パリ在住・会社員の自宅を拝見! 日仏の文化をつなぐ住まい

日本を出て異国の地で奮闘する表現者たちにとって、自宅は心のオアシス。移住ストーリーとともにこだわりと情熱が注がれた居住空間を紹介。ここではパリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅をフィーチャー。

日本を出て異国の地で奮闘する表現者たちにとって、自宅は心のオアシス。移住ストーリーとともにこだわりと情熱が注がれた居住空間を紹介。ここではパリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅をフィーチャー。

京都とパリの、古いものを大切にする文化をインテリアにも反映

パリ在住・会社員の自宅を拝見! 日仏の文の画像_1
山本紗矢佳プロフィール画像
会社員/mont et plume共同創設者山本紗矢佳

京都府出身。百貨店に入社し、関西の店舗でファッション担当として勤務。29歳でバイヤー研修でパリに2年間滞在。東京に戻り、以後7年間バイヤーやマネージャーとして勤務。2021年より、友人と器プロジェクトのmont et plumeを主宰。’23年11月から、海外駐在員として再びパリへ移住する。

 

home data

居住地:パリ左岸
間取り:1DK 築年数:180〜200年 人数:1人

好きなインテリアショップ:AXS Design(@axs_design)。品揃えがよくて何度も訪れたくなる場所。アイテムの歴史なんかも丁寧に教えてくれるんです。

mont et plume

パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅

大家さんが大切に使っていたという備えつけの棚と丸テーブルとともに。セラミックアーティストの故金あかり、厚川文子などプロジェクトで関わった各地の作家の器を飾る棚は、山本さんのアイデンティティそのもの。

パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅

玄関まわりには香りものを。

Q1.インテリア、特に飾っている器や雑貨などにテーマはありますか。
A.パリにいると、自分のアイデンティティを強く意識します。器を中心に日本のものはたくさん持ってきているのですが、それだけではなく、最初にパリに来たときに出合ったものや旅行先で買ったブロカントも。やはり記憶やつながりがあるものが手もとにあると、精神的に落ち着きます。

パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅
パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅リビング

チェアはさまざまな年代のものが並ぶ。「椅子のデザイン史をさかのぼるような感じで集めようと思って。18〜19世紀のヴィンテージからバウハウス、トーネット、古材のリメイク、北欧の21世紀のもの……と、コレクションを増やしていくのが楽しかったです」。奥の低い木棚やベンチはZara Homeをうまく活用。

Q2.家に出合うまでのエピソードと、この家を選んだ決め手を教えてください。
A.物件探しがパリ・オリンピックの時期と重なり苦労しました。ホテルに住みながら10件ほどを当たって、5、6件目に出合いました。ここは、職場へのアクセスがよくセキュリティ性が高い。周囲の環境が落ち着いていて、公園も近くにあります。そして、備えつけの棚と丸テーブルが素敵だったのが一番の決め手です。

パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅寝室

ベッドルーム。もともと真っ赤なカーテンがついていたのをはずして大改造。眠る前は読書をすることが多く、今読んでいるのはシャルロット・ペリアンの評伝。

パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅インテリア

大叔父が数十年前にパリを訪れたときに購入した地図を、譲り受けて持ってきた。「大叔父が旅した手書きのメモや、当時はメトロ14番線がまだ完成していなかったりと、眺めていると発見があります」

Q3.移住から2年、感想を聞かせてください。
A.ようやくホームという感じになってきました。今は香りを楽しむ時間やお茶をする時間がリラックスタイムになっています。友達を呼んでパーティをするのも楽しい。インテリアは、たくさんものを増やすというより、本当に心に響くものをそばに置いていきたいです。日仏のアイテムの組み合わせを楽しんでいます。

パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅

京都のアンティークショップ「うるわし屋」の道具と、パリの作家Lola Moreauの作品を茶道具に見立てて。先日mont et plumeのイベントで日本でも紹介した。

パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅

備えつけのテレビ台には、テレビを置かずお気に入りのデニムや靴、バッグを。ポスターはリュクサンブール美術館のピエール・スーラージュ展で購入。

Q4.以前パリに滞在していたときと比べて、心境はどう変わりましたか。
A.1回目の滞在で、パリでは歴史や古いものが生活の中で当たり前に大切にされ、今へとつながっていることを発見。そして、そこが出身地の京都とも通ずる魅力だと感じました。帰国後は、茶道をはじめ日本の文化を学び直し、日仏の工芸や手仕事、美意識に以前よりも深い敬意を抱くように。今回は、文化や人をより深く知りたく、言語を含めたさまざまな学びを通して、その本質に触れていきたいです。

パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅

キッチンの一角。ブロカントで買った器にマルシェのリンゴを。奥はピカソのプリント。

パリ在住の会社員/mont et plume共同創設者、山本紗矢佳さんの自宅キッチン

赤がアクセントカラーのキッチン。ストウブの鍋は煮込み料理に便利でよく使う。家では和食を作ることが多いのだそう。

Q5.これからこの街でしたいことを教えてください。
A.自分が携わっているものを通じて、パリと京都、ヨーロッパと日本の間にある文化の往来を、少しでも生み出していけたら。また年齢を重ねるほど価値観は固まりがちですが、視野を広げ、異なる背景を持つ人たちとの対話の中で、言語だけではない“共通のことば”を見つけていきたいです。

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