【ソウル旅行・グルメ】一日の最後まで堪能したい、夜中のソウルガイド

MOTI(モティ / 모티)

シェフの工夫が活きる新鮮な無国籍料理

イム・ホヨンシェフが2023年にオープンした、カウンター8席のみのチャーミングなコリアンフードダイニングバー。延禧洞（ヨニドン）を愛するシェフが、赤レンガの建物を見つけて即決した。彼が一人ですべてを切り盛りしている。ワインはフランスやイタリアのものをメインに、個人的に好みのナチュラルワインも揃えて、公式インスタグラムでも熱く紹介されている。会社員を辞めて、かねてから好きだった料理とワインの道を選んだシェフが創作するのは、伝統的な韓国料理に今まで学んできた西洋料理のエッセンスを組み合わせた無国籍料理。三つ葉を燃やして粉にしたチャムナムルパウダーを混ぜ込んだバターとオニオンジャムを、人気ベーカリー「ポール＆ポーリーナ」のカンパーニュに添えたトーストなどもシグネチャーメニューだ。舌の肥えた料理家も通うと聞いて納得の、ワインに合うフレッシュな組み合わせの一品が楽しめるアドレスだ。

1　チャプサルセウワンジャテンジャンカジピュレは、ナスのピュレソースの上に餅米をまとったエビ団子をのせ、ごぼうをトッピングした一皿。ピンクペッパーがアクセントになっていてワインにもよく合う（₩18,000）

2　シェフが目の前で作業する様子を見ながらゆっくり料理を待つ

Data
서울특별시 서대문구 증가로 34 1층
1F, 34 Jeungga-ro, Seodaemun-gu
電話番号：0507-1391-1812 最寄駅：2号線、京義・中央線、空港鉄道弘大入口駅　営業時間：12時～14時（完全予約制）　17時～23時　休：火曜、旧正月、旧盆
Instagram: @moti_yeonhui
※catchtable.netで予約可能

スルコマ(술꼬마)

活気あふれるリアル＂梨泰院クラス＂！

「梨泰院クラス」のロケ地で知られる「タンバム」の並びの路地を入ったところにあるこの店は、まさにドラマの世界に入り込んだかのように活気づいている。店にはずっとK-POPが流れており、別棟まで席を拡大して営業している。店主の女性が10年前「チャンコマ」というレストランを手がけて話題となり、2017年にスル（酒）に特化した「スルコマ」をオープン。小さい子という意味を持つ「コマ」から連想される彼女は若いがパワフルだ。お酒に合うアレンジ韓国料理は目移りするほどの数で選ぶのも楽しい。日本でも3月に公開された話題作『ミッキー17』のポン・ジュノ監督も知人の紹介で来店したばかりだとか。最初は定番のチヂミから、余裕があればミートボールの入ったトマトスープ、トッカルビキムチトマトシチューにもトライしてほしい。いちじくやバジルのマッコリと合わせて楽しみ、最後はパスタを投入して締めるのがおすすめ。

4　サラダピザのようなチヂミ、ニラとアボカドのジョン（₩22,000）。唐辛子入りのゴマソースでいただく。流行中の伝統酒や薬酒、発酵酒とも相性がよく、常時20〜30種類ほど揃う

3　韓国の伝統的な螺鈿細工をテーブルや家具に使っていて、モダン居酒屋ながら落ち着ける雰囲気も備えている

Data
서울특별시 용산구 녹사평대로40길 59-1
59-1 Noksapyeong-daero 40-gil, Yongsan-gu
電話番号：0507−1349−6517　最寄駅：6号線 緑莎坪駅　営業時間：17時～24時（月～木）、～翌2時（金・土）、～23時（日）（すべてLO閉店1時間前）　休：無休（旧正月、旧盆は未定）
Instagram: @sulkkoma
※catchtable.netで予約可能

チョンジュハンシ(청주한씨)

リーズナブルな本格料理と目利きの選ぶ酒

店名でもある、＂清州が本貫の韓（ハン）氏＂がオーナーシェフの居酒屋。聖水（ソンス）の路地の半地下にあり、カウンター席と小上がり2卓のこぢんまりとしたこの店では、ぜひお酒に合わせたコース料理を楽しんでほしい。コースには、松茸をのせたワカメときのこのリゾットや、うなぎを使った一品など本格的な創作料理の数々が続き、食欲をそそるプレゼンテーションも美しい。単品ではビーフのラザニアやカニ入りラーメンが人気。酒類は日本にもよく食べ歩きに行くという店主が熱心にセレクトした中からおすすめを教えてくれる。マッコリは、ここ1年ほどで新しい醸造所がかなり増えているとのことで、ブラッドオレンジやバジルのマッコリなど、目新しい種類をあれこれ飲み比べてみてほしい。ホテルのように見目麗しく、工夫の施された料理だが、気取りのない雰囲気と手頃な価格設定で、カジュアルに楽しめる。

