【リュニフォーム】人気ブランドのモードな空間のつくり方。海外オフィスにお邪魔します

オフィスは、自身の世界観の延長線

強いアイデンティティを打ち出すブランドは、舞台裏、つまり仕事場の細部にまでこだわりを持っている。パリ、ロンドン、アムステルダムでそんな会社のオフィスを訪ねて、各ファウンダーに話を聞いた。インテリアの参考になるおしゃれなアイデア満載だ。ここではリュニフォームのオフィスに潜入!

オフィスは、自身の世界観の延長線

強いアイデンティティを打ち出すブランドは、舞台裏、つまり仕事場の細部にまでこだわりを持っている。パリ、ロンドン、アムステルダムでそんな会社のオフィスを訪ねて、各ファウンダーに話を聞いた。インテリアの参考になるおしゃれなアイデア満載だ。ここではリュニフォームのオフィスに潜入!

Brand Profile
キャンバス地とレザーの機能的なバッグのコレクションとして2014年にパリで創設。ファウンダー&アートディレクターのジャンヌ・シニョールは航空力学を学びエンジニアとして働いたのち、ラグジュアリーレザーグッズブランドで経験を積んだ。コラボレーションやポップアップのプロジェクトにも積極的に取り組む。

自身の美意識にぴったりの場所との、運命的な出合い

リュニフォーム

正面の階段下から、ショールームスペースに臨んだところ。下階奥の左右に見える、ガラスで仕切られた二つの部屋をあとから作り加えた以外は、元来の構造を生かしている

「エッフェル塔を思わせるメタル構造はインダストリアルだけど、同時にとてもパリらしい。元は建築家のオフィスだっただけあり、モダニスムも感じられます。しかも色使いには、リュニフォームのバッグとの共通点も。ここはまさに私たちのための場所でした」

リュニフォーム

1 キャンバス地はジャンヌが特にこだわっている要素だから、常に見やすい場所に配置
2 赤、ベージュ、グレー……。偶然にも、天井にもともとあったスチールの梁は、リュニフォームのカラーパレットに呼応している。一連のキャンバス地と合わせて見ると、顕著だ

2年近く前に初めてここを訪ねたときの興奮を思い出しながら、ファウンダーのジャンヌ・シニョールはこう語る。改装で加えたのは下の階にガラスの仕切りで設えた、キッチンと梱包素材ストックの部屋のみ。家具はシンプルに、オフィス什器の老舗USMの白い机や収納、そしてノルやジャン・プルーヴェのアイコニックなテーブルや椅子を選んだ。

リュニフォーム

3 リュニフォームの基本のモチーフは、正方形と長方形。だからこのドアは、ジャンヌの好みにぴったりだった
4 倉俣史朗の回転棚は、壁のタイルの形にもマッチする
5 水回りも、ジャンヌ好みのスクエアが基調に。大理石のブロックは洗面台、正方形のガラスの仕切りの後ろ側はWC

「父が都市計画の建築家だったこともあり、建築は小さな頃から私の世界の中心にありました。興味があるのは装飾的要素ではなく、構造やボリューム。設計図も大好きです」

リュニフォーム

上階のミーティングルーム。額に飾ってあるのは、片山正通によるリュニフォームの最初のブティックの写真。オフィスで唯一の丸い形は、ブティックでも使っているイサム・ノグチの和紙ランプ

そう語るジャンヌの好みをさらに限定するなら、スクエア。もともと正方形や長方形のモチーフがたくさんあったことも、彼女がこの場所を購入するモチベーションの一つとなった。「オフィスは自身の世界の延長線であるべき」と考えるジャンヌは、幸運にもパーフェクトな空間を見つけたのだ。

リュニフォーム

6 上の階に設けたコージーな一角に座るジャンヌ。ソファと大理石のテーブルは、フローレンス・ノル
7 ジャンヌのオフィス。デスクはジャン・プルーヴェ

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