作って楽しく、食べておいしい。あると心強くて安心するもの。季節を感じ健やかな自分を持続させる保存食、今月は冬の定番にしたい南仏の家庭料理。
「たら入りのマッシュポテトをブランダードといいます。本来は干したらを水で戻して作るものですが、身近な生たらを使ってもおいしく作れます。煮る前に必ず塩をふってしばらく置き、身を締めるのがポイントです」。
ペースト状にしてパンに塗るのはもちろん、今の季節のおすすめはチーズを加えてオーブンで焼くグラタン風のアレンジ。
「もともと素朴な料理なので、チーズの量はほどほどに。生地に混ぜ込み、パン粉をたっぷりふって焼き上げます。たくさん作って、残った分は焼き直すと水分が飛んでたらの風味が強まり、それもおいしいですよ」。
前菜にもメイン料理にもなる冬にぴったりの作り置き、たらがおいしい季節にぜひお試しを。
ブランダード
(作りやすい分量)
生たら
2切れ
じゃがいも(男爵)
約250g
にんにく
1片
牛乳
約150㎖
白ワイン
約大さじ4
塩
少々
オリーブオイル
大さじ2
ローリエ
2枚
【グラタン風の材料】
グリュイエールチーズ
50g
パン粉
大さじ2強
じゃがいもは切り分けて皮をむき、軽く水にさらしてから鍋に入れ、かぶるくらいの水を注ぐ。皮をむき2等分して芯をはずしたにんにくを加える。中火で柔らかくなるまでゆで、水分が少し残るくらいで火を止める。
生たらは軽く塩をふって4〜5分置き、塩を洗い流してフライパンに並べ入れる。ローリエ、白ワイン、オリーブオイル大さじ1を加えて中火にかけ、煮立ってきたら蓋をして3〜4分蒸し煮する。蓋を取り、水分が残っていれば少し煮詰めて火を止め、粗熱を取ってからたらの皮と骨をはずしてバットなどに移しておく(身が崩れてもいい)。
①のじゃがいもに②のたら、残りのオリーブオイル、塩、牛乳を加えて弱火にかける。ポテトマッシャーか泡立て器で混ぜながらつぶし、全体がまとまってきたら木べらに替えて火を止め、もったりとした柔らかいマッシュポテトのように仕上げる。密閉容器に移し、約10日ほど冷蔵保存可。
温かいブランダードにグリュイエールチーズを混ぜ込む。オリーブオイル少々(分量外)を塗ったグラタン皿に入れて平らにならし、パン粉をふり、210℃のオーブンでこんがりと焼き色がつくまで20~30分焼く。ゆでたカリフラワーやパンを添えていただく。
フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍する一方、オリジナルの器を扱うオンラインストア、SOUPsSOUPs(soup-s.shop/)を展開。「ディナー皿に続き、要望の多いボウルを作ることに。高台の形を思案中です」。来春発売の予定だそう。お楽しみに!