「旅の楽しみのひとつは、知らなかった味に出合うこと」。現地の味を思い出したり、まだ見ぬ土地を想像しながら生まれたレシピが、旅情を刺激する。いつもの食卓で、非日常を味わおう。
「旅の楽しみのひとつは、知らなかった味に出合うこと」。現地の味を思い出したり、まだ見ぬ土地を想像しながら生まれたレシピが、旅情を刺激する。いつもの食卓で、非日常を味わおう。
グヤーシュとは
ハンガリー発祥の料理で、グヤーシュは"牛飼い"の意味。スープを意味する"レヴェシュ"と合わせてグヤーシュレヴェシュとも呼ばれる。農作業の合間にさっと食べられるよう大きな鍋で煮込んだ農夫の料理がルーツといわれ、オーストリアなどの近隣国にも広く伝わっている。
ハンガリー語で"牛飼い"を意味するグヤーシュは、名産のパプリカパウダーをたっぷり使った素朴な煮込み料理。「本来は牛肉中心でほかの具材はあまり入れないのですが、スープで煮込まれた野菜がおいしいので、今回は何種類か加えました。ほかにもブロッコリーやカリフラワー、長ねぎ、ピーマン、かぶなどもおすすめです」。
パプリカパウダーはパプリカが原料のスパイスで、赤い色ながら辛みはなく、色鮮やかで料理にコクや酸味を与えてくれる。「以前、旅で訪れたハンガリーでは、市場や街中の食堂はパプリカの量が控えめでシックな色合いが多く、レストランではくっきり色鮮やかなグヤーシュが出てきた記憶があります。今回は親しい人を招いて振る舞うご馳走風に仕上げましたが、基本はとても飾り気のない料理。好みでヨーグルトを少しのせてもおいしいです」。
ざっくりしたカンパーニュを大きめにカットして、スライスしたチーズをのせて軽く焼いて添えて。寒さが厳しい国の質実剛健な献立は、冬が深まるほどにしみわたる味わい。
材料&レシピ
ハンガリーのグヤーシュ
牛肉(シチュー用角切り)
約300g
玉ねぎ
小1個
にんじん
小1本
じゃがいも(メークイン)
2個
赤ピーマン
2個
にんにく
1片
イタリアンパセリ
適宜
トマト水煮(カットタイプ)
約200g
塩、こしょう
各少々
パプリカパウダー
小さじ2
植物油(米油など)
約小さじ2
ローリエ
2枚
好みのパン
適宜
ハードチーズ(チェダー、ゴーダ など)
適宜
牛肉はバットに並べて全体に塩をふり、15分ほどおく。玉ねぎは4等分して皮を取り、角切りにする。牛肉の塩を拭き取り、玉ねぎと一緒に鍋に入れ、油を回しかけて中火にかける。軽く混ぜ、牛肉の表面が白くなってきたら少し火を強め、全体を混ぜながら炒める。
全体に油が回り、玉ねぎにも火が通ってきたら、水800㎖くらいを加え、ローリエを入れる。煮立ってきたらアクをすくい、少し火を弱めて蓋をして1時間ほど煮る。途中、30分ほどたったら水分を見て、300㎖ほど水を足す。ここまで圧力鍋を使って時間短縮してもよい。
牛肉を煮る間に、ほかの具材を準備する。赤ピーマンは4等分してヘタと種を外し、1切れを2〜3等分にする。にんにくは粗みじんにする。じゃがいもは皮をむいて1個を4〜5等分に切り分け、軽く水にさらす。にんじんは洗い、皮ごと1㎝厚さの輪切りにする。イタリアンパセリは粗く刻んでおく。
②の牛肉が柔らかく煮えたら、③の野菜をすべて入れ、トマトの水煮とパプリカパウダーを加える。水分量を材料がかぶるくらいに調整し、ごく軽く煮立つ程度の火加減で、具材が柔らかくなるまで火を通す。適宜水を足し、味を見て塩、こしょうで整える。
パンを軽く焼き、スライスしたチーズをのせて、溶ける程度にもう一度焼く。グヤーシュを盛りつけ、イタリアンパセリをふる。パンを添える。
ながお ともこ●フードコーディネーター。オンラインストア、SOUPsを展開。「この冬のおすすめは新作のマッシュルームミックス。料理の幅を広げてほしくて作りました。スープや煮込み料理に」