5　コース料理の中のミョルチ（しらす）パスタは、カッペリーニにナッツや唐辛子、タコの塩辛を使ったソースがよく絡まっており美味。コースは（₩42,000）

6　最近人気の薬酒や焼酎から、インディペンデントなフレーバー系のマッコリまで潤沢に揃う。お酒はボトルで₩22,000～

Data
서울특별시 성동구 연무장길 41-22 지하1층
B1, 41-22 Yeonmujang-gil, Seongdong-gu
電話番号：0507-1494-0936　最寄駅：2号線聖水駅 営業時間：17時30分～22時（コースはLO20時30分、アラカルトは
当日の状況に応じて案内） 休：日曜、隔週月曜（旧正月、旧盆は未定）
Instagram: @cheongjuhanssi
※catchtable.netで予約可能

ヤンファジュテク(양화주택)

韓国の伝統おつまみを今っぽくアレンジ

オープンして2年がたつ、人気のカフェ風居酒屋。弘大（ホンデ）の隣、合井（ハプチョン）にある。テラス席も広く、女性客やカップルなどで昼も夜もにぎわっている。注目したいのはやかんに入ったおでん、蕎麦粉の生地で豚肉とキムチを巻いたメミルジョンピョンなど、韓国ゆかりの酒の友のフュージョンメニューがフルラインナップしていること。キムチチムというサムギョプサルとキムチの鍋や季節によって内容の変わるユッケジャンも見逃せないが、チーズやクリームをモダンに使って洋風にアレンジしたものが多いのも特徴だ。メニューには、気の利いたマッコリアンジュ（おつまみ）セット、2次会アンジュセットなどもあり少人数で行っても複数の料理を少しずつ楽しむことができる。マッコリは7種から選ぶことができ日本では見かけないものばかり。メニューは昼も夜も変わらず、昼飲みもできる。にぎやかで心地よい雰囲気の中で会話も弾むこと間違いなし。

8　奥はゴマ油を塗って香ばしく焼いた白菜にカリカリベーコンをのせたアルペチュクイ（₩16,900）。ゴマドレッシングで。手前はゴルゴンゾーラとハチミツのジャガイモチヂミ（₩18,900）。真ん中のハチミツをかけて食べる。ヌリンマウルマッコリ（₩7,000）とともに

7　左側がテラス。晴れた日は日光が差し込む

Data
서울특별시 마포구 양화로8길 32-5 1층
1F, 32−5 Yanghwa-ro 8-gil, Mapo-gu
電話番号:0507-1386-7141　最寄駅:2・6号線合井駅 営業時間:11時～15時（LO14時）　17時～23時（LO21時30分）（月～金）、12時～23時（LO21時30分）（土・日）　無休（旧正月、旧盆は未定） 
Instagram: ＠yanghwa.jootaek
※catchtable.netで予約可能

bar.宕(バダン / 바탕)

韓国らしいモダンなつまみでレアなお酒を

オ・ジュンヨンシェフが一人で切り盛りする、聖水（ソンス）の路地裏に隠された宝石のような店。おいしいと噂を聞いて予約してきたという女性グループ客、カウンター利用の一人客などが落ち着いた空間を満たす。「仕事終わりに一杯飲んで帰る、そんな場所にしたくて。韓国の暮らしのベースとなる料理を出してます」と、メニューには韓国定番の酒のつまみが並ぶ。白菜チヂミやジャガイモチヂミ、イカやタコを蒸したものも人気。発酵酒、伝統酒をマニアックに揃えていてソウルでもなかなか出合えない珍しいものも。お酒のアテにも締めにもなるカムテキンパは、アワビの肝を混ぜたご飯に、きゅうり、たくあんと卵と巻いている。わさびマヨネーズを好みでつけて。

1　カムテキンパ（₩16,000）

2　店内はカウンターのほかにテーブル席もあり

3　銘酒イリョプヒョンジュ（₩65,000）から、若い造り手による酸味のある発酵酒ソソル（端雪）（₩33,000）まで幅広くチェックしたい

Data
서울특별시 성동구 성수일로3길 5-12 지하1층
B1, 5-12 Seongsuil-ro 3-gil, Seongdong-gu
電話番号:070-7543-4125　最寄駅:水仁・盆唐線ソウルの森駅 
営業時間:17時30分〜23時（LO22時）（火～木・日）、～24時（LO23時）（金・土）　休:月曜、旧正月、旧盆
Instagram: ＠bistro_bar.tang
※catchtable.netで予約可能

