【レシピ】デンマークのスモーブロー【長尾智子の旅する食卓】

 大切な人と食べたい料理 長尾智子の旅する食卓

大切な人と食べたい料理

「遠くへ出かける楽しみのひとつは、知らなかった味に出合うこと」。現地の味を思い出したり、まだ見ぬ土地を想像しながら生まれたレシピなら、食卓が非日常空間に変わる。旅気分を味わうことができる、新連載がスタート。

スモーブローとは

バターを塗ったパンに魚介や肉、卵、野菜やハーブなどさまざまな具材をたっぷりのせて、ナイフとフォークで食べる伝統的なオープンサンド。見た目も華やかで美しく、バリエーション豊かで、現在では世界中で愛される料理に。現地では19世紀頃から専門店が登場している。

デンマークのスモーブロー 【大切な人と食べたい料理 長尾智子の旅する食卓】

デンマーク語で"スモー"はバター、"ブロー"はパンのこと。

「サンドイッチでもなく、野菜をたっぷりのせてもパンを敷いてあるのでサラダでもない。気軽に作れる、バリエーション豊かなデンマークのオープンサンドです。ニシンの酢漬けや小エビ、レバーペーストやスモークサーモンなどをのせるのがポピュラーで、アレンジを考えると際限なく広がりそう」。スモーブローをおいしくきれいに食べるために、意外と重要なのがパンの選び方だそう。

「プンパニッケルのような酸味のあるライ麦パンの系統がよく合います。外側のクラストが硬くて生地が柔らかいパンより、均一な固さの生地のパンがナイフで切りやすく、一口できれいに全体の味を楽しめるはず」。具材は人数分より多めに作っておくとおかわりもできて、余ったらトマトなどを足してサラダにしても。

「ハーブ類は2種類以上あると風味の違いが出て、見た目もきれい。盛りつけも味のうちなので、彩りよくこんもりのせて」

材料&レシピ

デンマークのスモーブロー

メイン
WHAT TO USE
4人前
  • 5尾

  • じゃがいも(男爵)

    4個

  • クリームチーズ

    100g

  • にんじん

    中1本

  • ディル、イタリアンパセリ、香菜、ブロッコリースプラウト

    各適宜

  • レモン

    1個

  • 白ワインビネガー

    約大さじ4

  • 蜂蜜

    小さじ2

  • 無塩バター 

    適宜

  • 塩、こしょう

    各少々

  • オリーブオイル

    適宜

  • ライ麦パン

    適宜

RECIPE
1

鰯のマリネを作る。鰯の尾と背びれを切り落とし、2枚に分ける。平らな容器におろした鰯を並べ入れて全体に塩をふって10分ほどおく。塩がなじんだら、白ワインビネガーの半量を全体にふりかけておいておく。

2

にんじんは洗い、皮がついたまま縦にスライサーで薄切りし、幅の長さを合わせてせん切りにする。ボウルに入れ、塩少々、残りの白ワインビネガー、蜂蜜を加えてよく混ぜ合わせておく。

3

じゃがいもは皮をむき、1個を5〜6等分する。軽く流水にさらしてから鍋に入れ、かぶるくらいの水を注いでゆで、柔らかくなったら火を強めて水気を飛ばし、ボウルに移す。じゃがいもが冷めないうちに、塩少々とクリームチーズを加えてよく混ぜ合わせる。

4

ハーブ類は水につけてから水気を切り、葉を摘んでおく。1の鰯の頭側から皮をそっとむく。

5

ライ麦パンに室温に置いたバターを塗り、3のじゃがいもをのせてパンの縁まで厚めに塗る。鰯の水気をキッチンペーパーで取り、じゃがいもの上にのせる。その上に2のにんじんをこんもりとのせ、ハーブ類を散らし、塩、こしょう、オリーブオイルを全体に細く垂らして仕上げる。レモンをくし切りにして、仕上げに搾りかけていただく。

デンマークのスモーブロー 【大切な人と食べたい料理 長尾智子の旅する食卓】

ドイツ発祥のプンパニッケルのような黒パンやライ麦パンがおすすめ。「今回使った器はデンマークのブランド、ジョージ ジェンセンのもの。具材たっぷりのスモーブローには、少しニュアンスのあるモダンな北欧の器が似合います」。

デンマークのスモーブロー 【大切な人と食べたい料理 長尾智子の旅する食卓】

鰯の皮はそのままでもいいけれど、むくとより繊細な味に。

デンマークのスモーブロー 【大切な人と食べたい料理 長尾智子の旅する食卓】

にんじんは縦にスライスしてから横にせん切りし、長さを短めで揃えると食べやすく味がなじみやすい。

デンマークのスモーブロー 【大切な人と食べたい料理 長尾智子の旅する食卓】

じゃがいもはクリームチーズを混ぜてスプレッドに。パンの端までしっかり広げて。

長尾智子プロフィール画像
フードコーディネーター長尾智子

ながお ともこ●フードコーディネーター。オンラインストア、SOUPsを展開。連載も今号から新テーマに。「旅先で出合うローカルフードは記憶に残るし、また出かけていく理由にもなる。旅のお土産のような連載になれば」

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