【レシピ】イタリアのリガトーニのアマトリチャーナ【長尾智子の旅する食卓】

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「旅の楽しみのひとつは、知らなかった味に出合うこと」。現地の味を思い出したり、まだ見ぬ土地を想像しながら生まれたレシピが、旅情を刺激する。いつもの食卓で、非日常を味わおう。

アマトリチャーナとは

イタリア・ローマを代表する郷土料理。グアンチャーレ(豚頰肉の塩漬け)またはパンチェッタ、ペコリーノ・ロマーノなどで作られる。もとはトマトなしのグアンチャーレのパスタで、18世紀後半になってトマトが加わり、アマトリチャーナとしてローマを中心に人気が広まった。

イタリアのリガトーニのアマトリチャーナ【長尾智子の旅する食卓】

シンプルなトマトソースのアマトリチャーナは、ローマ三大パスタとも言われる郷土料理。「ローマの北側、ラツィオ州のアマトリーチェという山あいの町が名前の由来。本来はブカティーニというロングパスタで作るのですが、今回はボリューム感のある太めのリガトーニで」。

ショートパスタを選んだのは理由がある。「初めてローマでアマトリチャーナを食べたとき、ショートパスタで出てきて『ソースが跳ねなくていいね』と友人と話した記憶があります。調べたところ、同じ理由でブカティーニ以外のパスタを使うことも多いとわかって納得」。ソースは最初にしっかり炒めて煮詰め、トマトを加えたあとは煮詰めすぎないのがコツ。

「今回はパルミジャーノにしましたが、ローマのチーズといえばペコリーノ・ロマーノが有名。塩気の強いチーズをたっぷり加えるので、手前の塩加減に注意を」。冷凍もできるので、作り置きにもおすすめ。スプリッツァを添えれば、現地の食堂を訪れた気分に。

材料&レシピ

イタリアのリガトーニのアマトリチャーナ

メイン
WHAT TO USE
3人前
  • リガトーニ(太めのショートパスタ)

    240g

  • ホールトマト缶(400g)

    2缶

  • 玉ねぎ(大)

    1/2個

  • 赤唐辛子

    2本

  • パンチェッタ(またはベーコン)

    約100g

  • パルミジャーノ (またはペコリーノ・ロマーノ)

    60g+仕上げ用適宜

  • 白ワイン

    80㎖

  • 少々

  • オリーブオイル

    約大さじ2

RECIPE
1

玉ねぎは粗みじんに刻む。赤唐辛子は切り込みを入れて種を取り出しておく。ホールトマトはボウルに移し、実を取り出して細かく刻んで戻す。パルミジャーノはおろして重さを量っておく。パンチェッタは細かく刻む。鍋にたっぷりの湯を沸かし、パスタをゆでる準備をする。

2

大きめのフライパンか浅めの鍋にオリーブオイルと①の玉ねぎ、赤唐辛子、パンチェッタを入れ、中火にかける。時々混ぜながら、パンチェッタが香ばしくなるまで炒める。白ワインを注ぎ、煮詰めていく。白ワインを加えるタイミングで、パスタをゆで始める。

3

②の水分が減り、パンチェッタの脂がしっかりと出たら、①のホールトマトを加える。強火にして沸騰させ、火を弱めて全体がとろりとゆるめに煮詰まるまで火を通す。塩を加えて味をととのえ、いったん火を止める。パスタがゆで上がったら湯を切って、ソースに加える(ソースは多めなので、あらかじめ1/4くらいを保存用に取り分けてもいい)。①ですりおろしたパルミジャーノを加え、手早くしっかり合わせる。味見をし、ソースが濃すぎるようなら、パスタのゆで汁を少し加える。

4

③を器に盛り、好みでさらにすりおろしたパルミジャーノを添える。

イタリアのリガトーニのアマトリチャーナ【長尾智子の旅する食卓】

「パンチェッタに香ばしく火が通って、脂が出てくるまでしっかり炒めるのがポイント」

イタリアのリガトーニのアマトリチャーナ【長尾智子の旅する食卓】

ホールトマトを加えたら煮詰めすぎず、とろりとゆるめに仕上げる。

イタリアのリガトーニのアマトリチャーナ【長尾智子の旅する食卓】

塩気の強いチーズをたっぷり加えるので、塩加減に注意。「パスタをゆでる湯には塩を加えず、出来上がったソースが濃ければゆで汁でのばして調節を」 

イタリアのリガトーニのアマトリチャーナ【長尾智子の旅する食卓】

お供にぴったりのスプリッツァ。「白ワインを同量の炭酸水で割る、軽く爽やかなカクテル。食事中はそのまま、食後は蜂蜜で甘味をつけてデザートワインの気分で」

長尾智子プロフィール画像
フードコーディネーター長尾智子

ながお ともこ●フードコーディネーター。雑誌や書籍で活躍する一方、オリジナルの器を扱うオンラインストア、SOUPsを展開。「梅から始まり、バラ科の果物が楽しみな季節。実のなる地方の旅を計画し始めたところ」

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