【オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー】人気ブランドのモードな空間のつくり方。海外オフィスにお邪魔します

よい人材を招く、よいオフィスを

強いアイデンティティを打ち出すブランドは、舞台裏、つまり仕事場の細部にまでこだわりを持っている。パリ、ロンドン、アムステルダムでそんな会社のオフィスを訪ねて、各ファウンダーに話を聞いた。インテリアの参考になるおしゃれなアイデア満載だ。ここではオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーのオフィスに潜入!

よい人材を招く、よいオフィスを

強いアイデンティティを打ち出すブランドは、舞台裏、つまり仕事場の細部にまでこだわりを持っている。パリ、ロンドン、アムステルダムでそんな会社のオフィスを訪ねて、各ファウンダーに話を聞いた。インテリアの参考になるおしゃれなアイデア満載だ。ここではオフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーのオフィスに潜入!

Brand Profile
1803年に創業し繁栄したものの長い間眠っていた商標を、アーティスティックディレクターのラムダン・トゥアミが買い取り、妻のヴィクトワール・ドゥ・タイヤック=トゥアミとともに復刻、刷新した総合美容専門店。19世紀フランスの美意識とパーソナライゼーション、ナチュラルな商品で急発展し、世界各地に店舗を構える。

歴史、文化的背景に沿った 環境で育まれるアイデンティティ

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

メインルームを構成する色合いは、ややニュアンスを加えた原色。ラムダンはソファにブルー、書架にイエロー、奥のソファにはグリーンを選んだ。1950年代のホロフェーン製の球形ペンダントライトが、空間にリズムを与える

「表と裏で差がない統一感がブランドやショップの個性をつくると学んだのは、コレットでプレスをしていた頃。そして、『いいオフィスにはいい人材が集まる』というラムダン・トゥアミの言葉を信じています」と、ビュリーの顔ともいえるヴィクトワール・ドゥ・タイヤック=トゥアミは語る。

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

1 商品や包装に使用者の名前を手描きしたラベルを貼るカリグラフィーサービスは、ビュリーのエスプリの象徴
2 容器をパーソナライズする、イニシャル刻印サービス
3  オンラインショップの発送準備をするスペースは、重厚な木のドアの奥。石壁は13世紀もの昔からこの建物に存在する

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

ビュリーのブティックを模したスペース。ここでは連日スタッフの研修や、カリグラフィーのレッスンが開かれている

本社がある左岸の建物は13世紀から残る石の塔を擁し、歴史を感じさせる木の柱とビュリー転入以前の改装によるインダストリアルな天井が対照的。 「過去に未来を張り合わせたような構図は文化的、歴史的にもビュリーのストーリーにぴったりです」と言葉を添えるのは、ヴィクトワールとともに広報およびヘリテージ・マネージャーを務めるフロリアン=エリー・ヴァズ。

リュニフォーム

4 ポストカードスタンドは、2019年にルーヴル美術館内にビュリーの期間限定ストアが開店するにあたって、ラムダンが見つけたアンティーク。手動で手前に回転する
5 クラシックなカフェ風のつくりのキッチン&ダイニング。おいしいコーヒーや新鮮なフルーツが定期的に届く
6 入り口には、デリバリー用のレトロな自転車が

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

ヴィクトワールお気に入りのブルーのソファがあるメインルームでは、メタルを張り巡らせたインダストリアルな天井と、昔ながらの木の柱が強いコントラストを描く

メインルームはオープンな空間で、デスクの列は長い書架で仕切られている。昔ながらの木の棚は、ビュリー各店舗でもインテリアの中枢。一方モダンな黄色の書架は、ラムダンが見つけた1940〜50年代の一点を再解釈して木工職人に作らせた。この色は、手前と奥のソファに使われた青、緑とともに原色のパレットを織り成す。ビュリーではあえて大胆な色使いで、クラシックな気品を引き立てるのだ。「ラムダンは常識にとらわれませんから」と、ヴィクトワール。たくさんの要素が調和を奏でる環境で、スタッフたちは快適な毎日を送っている。

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

7  ヴィクトワールのデスク
8  ラムダンがビュリーのために初めてデザインした図柄が、この19世紀スタイルのエンブレム。リボンに描かれた言葉は「最高のメイクアップとは、美しい肌」を意味するラテン語

オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー

代官山店でも使用しているアーチ形の樹脂板。ラムダンのアイデアで、中にはドライフラワーを配した

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