Bar PIVOT(バー ピボット / 바 피벗)

唯一無二のカクテルを目当てに

隠れ家のようなおしゃれなカフェやショップが点在する合井洞（ハプチョンドン）。昨年7月にできたこの店は＂ハヌルキル＂に面し、夕暮れ時は窓からのノスタルジックな景色にも癒やされる。カクテルを楽しみたいならぜひここを目指したい。つまみ類は多くないが、食後にゆっくりとおいしいお酒と時間を過ごすのにちょうどいい。お店のオリジナルカクテルには名前はついていないので、店主と話しながら注文を。自家製のレモンチェッロをベースとしたものや、ココナッツオイルを冷凍して油分を取り除き、香りだけを残し熟成したコーヒー風味のカクテルなど、一つひとつが味も見た目も興味深くアートのよう。飲むほどにハッとさせられるなめらかで奥深いおいしさだ。

5　ぷりぷりと弾力のあるお酒の進むソーセージ（₩20,000）

4　住宅街の静かな場所に佇み、カクテル以外ではウィスキーも多数揃える。カウンターだけでなく、大きなテーブル席やローテーブルのあるスペースも

6　店の自慢のカクテルは各₩20,000

Data
서울특별시 마포구 토정로3길 10 1.5층
1.5F, 10 Tojeong-ro 3-gil, Mapo-gu
電話番号:070−8657−3546　最寄駅:2・6号線合井駅 営業時間:18時～翌2時（LO翌1時30分） 休:火曜（不定休あり。SNS上告知）
Instagram: @bar.pivot

VINVIN(バンバン / 방방)

解放村のランドマークで小料理に舌鼓

かつて北朝鮮から逃れてきた人々が暮らしたという、南山の坂道の町にある忘れられていた小さな新興（シンフン）市場が、カフェやレストラン、バーの密集する流行のスポット＂解放村＂となりホットなアドレスに。オーナーシェフが3年ほど前にこの場所を気に入り、開拓者的存在となった店の一つが「VINVIN」だ。ニュージーランド、オークランド出身のイ・キウクシェフは、香港やサンフランシスコで研鑽を積み、居心地のいい雰囲気ながら、マグロのタルタルやアワビのチキンバターなど本格的な創作料理を手がける。窓から見える景色の美しい姉妹店のビストロ「NEIGHBOURS」も同じ並びにあるので、そちらから2軒目に流れてくるルートもおすすめだ。

7　オリジナルＴシャツにも描かれているシグネチャーメニュー。サワークリームが爽やかなエビのレッド＆グリーンソース、グレープフルーツ（₩19,000）

8　2階はテーブル席、1階はカウンター席とテラス席に加え個室もある

9　ボトルワインは₩60,000から

Data
서울특별시 용산구 신흥로 99-9 내제 1, 2층
1・2F, 99-9 Sinheung-ro, Yongsan-gu
電話番号:0507-1340-9459　最寄駅:6号線緑莎坪駅 営業時間:18時～24時（LO22時） 休:火・水曜（旧正月と旧盆は未定）
Instagram: ＠vinvin_seoul
※catchtable.netで予約可能

Pour Pour Pour!(ポウポウポウ / 포어포어포어)

本格ワインと創作料理のペアリングなら

最近人気のエリア、ソウル駅の裏手にあるガラス張りのカウンターのみの小さな店。店主のソ・ホンジュさんは、インポーターとしても日本のワインを推していて、2、3カ月に一度は来日しているそう。厨房で腕を振るうのは、スペイン・ガリシア地方などで料理修業を経たイ・ジンソンシェフだ。「ほかのどこでも味わえないこの店ならではの料理とお酒を楽しんでほしい」という。ワインペアリングにおすすめしてくれたのは、山梨のグレイスワイナリーの「あけの」。メルロー、カベルネソーヴィニヨン、カベルネフラン、プティヴェルドをアッサンブラージュした赤ワインとそれに合わせた小さなポーションの料理の数々。ソウルの口福な夜がここにある。

11　手前はうなぎと韓牛をビネガーでマリネし海藻で巻いたもの（₩14,000）。奥はアンチョビ＆ブルーチーズのケーキ（₩7,000）

10　店主とシェフの二人

12　グラスワインは日替わりでボトルの6分の1の価格

Data
서울특별시 용산구 만리재로 180-1 1층
1F, 180-1 Mallijae-ro, Yongsan-gu
電話番号:0507-1328-0897　最寄駅:1・4号線、京義・中央線、空港鉄道、京江線ソウル駅　営業時間:18時30分～翌1時（LO24時）　休:日・月曜（旧正月と旧盆は未定）
Instagram: ＠bar_pourpourpour
※catchtable.netで予約可能