日々、進化を遂げるバンコクグルメ。独自の食文化に敬意を払いながらも、感度の高いローカルにもツーリストにも愛されるよう味をアレンジする潮流がある。きれいめダイニングからカジュアルな麺料理まで、おすすめのレストランをピックアップ。

モダンスタイルで味わうタイ料理【タイ・バのタイトルイメージ

モダンスタイルで味わうタイ料理【タイ・バンコクのおすすめグルメ】

日々、進化を遂げるバンコクグルメ。独自の食文化に敬意を払いながらも、感度の高いローカルにもツーリストにも愛されるよう味をアレンジする潮流がある。きれいめダイニングからカジュアルな麺料理まで、おすすめのレストランをピックアップ。

モダンスタイルで味わうタイキュイジーヌ

新しいタイ料理の姿を求め、切磋琢磨するシェフたち。伝統料理を再考し、研ぎ澄まされたセンスで導き出した一皿とは?

Saole

Saole

写真左奥のBetong Chicken(฿1,650)は調理になんと3日間かかる!

海と山が出合う、地中海風タイ料理

現地のファッション関係者や、セレブが愛する隠れ家的レストラン。これまでにないシーフードレストランを実現するために、シェフHanief Pittayasarnはタイ全土や、シチリアをはじめとする地中海周辺を1年半にもわたって調査。ナンプラーなどタイの調味料を常備し、市場で買った食材で1日1食の試作を繰り返していたという。壁にぶち当たると自身のルーツを振り返り、中国・雲南省の祖父母が作っていた料理を思い出した。そうして固まったのが地中海の魚介料理、タイのフレーバー、雲南省の精神が詰まった「Sea + Mountain」のコンセプトだ。たとえばホタテのバター焼き、Scallop Butter Garlic Sauce(1、฿750)は、ソースの隠し味に雲南省の乳製品を加え、まろやかさをプラス。人気のイカ墨パスタ、Firefly Squid with Vermicelli(3、฿650)にはライムを添えてタイの風味をトッピング。まだ見ぬフュージョン料理が体験できる。

Saole

シェフのHaniefさん(右)と共同オーナーであり内装のデコを手がけるEveさん。最近はブランドのケータリングにも引っ張りだこ

Saole

(右) 写真奥のパスタは、雲南省の腸詰を入れた裏メニュー
(左) エビを魚醤に漬けたGambero Rosso Fish Sauce(฿650)

Saole

11, 7 Thong Lo, Khwaeng Khlong Tan Nuea, Watthana, Bangkok 10110
091-916-2242
営業時間:11時30分~14時30分 17時~23時30分、11時30分~23時30分(土・日) 無休
Instagram:@saole.bangkok

Nawa

Nawa

コース(฿4,200)で提供。香草などを加えたスナック、ミャンカムをはじめ、伝統料理をモチーフとした前菜

伝統料理にひとさじの革新を添えて

ミシュラン一つ星を持つNawaのコース料理に、仰々しさは皆無。家庭の食卓のように、料理がいっせいに運ばれる。「ファインダイニングといってもあくまでタイ料理。われわれが普段食事をするようにサーブします」とメインシェフが語る。目の前でレッドカレーをかけて仕上げるローストチキンに舌鼓を打ったあとは、さっぱりとしたウォーターバンブーのグリルや、酸味のあるピクルスを添えたチキンが口直しに。気の利いた構成も昔ながらのものだ。店名"ナワ"はタイ語で、イノベーティブの意味。革新的にアレンジされた伝統料理に会話が弾み、そこにはワイワイと楽しく食事を囲むタイの原風景がある。

Nawa

オーナーシェフのJoeさんとチーム

Nawa

グリルしたウォーターバンブーの間に、別の料理で使った魚の残りをソースにして注ぎ込む。サステイナブルな調理もコンセプト

Park Lane Ekkamai, Khwaeng Khlong Tan Nuea, Wat
thana, Bangkok 10110
084-296-2442
営業時間:18時~22時30分
定休日:火・水曜
Instagram:@nawa.thaicuisine

Small Dinner Club

Small Dinner Club

芸術的なビジュアルのLooking at Tom Yum Prawn From Far Away Part 1。エビの上に並ぶのはトムヤムや発酵唐辛子のジュレなど

勤勉なシェフが繰り出すクチュール料理

独学から始めたシェフが修業を重ねて開店した、コンセプチュアルなレストラン。オーストラリアの精肉店で肉の扱い方を学び、米国からスウェーデン、最後は日本へと修練の旅を続けた。2年半、寺でストイックな生活を送った時期も。芸術を学んだだけあり、鋭い感性でコース料理(10~12品、฿5,000)を構成。材料は作り手から直接仕入れ、日々の食材から特別な一日をつくることにこだわる。コースの一皿、I Have No Beef With You(8)は、ある果物を牛肉に見立てた。素材を熟知した者がたどり着いた凄腕トリック。答えはスイカ。その味はぜひ行って確かめて!

Small Dinner Club

(左)2階にあるレストランへ行く前に、1階のアートギャラリーに立ち寄り、15分間滞在。外界からの解脱を図るのが通例
(右)シェフSareen Rojanametinさん

1109 Charoen Krung Rd, Si Phraya, Bang Rak, Bangkok 10500
083-992-9669
営業時間:18時〜23時
定休日:月~水曜
Instagram:@sdc.bkk

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