「旅の楽しみのひとつは、知らなかった味に出合うこと」。現地の味を思い出したり、まだ見ぬ土地を想像しながら生まれたレシピが、旅情を刺激する。いつもの食卓で、非日常を味わおう。
「旅の楽しみのひとつは、知らなかった味に出合うこと」。現地の味を思い出したり、まだ見ぬ土地を想像しながら生まれたレシピが、旅情を刺激する。いつもの食卓で、非日常を味わおう。
菜飯とは
琉球王国の宮廷料理の流れを汲む沖縄の郷土料理で、菜飯(セーファン)と呼ばれる。錦糸卵やしいたけ、にんじん、青菜、筍、油揚げ、キクラゲなど、数種類の具材を切り揃えて彩りよくご飯の上にのせ、熱々のかつおだしをかけていただく。主に食事の最後に提供される。
色とりどりの具材をのせた見目麗しい菜飯は、"セーファン"と呼ばれる沖縄の郷土料理。「宮廷料理がルーツのだしかけご飯で、祝い事などで人が集まるとき、宴の締めとして出される料理だそう。それに倣って大きな丼ではなく、小ぶりなお茶椀や塗り物のお椀などに品よく盛りつけるとより雰囲気が出ます。お代わりする前提で、1杯を小盛りに」。
本来は具材を別々に煮て味をつけるレシピながら、今回は少し簡単なやり方で。「しいたけ、にんじん、油揚げはひとつの鍋で煮てOK。具材を混ぜないように静かに煮ると味も混ざらず、盛りつけもしやすくなります」。
具材のアレンジもお好みで。「鶏胸肉やささみを蒸して細く割き、具材のひとつとして加えたり、奄美の鶏飯とのミックスのようなアレンジもおすすめ」。
下ごしらえにやや手間のかかる料理だけれど、その分特別感のある仕上がりで、だしをかけたすっきりとした味わいは格別。祝い事の多い、これからの季節のレパートリーに。
材料&レシピ
沖縄の菜飯
にんじん
中1/2本
干ししいたけ
3個
油揚げ
1枚
春菊
1束
卵
大2個
雑穀ご飯
4膳分
かつお節
ひとつかみ
昆布
10㎝角1枚
豚バラ肉(焼き肉用など)
約120g
てん菜糖
小さじ1
しょうゆ
小さじ2
塩、植物油
各適宜
里芋
大4個
シークヮーサー
2個
しょうがの搾り汁
小さじ1
白練りごま
約大さじ3
だしを取る。昆布を鍋に入れて水2ℓを注ぎ、20分ほど置く。弱めの中火にかけ、煮立ってきたらかつお節を加えて火を弱め、豚肉を加えて2~3分静かに煮て火を止める。豚肉を取り出し、だしを濾す。豚肉は軽く塩をまぶしてラップをかけておく。干ししいたけはボウルに入れ、ぬるま湯をかけてラップをしておく(戻し汁も取っておく)。
にんじんは斜めに薄切りにしてから、千切りする。油揚げはざるにのせ、湯を回しかけて水気を切り、細切りにする。春菊はさっとゆでて冷水に取り、3等分して茎の太い部分は薄切りにし、水気を軽く絞る。戻した干ししいたけは軸を外して細切りにし、戻し汁100㎖を①のだしに加え、かつお節と昆布を取り除く。
鍋に②のだしを200㎖ほど取り、てん菜糖、塩少々、しょうゆを加えて弱火にかける。にんじん、干ししいたけ、油揚げを入れ、なるべく混ざらないように静かに4〜5分煮て火を止め、煮汁から引き上げる。煮汁が残っていればだしに戻す。
錦糸卵を作る。ボウルに卵を割り入れ、塩ひとつまみを加えてよく溶きほぐす。フライパンを弱火で温め、油を引いてキッチンペーパーで拭き、溶き卵を適量流し入れる。フライパンを傾けて薄く広げ、焼き色がつかない程度に両面を焼いて取り出す。それを繰り返して全部焼いたらまな板に取り、2等分して細切りにする。
里芋は皮ごとゆで、金串を刺してすっと通ったら引き上げて粗熱を取る。皮をむいて2等分し、ごく軽く塩をふる。練りごまにシークヮーサーの果汁を搾り、しょうがの搾り汁も加えてよく混ぜる。②のだしを温め、塩少々加えて味をととのえる。器に雑穀ご飯を中高に盛り、放射状に錦糸卵、干ししいたけ、にんじん、油揚げ、春菊を並べて盛り、温めただしをたっぷり回しかける。里芋と、食べやすく切った①の豚肉を器に盛り、ごまだれをかけて添える。
ながお ともこ●フードコーディネーター。オンラインストア、SOUPsも展開。「3月27日から21_21 DESIGN SIGHTで開催される企画展『スープはいのち』に参加予定。ぜひ見に来てください」。連載は最終回。おいしいアイデアや近況はインスタグラムでチェックを!




