るようならもう一度絞り、さらに角度を変えながら粗みじんに刻んでおく。アンチョビフィレは油をきって粗みじん切りにする。卵は殻をむく。
❸ボウルにアンチョビフィレと卵、レモン汁を入れ、泡立て器で卵をつぶしながら混ぜ合わせる。卵が細かくなってきたら、②の菜の花と春菊を加え、パン粉、塩を軽くふってスプーンでざっと混ぜ合わせる。オリーブオイルを少しずつ加え、全体がなじんでまとまればでき上がり。味を見て、しっかりめの塩味にととのえる。冷蔵庫の中で4〜5日間保存可能。
【鶏の煮込みの作り方】
鶏もも肉1枚を4等分して軽く塩をふって5分おき、塩を流す。かぶる程度の水とともに鍋に入れ中火にかけ、アクを取って弱火で15分煮る。大きめに切ったキャベツ1/4個、皮をむいたメークイン2個、4等分した玉ねぎ1個、ローリエ1枚を加え、蓋をして30分ことこと煮込む。煮汁は少なめで、材料を動かさず静かに煮込むのがコツ。
PROFILE
ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍するかたわら、スープをテーマにオリジナルの器などを扱うオンラインストア、SOUPsを展開。「新作のディナー皿がまもなく完成」。お楽しみに!
SOURCE: SPUR 2022年5月号「長尾智子の保存食レシピ」
photography: Masahiro Sambe text: Kaori Okuda