次に流行るグルメはこれだ! ぼる塾・田辺智加さん、平野紗季子さんなど、フーディたちのおすすめは?

多様性の時代に突入し、"食"のトレンドも百人百様。食の今と未来を見つめるフーディたちは、2026年に何を"推す"のか? ニッポンを代表する食通6人が次に流行るグルメを予言する!

多様性の時代に突入し、"食"のトレンドも百人百様。食の今と未来を見つめるフーディたちは、2026年に何を"推す"のか? ニッポンを代表する食通6人が次に流行るグルメを予言する!

カルダモンバンズ

Cardamom  Buns カルダモンバンズ

シャツ/スタイリスト私物

「恋しています。もっと流行って、身近になって」

平野紗季子さん(フードエッセイスト・フードディレクター)

「北欧のローカルフード、カルダモンバンズが北欧系ベーカリーの増加とともに日本にも浸透してきました。百貨店の北欧展で『Juno the Bakery』などの人気店が出店するたび、行列もできています。すでにシナモンロールが定着しスパイス違いとして受け入れられやすい土壌があることに加え、アメリカではスイート×スパイシーの潮流である"Swicy"が盛り上がっていて、日本でも"甘いのにキレがある"文脈が注目されるのでは、と思っています。北欧の有名店の本格上陸が決まったりしたら、一気にブレイクの予感です。

そもそも私がカルダモンバンズに恋をしたのは6〜7年前の北欧旅。街中のベーカリーをはしごして食べまくる日々でした。特有のずっしり感に、カルダモンのきらめくように弾ける香りが加わって、食べ終わりは軽やか。ついもうひと口、もうひと口と止まらなくなります。なかでも『マッシーフ』のそれは、甘めでみっちり、表面ガリッと。カルダモンもしっかり香って、私の理想形に近い。お店のミルクブリューティーで受け止めるのが至福です」

Massif(マッシーフ)
東京都目黒区東山3の7の11 大橋会館1F
☎080−7111−5451
1個¥550

平野紗季子プロフィール画像
フードエッセイスト・フードディレクター平野紗季子

1991年、福岡県生まれ。「(NO) RAISIN SANDWICH」の代表を務め、食を中心とした多岐にわたる活動を行う。著書に『ショートケーキは背中から』(新潮社)など。

レストランスタイルで楽しむ中東料理

Middle Eastern Cuisine レストランスタイルで楽しむ中東料理

「中東料理の繊細さと奥行きを、知ってほしい」

イナダシュンスケさん(エリックサウス総料理長・文筆家)

「今のところ日本ではまだ一般的とは言えないアラブ諸国、エジプト、トルコなどの中東料理ですが、近年スパイスやハーブが効果的に使われたフレーバーが受け、ケバブサンドやファラフェルなどはずいぶんポピュラーになってきました。今後はこういったストリートフードだけでなく、『アラビアレストラン ゼノビア』のような空間で楽しむ中東料理も人気が出てくるのではないでしょうか。

その定番といえば『メゼ』『マッザ』といわれる前菜盛り合わせとパンの組み合わせ。日本でもポピュラーになったひよこ豆のペースト料理『フムス』は、メゼにおける代表的な料理のひとつでもあります。メゼの特徴は、何と言っても野菜や豆が主役であること。ヘルシーな素材がオリーブ油、ヨーグルト、スパイス、ナッツらと組み合わされ、多彩な味わいに変身します。さて、レストランではこの前菜の後にメインになりますが、ぜひ肉と米が組み合わさった料理に注目したいところ。これらは最近ブームになっているインド料理の『ビリヤニ』の親戚とも言え、特にチキンの炊き込みご飯的『カブサ』はスパイスが巧みに使われた、まさにアラブ版ビリヤニです。最後はバクラヴァなど古くからの宮廷デザートで締めれば、大満足のディナーになることでしょう」

