なすのアグロドルチェ&チーズ焼き【長尾智子の持ち寄りレシピ 第18回】

長尾智子さんに教わるのは、友人を訪ねたり、みんなで集まるときのための"誰かのための料理"。「持ち寄りの楽しみは工夫すること。コンパクトにまとめて、行き先で盛りつけて食べて、始末よく終わるのが理想」。おいしい時間を共有するためのレシピをご紹介。

なすのアグロドルチェ&チーズ焼き 【長尾智子の持ち寄りレシピ】

秋なすを主役にした手軽な2品で、アペロにも軽いランチにもなる持ち寄りを。

「なすは気楽に調理できる野菜で、火が通りやすく、料理の仕方で味の印象が変わります。作り置きのアグロドルチェと、その場で焼くシンプルなチーズ焼き。同じ素材で違う料理を楽しむのも新鮮」。アグロドルチェは、甘酸っぱい味つけのイタリア風惣菜。

「赤ワインビネガーと砂糖で煮込む作り方もありますが、バルサミコ酢を使うと失敗がなく、コクがあってほどよい甘酸っぱさに。温冷どちらでもおいしく、前菜やつけ合わせにぴったり」。チーズ焼きはやや多めの油で揚げ焼きに。

「加減はこんがりとした色で判断し、あとは余熱で。オリーブオイルや衣は多めに用意して」。1品は仕上げて持って行き、もう1品はその場で調理するというアイデアも応用できそう。

「自分もラクでみんなも楽しいので、ぜひお試しを」

なすのアグロドルチェ&チーズ焼き 【長尾智子の持ち寄りレシピ】

材料

なすのアグロドルチェ&チーズ焼き【長尾智子の持ち寄りレシピ】

なすのアグロドルチェ&チーズ焼き

メイン
WHAT TO USE
  • 〈なすのアグロドルチェ〉

  • なす

    中3本

  • パプリカ(赤・黄)

     各小1個

  • 万願寺唐辛子

    4本

  • マッシュルーム

    6〜7個

  • にんにく

    1片

  • 適宜

  • オリーブオイル

    適宜

  • バルサミコ酢

    大さじ4

  • 〈なすのチーズ焼き〉

  • なす

    中4本

  • パルメザンチーズ

    約100g

  • パン粉

    約70g

  • タイムの葉

     3〜4本

  • 塩 

    少々

  • オリーブオイル

    約200㎖

  • 〈つけ合わせ〉

  • 好みのパン

    適宜

  • じゃがいも

    小7〜8個

RECIPE
1

〈下準備〉なすのアグロドルチェを作る。なすは両端を切り落とし、縦2等分して厚さ2㎝に切る。パプリカはヘタと種を取り、ひと口大の角切りにする(細長いものなら厚めの輪切りにする)。万願寺唐辛子はヘタを切り、3㎝に切り分ける。マッシュルームは石づきを少し切り、縦に2等分にする。にんにくは皮をむいて2等分し、芯をはずす。つけ合わせ用のじゃがいもは洗い、皮をつけたまま水からゆで始める。

2

鍋にオリーブオイル大さじ2とにんにくを入れ、弱火にかける。温まってきたら、なす以外の野菜を入れて塩をふり、中火で炒め合わせる。蓋をして、弱火で2分ほど蒸し煮する。なすをのせ、オリーブオイル大さじ1を回しかけ、塩少々を軽くふって全体を混ぜる。バルサミコ酢を加え、混ぜながら水分を飛ばすように煮る。野菜がしんなりして、煮汁が少し残る程度で火を止める。

3

①のじゃがいもが柔らかくゆで上がったら水気を切り、粗熱をとって熱いうちに皮をむいて塩をふる。②のアグロドルチェ、ゆでたじゃがいも、なすのチーズ焼きの材料を適宜、容器に詰める。

4

〈仕上げ〉なすのチーズ焼きを作る。なすは両端を切り落とし、厚さ2.5㎝程度(5~6等分)に切り分ける。パン粉をバットかボウルに入れ、パルメザンチーズを30gほどすりおろして加え、塩少々も軽く加えて混ぜる。なすの切り口両面に水をつけ、チーズ入りパン粉に押しつけるようにして両側に満遍なくつける。全部つけ終わったらバットなどに並べておく。フライパンを弱火にかけ、オリーブオイルの1/4くらいを温める。温まってきたらなすを並べ入れる(フライパンの大きさによって2回に分けても)。下面がこんがりと焼けたら上下を返し、様子を見てオリーブオイルをなすの間に回しかけながら焼く。焼き上がったものからキッチンペーパーに取り、油を切ってから器に盛り合わせる。盛ったなすに、グレーターかおろし金でチーズをたっぷりおろしかけ、タイムの葉を散らす。アグロドルチェも盛り、ゆでたじゃがいもやパンを添える。

今月のお気に入り

素材を細かくおろすのに便利なグレーター

素材を細かくおろすのに便利なグレーター

「ベーシックなタイプはマイクロプレインというメーカーのもの。塊のチーズなら、まな板にチーズを置いてグレーターを動かすとおろしやすいです」。右の小さなほうはナツメグなどのスパイス用で、ジャカードのもの。「食べる直前におろすおいしさは格別なので、ぜひ使ってみて」

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フードコーディネーター長尾智子

フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍する一方、オリジナルの器やスパイスミックスを扱うオンラインストアSOUPsを展開。「秋頃からは、ずっとアイデアを温めていた真っ赤なコンポートなども販売予定。乞うご期待」

SOUPs

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