K 海外に行くともなれば、長〜いフライト時間が永遠の課題。ゆりやんさんは、どんなふうに過ごされていますか?
Y まず空港にめっちゃ早くチェックインして、ラウンジでゆっくり過ごすのが好きです。そこで海外へ今から行くぞ、という気分に浸ります。
Z そこから搭乗して、いざ機内へ。映画のサウンドトラックを活用することで、フライト時間の楽しさが倍増するとか! そのテクをぜひ詳しく教えてください。
Y 離陸するときは、『E.T.』(’82)の主人公エリオットとE.T.が自転車に乗って空を飛ぶシーンに流れる名曲「フライング・テーマ」を流します。タイミングを見計らい、早すぎたら数秒戻して、曲の盛り上がりと離陸する瞬間がぴったり合うと気持ちいいんですよ! 夜の出発だったら『アラジン』(’19)の「ホール・ニュー・ワールド」も素敵。はぁ〜♡ってうっとりします。
K フライトが1.5倍楽しくなりそう! 飛行機が苦手な人に効果的かもしれませんね。
Y 私もこれをやり始めたのは、怖いという思いがきっかけだったんです。気を紛らわせたくて、状況に合わせた曲を聴いたらアトラクション感覚になって、乗り越えられました。飛行中に揺れたら『トップガン』(’86)の「デンジャー・ゾーン」を聴けば不安も消える。着陸のときは大好きな映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(’85)のメインテーマを流すと最高な気分で締めくくることができます! 普段の生活でも怖い絵を描くときは『呪怨』(’03)のサントラを聴いたり。なりきるわけじゃないけど、現実とシーンに合った世界観のサントラをシンクロさせるのが好きです。
Z なるほど〜! 次回の旅にはゆりやんさんのプレイリストをお供にして、その体験をしてみたいですね。
Y ほかの時間は映画を観たいだけ観て、そのあとは寝ています。このときマスクは必須! 寝顔隠しや、よだれキャッチャーとして活躍。乾燥を防ぐよりも、そっちが目的です(笑)。
K 到着されたら、そこからの移動手段は現地調達ですか?
Y 今はUberを使いますが、昔は怖い思いをしたことも。NYでの3カ月のロケを終えたあと、2018年にプライベートでNYひとり旅をしたんです。土地勘があるし大丈夫だろうと。そうしたら空港でいきなり、ぼったくりタクシーにひっかかりました。タクシー乗り場近くにいたおっちゃんに「これに乗って、行き先を伝えてくれたらOK」と言われ、バカみたいにでっかい黒い車に疑いもせず乗せられちゃったんです。
Z こわ〜! "でっかい黒い車"はフラグ立ちまくってます。
Y ドライバーのおっちゃんもめっちゃ気さくな人だったんですけど、「アメリカはカード社会じゃないから、現金で払わなきゃいけないのさ」と言い出して。落ち着いて考えればカード社会の最先端じゃないですか! でもそのときは「そうか、アメリカってカード使えないのか」と思ってしまい(笑)。
K 明らかな嘘でも自信満々に言われると、信じてしまう気持ち、少しわかります……。
Y 料金を尋ねると500ドルと言われ、相場は60ドルと知っていたので、さすがに異変を感じ友人に電話したら、おっちゃんも察して態度が一変。「これは遊びじゃない。橋を渡ったから400ドル払え」と言い、人通りの少ない路地に止められて。明石海峡大橋じゃないんだから通行料いらんやろと思ったんですけど、怖いし、払って車から降りました。
Z ご無事で何よりです(涙)。皆さんも旅を楽しむためには、油断は禁物。怪しげな人に耳を貸さないようにしましょう!