アラビアレストラン ゼノビア
東京都渋谷区広尾5の2の25 本国ビルB1
☎03−5420−3533

イナダシュンスケプロフィール画像
エリックサウス総料理長・文筆家イナダシュンスケ

南インド料理を日本に流行させた立役者の一人。食をこよなく愛し、研究し尽くす"フードサイコパス"。『ミニマル料理 日々の宴』(柴田書店)など著書も多数。

海のハーブ

UMAMO 「うま藻」

「うま藻」(1g×10袋入)¥1,620 ☎098−800−1902/UMAO

「シーベジタブルのすじ青のり」

「シーベジタブルのすじ青のり」(原藻10g)¥1,620/シーベジタブル

「いわば"三方よし"! 新しい海の恵み、ございます」

小石原はるかさん(フードライター)

「海のハーブ、海藻。おなじみの海苔やわかめ、うま味の源であり"だし"の材料である昆布を筆頭に、日本料理には欠かせない食材です。が、近年の気候変動の影響により、じわじわと生産量が減少傾向に。魚介類も含め水産資源が減ってしまうことは、由々しき事態! そうした状況をおいしく、かつスマートに解決しようと生まれた新しいブランドに注目しています。

『うま藻』は、天然の海産資源を減らさないために食物連鎖に着目し、泡盛の粕を活用して栽培した新しい藻。昆布を上回るうま味成分と豊富な栄養素を含んだ黄色いパウダーはパスタと和えたり、肉や魚にかけたりしてカラスミのように楽しめます。

またサステイナブルな陸上栽培と海面栽培を掛け合わせて、新たな海藻食文化を切り開かんとする『シーベジタブル』には多彩なプロダクトがありますが、特に香り高い『すじ青のり』が推しです。"粉もん"はもちろん、チーズやバターとの相性のよさときたら絶品。いずれも食事に無理なくプラスできる上、味や風味が増し、さらにDHA、食物繊維などの栄養素も摂れる名バイプレーヤー。かつ環境にも優しい。流行らないはずがあろうか、いやない」

小石原はるかプロフィール画像
フードライター小石原はるか

1972年生まれ。グランメゾンから大衆酒場まであまねく愛する。著書に『自分史上最多ごはん』(マガジンハウス)、『東京最高のレストラン』(共著・ぴあ)など。

ポーローヤオ

Bo lo yau ポーローヤオ

「バターを使った香港スイーツ、ブームになります!」

ぼる塾・田辺智加さん(お笑い芸人)

「知人にすすめられて観た香港映画『トワイライト・ウォリアーズ (’24)。いろんな意味で衝撃的で、まんまとハマり、結局5回も観ることに。登場人物やロケ地を追うだけでは飽き足らず、劇中に出てくるとプーアール茶にも強烈に惹かれ、都内の香港料理店を探すようになりました。すると北千住や吉祥寺、新宿にも誕生していて、あらあら増えてるじゃない!と。

そのうちの一つ、『香港贊記茶餐廳』に行ったのですが、叉焼飯のほかにも気になるメニューが目白押しで、ビジュアル含めて惹かれたのが『ポーローヤオ』。バターを挟んだパンなのかな、くらいのノリでいたらとんでもない! メロンパンみたいに表面カリカリで、中はふわっふわ。しかもアツアツだから有塩バターがジュワッとしみて、控えめな甘さの生地と最高のコントラストになっている。とんでもなくおいしかったんです。映画の影響で香港へも何度か行ったのですが、そこで感じたのは人が、街が、食が、ギラギラしていてパワフルなこと! 特にスイーツは贅沢にバターを使ったメニューが多く、惹かれました。『ポーローヤオ』を筆頭にクッキーやフレンチトーストなど、独自の文化と滋味を秘めた香港スイーツ、どんどん浸透するはず!」

香港贊記茶餐廳(ホンコンチャンキーチャチャンテン) 飯田橋店
東京都千代田区飯田橋3の4の1 1F
☎03−6261−3365
1個¥450

ぼる塾・田辺智加プロフィール画像
お笑い芸人ぼる塾・田辺智加

1983年生まれ、千葉県出身。女性お笑いカルテット「ぼる塾」のメンバー。スイーツへのほとばしる情熱と率直なコメントが信頼を集める"芸能界のスイーツ女王"。

リサイクルスイーツ

ジャヌ パティスリー リサイクルスイーツ

ニット・ピアス/スタイリスト私物

「アップサイクルスイーツをラグジュアリーなパティスリーでも」

野口ゆきえさん(ジャヌ東京 ペストリーシェフ)

