長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときの"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。
長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときの"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。
ゆでた鶏肉とゆで汁のスープ、ひとつの工程で2品作れるレシピで気軽なエスニックの持ち寄りを。
「はちみつ焼きは、はちみつの甘さとナンプラーの風味がきいたアジア風味の"焼き鳥"。鶏肉をゆでて持っていき、その場で焼き目がつくまで焼くと香ばしさが味わえる上に、ゆで汁のスープも楽しむことができて一石二鳥」。鶏肉は先にゆでてあるので焦げないように気をつけつつ、オーブントースターで焼いてもOK。
「鶏肉を調理するときは短い時間でも最初に塩をふって水気を出すと、肉質が締まって風味よく仕上がります。ぜひ習慣に」。つけ合わせの野菜やナンプラー風味のゆで卵は、それぞれ下ごしらえして持っていくと、その場で盛り合わせるだけで華やかなプレートが完成。レモンやライムはたっぷり用意して、鶏肉だけでなく、スープに搾っても。
「アジアの料理は甘さと辛味、酸味が決め手。それを意識するとおいしく仕上がります」
材料
鶏肉のはちみつ焼きとスープ
鶏もも肉
大2枚(約600g)
はちみつ
大さじ3
ナンプラー
大さじ3
ごま油
大さじ1
寿司酢
大さじ2
レモン・ライム
適宜
卵
4個
大根
3〜4㎝
もやし
1袋
サラダ菜
4〜5枚
赤唐辛子粉
少々
香菜
3〜4本
塩
適宜
〈下準備〉鶏肉は筋や脂を取り除く。バットに並べて両面に軽く塩をふり、4〜5分おいて水気を拭き取り、鍋に入れる。1.5リットル程度の水を注いで中火にかけ、煮立ってきたら火を弱めてアクをすくい、軽く煮立つ程度の火加減で20分ほどゆでる。冷めたら、容器に移す。鶏肉の煮汁は濾して、瓶などに移しておく。
はちみつ、ナンプラー大さじ2、ごま油、塩少々をよく混ぜ合わせてたれを作り、小さな容器や瓶に入れる。卵は沸騰した湯に入れ、7分ゆでて軽く殻にひびを入れ、冷水にとる。冷めたら殻をむき、保存袋に入れてナンプラー大さじ1を加えておく。
大根は皮をむいて4等分し、薄切りにして軽く塩をふり、2〜3分おいて流水で塩を落とし、水気を絞る。もやしは沸騰した湯で湯通し程度に数十秒ゆでて流水で急冷し、水気を切ってボウルに入れ、寿司酢をふって混ぜる。サラダ菜は大きいまま冷蔵庫で冷やし、香菜は根を切り落とす。それぞれ容器に入れ、レモン、ライムはそのまま持っていく。
〈仕上げ〉鶏肉を焼く。オーブンを190℃に温める。①の鶏肉は4等分に切りオーブンペーパーを敷いた天板にのせ、刷毛かスプーンで②のたれの半量を表面に塗り、オーブンで焼く。15分くらいたったら残りのたれを塗り、焼き目がつくまでさらに10~15分ほど焼く。香菜は細かく刻み、レモン、ライムは切り分ける。鶏肉の煮汁を鍋に移し、少なければ適宜水を足して温め、味を見て足りなければ塩少々を足し、仕上げに香菜を加えてスープを作る。器に鶏肉、卵、ちぎったサラダ菜、大根ともやしを盛り合わせ、大根ともやしには赤唐辛子粉少々をふる。レモンとライムを適宜搾っていただく。
今月のお気に入り
スープ皿
長尾さん自身が展開するブランド、SOUPsオリジナルのスープ皿。「スープ皿にアジア料理を盛る、というイメージはないかもしれませんが、深さのある器は案外収まりがよくて盛りつけやすいもの。白い磁器に、アジアらしい染め付けや塗り物、素朴な陶器の質感を組み合わせるとテーブルが少し洗練されてすっきりとした印象に」
フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍する一方、オリジナルの器やスパイスミックスを扱うオンラインストア、SOUPsを展開。「とあるイベントのために日本のお菓子をおさらい中。詳細は少し先ですがお楽しみに」