パク・ソジュンが宮崎の蒸留所と共同開発した【ウイスキー「26」】を語る。彼が愛するウイスキーと向き合う時間

俳優パク・ソジュンがクリエイター・アンバサダーを務めるジャパニーズウイスキー「26」。宮崎の「尾鈴山蒸留所」が製造し、株式会社STARBASEがクリエイティブとブランディングを行う日韓合同のウイスキープロジェクトだ。2024年12月に初回1万本が即売したことを受け、生産・販売をグローバルに拡大すべく、1216という会社を設立したことを記念して来日したパク・ソジュンが、その思いをインタビューで語ってくれた。

俳優パク・ソジュンがクリエイター・アンバサダーを務めるジャパニーズウイスキー「26」。宮崎の「尾鈴山蒸留所」が製造し、株式会社STARBASEがクリエイティブとブランディングを行う日韓合同のウイスキープロジェクトだ。2024年12月に初回1万本が即売したことを受け、生産・販売をグローバルに拡大すべく、1216という会社を設立したことを記念して来日したパク・ソジュンが、その思いをインタビューで語ってくれた。

「26」に込めた思い

パク・ソジュンが宮崎の蒸留所と共同開発しの画像_1

2024年、自身のウイスキーを発表したパク・ソジュン。俳優として成長し始めた2013年当時が26歳だったことにかけて、ブランド名は「26」。ウイスキーづくりになぜ始まりの意味を持たせたのか。

「1日の終わりにお酒を飲みながらその日を振り返るのが好きで、いつかウイスキーをつくりたいと思うようになりました。そんな頃に訪れたのが宮崎。大都市に訪れることが多かったので、地方の気候や文化、食のすべてが新鮮でしたね。そして宮崎の蒸留所であらゆる製造過程を体験したときに、自分の初心を思い出すことができました。演技をしようと決心した、その瞬間を思い出したんです。そこでウイスキーをつくるならば、自分の初心や決意を表現する思いを込めたいと思いました」

パク・ソジュンが宮崎の蒸留所と共同開発しの画像_2

宮崎で出合ったのは、「百年の孤独」など名焼酎で知られる黒木本店が、尾鈴山の中に立ち上げた尾鈴山蒸留所。農業から製造まで一貫して行い、手仕事による丁寧なつくりで、大地の香りを醸しだす蒸留所だ。宮崎に、そしてこの蔵にひかれた理由はどんなところだったのか。

「当時、少し疲れている時期を過ごしていました。ですが、山の中にある尾鈴山蒸留所を訪れるために、山を登りながらいろいろと考えていたら、私自身が浄化されている気持ちになりました。その後、蔵でさまざまな体験をするなかで悪い考えが消えていって、お酒づくりについて前向きに考えるようになったんです。代表の黒木信作さんが同じ年ということで親しみももてましたし、その日に起きたことがすべて新しくて、いいことしか覚えていませんでした。そうしたことから、ぜひ一緒にウイスキーをつくりたいと思うようになりました」

手作りゆえの小規模なつくりの蔵であり、これまでに外部との協業がない尾鈴山蒸留所だが、黒木さんが協業を決断したのは、ソジュンさんの心からの宮崎や蔵へのリスペクトを感じたことから。宮崎と韓国で手を結んで新たなブレンデッドのウイスキーをつくるべく、プロジェクトが始動した。

ウイスキーのキャラクターは自分自身

パク・ソジュンが宮崎の蒸留所と共同開発しの画像_3

尾鈴山蒸留所のプレミアムなウイスキーの原酒と、樽熟成の本格焼酎をブレンドさせた「26」は軽やかさと甘さがあり、余韻まで優しいもの。「彼の性格のような味わいに仕上がっている」というのは黒木信作さんの言葉。ソジュンさんはこのウイスキーをどんな人柄に感じるか?

「現時点での自分を反映しているように思います。いま自分が中年に向かっている途中なので、今回のウイスキーも軽すぎないようにしたいと思ったんです。それと同時に自分の年とは関係なく、いつも10代、20代のような若い気持ちがあるので、楽しんでいる自分の気持ちも込めたいと思いました。軽やかさと熟成の深みのどちらも感じられるはずです。このウイスキーを楽しむときには、すこし暗くした照明のなかで、ジャズなどの落ち着いた音楽、または僕自身が最近好きなシティポップと合わせてもらうのも似合うと思います」

ソジュンさんの至福の1杯とは

パク・ソジュンが宮崎の蒸留所と共同開発しの画像_4

お酒はひとりで楽しむことが多いというソジュンさん。ウイスキーを飲むときの至福のシチュエーションとは?

「たくさんの人の集中力と注目を受けるような撮影が遅く終わったとき、家に戻るとものすごく静かでギャップがすごいんです。そんなときは部屋への一歩が入れずに、玄関でぼうっとしてしまうようなときがあります。でも我に返って、シャワーを浴びて、照明を落として1杯を飲むと、自分を取り戻せる。これが至福の1杯だなと感じます」

一方で、ウイスキーは友との楽しい瞬間も運んでくれるもの。ウイスキーを介した時間で忘れがたい思い出は?

「ウイスキーを飲みだした若い頃の思い出ですが、僕の誕生日に俳優仲間の友達が、彼のお父さんのウイスキーをこっそりもってきてくれたことがありました。あっという間に2人で1本全部あけてしまったのですが、もうちょっと飲みたいねとなって。そこで、韓国の焼酎をボトルに注いでみたんです。まだ香りが残っていたので、これもウイスキーっぽくていけるね、と言いながら飲んだのを覚えています。それは有名なメーカーの高い値段のものでしたね」

成熟とは自分を知る過程

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ウイスキーにとって大切な「熟成」や「時の流れ」という言葉。ソジュンさんにとってはどんな意味をもつ言葉だろうか。

「まだそんなに長く生きたとは思わないけれど、ある程度社会の経験をしてきました。人間関係でもいろんな人と関わりながら、次はこうしようと自分だけのやり方ができてきたように感じます。なので、成熟するとは自分を見つけていく過程だと思うんです。いまは自分自身が十分経験したと思っていても、未来の自分から見ると、あのときはまだ成熟していなかったかなと思うこともある。これはきっと死ぬまで繰り返していくこと。時が流れることで自分をより知っていけたらと思います」

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水の湧く山の奥深くにある水と森の蒸留所である尾鈴山蒸留所の希少なウイスキーの原酒と、同蒸留所の樽熟成の本格焼酎をブレンド。アメリカンオークや国産の栗樽による甘い香りと、本格焼酎ならではのやわらかさが調和し、優しい余韻を感じさせてくれる。

26 Twenty-Six【2025 Edition】700ml ¥16,500/1216
ウイスキー 度数:43度 製造者:尾鈴山蒸留所
https://26-whisky.com

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