「生産者の方々にお会いすることを大事にしていくなかで、その恵みを余すところなく活用したい気持ちが年々強くなっています。『ジャヌ東京』もサステイナブルに対しての意識が強く、パティスリー部門なら、たとえばチョコレートやバニラはフェアトレード認証のものに限り、精製された白砂糖を使わず、きび砂糖や和三盆がメイン。ナッツ類は、できる限りフード・マイレージが低い国産品を選び、傷みがある果物でも皮まで使うなど、人や地球に優しい素材を選んで作っています。

その思いを集約したアップサイクルスイーツの一つが『ジャヌ ポップ』。別のスイーツの製造過程で生まれるガナッシュやナッツ、ドライフルーツなどの余りを組み合わせ、チョコレートを絡めたクラムケーキのようなもの。オレンジ味には廃棄される果皮で作ったコンフィチュールが入ったドライフルーツを、コーヒー味には抽出後のコーヒーの出し殻を加えています。美しく味わいもリッチながら、食品ロスの軽減に貢献するスイーツをポピュラーにしていきたいです」

ジャヌ パティスリー
東京都港区麻布台1の2の2 ジャヌ東京 1F
☎050−1809−5550(レストラン予約)
2026年1月13日〜3月14日、ピンクのラズベリーフレーバーを販売。
1個¥980
※限定商品につき時期により色やフレーバーが異なります。

野口ゆきえプロフィール画像
ジャヌ東京 ペストリーシェフ野口ゆきえ

宮古島のホテルや「ザ・リッツ・カールトン日光」を経て現職に。各地で出会った生産者を大事にし、見目麗しいスイーツ作りを行う。ヴィーガンスイーツも得意。

クラフトサケ

クラフトサケ

(左)「うきうきホップ」480㎖¥2,530/ハッピー太郎醸造所 (中)「800 蕎麦」500㎖¥4,950/LINNÉ (右)「MIYOI Craft -よこやまさんのブルーベリーと足立のローズマリー」500㎖¥2,530/足立農醸

「ニッポンの酒からフルーツやハーブが香る!?」

江部拓弥さん(編集者・「あまから手帖」編集長)

「ここんところ酒場で、イベントで、手土産で、ことあるごとにクラフトサケに出合います。新規で日本酒製造免許が交付されない時代に抗って、でも酒が造りたいんだ! と、日本酒の製造技術をベースに、フルーツやハーブなどを原料にプラスして醸す新しいニッポンの酒=クラフトサケ。うねりは地方からどんどこ。若き造り手が徒手空拳で酒を醸すとなると、ローカルは格好の舞台なんですよね。

僕が暮らす関西でも、自由で個性的なブリュワリーがあちこちに。『ハッピー太郎醸造所』が造るのは、クラフトどぶろく。名前からして幸せを醸していて、銘柄名は『うきうきホップ』(左)と『モアハッピー』。フルーティな味わいに、どぶろくの常識が変わります。

『LINNÉ』は各地の日本酒蔵で間借りして酒を造っている、なんとも軽やかな蔵元。代表銘柄の『800 蕎麦』(中)は蕎麦麹を使って、新潟で醸したもの。香りが高いので、ワイングラスでどうぞ。

『足立農醸』は団地の一室で造る秘密基地のような醸造所。『MIYOI Craft -よこやまさんのブルーベリーと足立のローズマリー』(右)の赤みを帯びた色合いは、従来の日本酒にはない美しさで斬新。微発泡なので、アペリティフにも◎。新鮮な味わいと、ジャケ買いしたくなるカルチャライズされたラベルの佇まいも相まって、キュートで本格派なクラフトサケは着実にファンを増やしています。2026年は目にする機会や飲むチャンスが増えることは確実。出合ったら、ぜひ」

ハッピー太郎醸造所
滋賀県長浜市元浜町13の29 湖のスコーレ内

LINNÉ
※2026年秋、京都市内に自社醸造所を創設予定。

足立農醸
大阪府高槻市牧田町7の55の109

江部拓弥プロフィール画像
編集者・「あまから手帖」編集長江部拓弥

1969年、新潟県生まれ。『dancyu』編集長などを経て2022年に大阪に拠点を移し、現職に。好きなものはベースボール、カレー、ロックンロール。小泉今日子さん。

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