長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときのための"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。
暑い夏は揚げ物とビールが恋しい! 自家製バッファローソースを添えたえびのフリッターで、アメリカンダイナー風の持ち寄りメニューはいかが?
「バッファローソースは、ナイアガラの滝に近いニューヨーク州の街の名がついたチリソース。にんにくを使わず、酢の代わりにレモン汁で爽やかな風味にアレンジしました。バッファローソースといえば、鶏の唐揚げにたっぷり絡めたチキンウィングが定番だけど、鶏肉や豚肉と合わせるときもソースを絡めず別添えにすると、味の強弱がついて料理としての見た目もきれいです」。
揚げたてが一番なので、えびは下ごしらえだけして材料をそのまま持っていき、その場で衣を作って揚げて。つけ合わせのきゅうりも食べる直前にさっとスライスし、塩とビネガーであえただけでさっぱりおいしく、揚げ物のお供にぴったり。食欲がわきそうなパワーのある夏のごちそう、暑い季節にぜひお試しあれ。
材料
えびのフリッターとバッファローソース
えび(ブラックタイガーなど)
約16尾
薄力粉
150g+適宜
卵
大1個
塩
適宜
炭酸水
約100㎖
植物油
適宜
A
トマトピュレ
200g
レモン汁
大さじ4
ウスターソース
大さじ1
チリペッパー
小さじ1強
てん菜糖
小さじ1
無塩バター
20g
きゅうり
2本
白ワインビネガー
小さじ2
にんにく
1〜2片
バゲットなど好みのパン
適宜
〈下準備〉えびは殻をむき、背に浅く切り込みを入れて背わたをはずす。ボウルに入れ、小さじ1/2程度の塩をまぶして揉み込むように混ぜ、流水で洗い流す。キッチンペーパーで水気を拭き取り、平らな容器に入れて冷蔵庫へ。
バッファローソースを作る。鍋にAの材料を入れ、弱火にかけて混ぜながら温める。4〜5分煮詰め、仕上げに無塩バターを加え、混ぜながら1分ほど煮たら火を止めて冷まし、容器に移す。
バゲットは食べやすくカットし、保存袋に入れる。薄力粉は容器に入れる。きゅうり、卵、炭酸水はそのまま持っていく。揚げ油や調味料は持っていくか、持ち寄り先で調達。
〈仕上げ〉①のえびに薄力粉大さじ1程度を茶こしでふるいながらふり、上下を返して同様にふりかける。分量の薄力粉はふるって大きめのボウルに入れ、塩小さじ1/4を足し、溶いた卵と分量の炭酸水を加えて手早く混ぜる。固ければ炭酸水を適宜足し、少し重めの衣に仕上げる。フライパンに油を1.5㎝ほどの深さに注ぎ、中火にかける。衣の生地を油に落としてすぐに浮き上がったらえびを衣にくぐらせ、余計な衣はボウルの端で落として油に入れる。途中、上下を返して焦げすぎないようにほどよく揚げ、クッキングシートを敷いた器に取る。きゅうりは両端を切り落とし、包丁かスライサーで薄切りし、白ワインビネガーと塩少々をふってざっと混ぜる。バゲットに皮を剥いて切ったにんにくの切断面をこすりつけ、軽くトースト。それぞれ器に盛りつけ、フリッターをソースにつけて食べる。
今月のお気に入り
揚げ物やオーブン料理に便利なクッキングシート。
「常備しておくと、気軽な贈り物のラッピングにも重宝します。揚げ物や焼き菓子の敷き紙にしても感じがいいし、フリッターを温め直すときに敷いてトーストすると油で汚れにくくスマート」。白いほうはロール状の一般的なタイプ。茶色はフランスで見つけたエンボス入りのもの。
フードコーディネーター。オンラインストアSOUPsを展開。「遠出しやすくなってきたので国内パトロールを開始。昔ながらの和菓子やローカルな市場など、なくなりつつあるもの、なくなってほしくないものを探訪予定」