しばらく会えていなかった親しい人たちともそろそろ会いたくなる頃。家に招いてじっくり話したい、そんなひとときにはナチュラルワインがイチ押し。飾らないけど奥深いナチュラルワインは気の置けない友人や家族をもてなすのにぴったり。今回の「うち飲み向上委員会」ではワインショップ・BATONSからセレクトした、至極のナチュラルワインをご紹介。前回 に続き、出張料理人の岸本恵理子さん直伝、ワインに合わせた簡単で絶品なおつまみレシピも必見です!
今秋飲みたいナチュラルワイン&めちゃウマおつまみレシピ
エディターAKIYAMA(以下A) 定番のお酒も続けば飽きがくるし、新しい味わいとの出合いはそれだけで気分転換になるもの。ナチュラルワインで、おもてなしやしっぽりひとり飲みの食卓に新しい風をビュ~ンと吹かせたいと思います!
ライターYOKOMIZO(以下Z) 今回はナチュラルワインに詳しい岸本さんお気に入りのワインショップ・BATONSのご協力をいただきました。店主の方と岸本さんにご相談し厳選した、今秋おすすめの6本をシェアしますよ~!
岸本恵理子さん(以下K) BATONSは造り手にスポットを当てたワインセレクトを信念にされていて、携わる人や事柄を含めてお客さんへ伝えようとしているのがよくわかります。とても信頼しているお店のひとつです。
A 心もお腹も満たすおつまみレシピと、「ベストうち飲み賞」もお届けします!
普段飲みのスパークリング「ポルタ・デルヴェント ヴォリア・ビアンコ 2019」(岸本恵理子リコメンド)
ポルタ・デルヴェント ヴォリア・ビアンコ 2019〈750㎖〉¥2,750/BATONS(小川正見&Co.)
K これは普段から飲んでいる大好きなワインです。 抜栓前にボトルを反対にして濁らせて飲むと旨味が増しますよ。
Z 発泡具合が強すぎず心地よくて、だからか味もしっかりと感じられます。爽やかな酸味もナチュラルでちょうどよい。
A フローラルな香りにふわっと癒されちゃう♡ アフターは口の中がさっぱりするような気がします。
K 口の中を洗い流してくれる飲み心地で、次の一口につながるという。食事と一緒に楽しむなら、こういったワインがおすすめですよ。
りんごの酸味に胸キュン♡「レ・ヴァン・ジャルダン ヴァン・プル・トゥス 2020」(エディターAリコメンド)
レ・ヴァン・ジャルダン ヴァン・プル・トゥス 2020〈750㎖〉¥3,410/BATONS(ヴォルテックス)
Z これ好きです、独特の酸味がおいしい。ちょっとだけプチプチしていますね。この小気味良さは、なんというか青春感があります! A お! 鋭い! りんご酸のニュアンスがシャキッとした軽快感とキレの良さを演出してくれるので、スカッとした味が好みのひとはぜひお試しを。
Z ナチュラルワイン全般に言えることだと思うんですけど、温度が上がると果実味が出てきますね。 それでもこの白ワインは酸味がシャープで、目が覚めるような感じ。
日本のワイナリーとコラボ「アルフィオーレ × BATONS ある晴れた日 2020」(ライターZリコメンド)
アルフィオーレ × BATONS ある晴れた日 2020〈750㎖〉¥3,300/BATONS(ファットリア アルフィオーレ)
Z 宮城県柴田郡川崎町のワイナリー・ファットリア アル フィオーレとコラボしたBATONSのオリジナルワインです。 昼下がりからゴクゴクと飲める軽い飲み心地を重視したというだけあって、ランチやアペロに最高なんですよ。
K 葡萄はスチューベンと青デラウェアなんですね。デラウェアって熟すと甘くなるから、早摘みしたものを使って酸を残しているのか~! だからこれだけ酸味がきっちりある。クレバーだなあ、感心です。
Z 「ある晴れた日」というネーミングも素敵ですよね。夜を待たずに晴天の昼下がりに胸をはって酔っぱらおうじゃないか!
A ほどほどにね(笑)。このロゼをひと口飲んでからモグモグタイムが止まらず、「鶏肉の猟師風煮込みローマ風カチャトーラ」(レシピは下部をチェック)との相性抜群です。ワインも進む〜、これは絶対作るべき!
K ハーブ系のニュアンスがあるワインなので、トマトバジルのサラダも合いますよ。ほかには枝豆やスパイシーな味、カレーとかもすごく合うはず。
“冷やし”赤ワインがおいしい!「モンドマリー アナテームルージュ 2020」(エディターAリコメンド)
モンドマリー アナテームルージュ 2020〈750㎖〉¥2,585/BATONS(サンフォニー)
A ワインが水代わりに飲まれていた頃の昔のスタイルの、おいしいワイン造りがされている南仏のラングドックのワイン。水代わりというのも納得な、飲み疲れない味わいなんですよ。
K すごくフルーティ! ラズベリーやブルベリーのような甘やかな香りの奥に爽やかな酸味があって、まさしくデイリーに飲みたい味わいですね。後味はいちじくのような、乳酸っぽいニュアンスも感じられて深い。
A BATONSの店主さんも過去最高のヴィンテージと絶賛でした! 飲むときには、よく冷やしてからスタートしてみてください。個性がありながらも、葡萄ジュースみたいな飲みやすさです。
Z どんな人にも好まれそうだから、おもてなしにはぴったりかと!
パケよし、味よし、コスパよし!「ルイジュリアン ルージュ 2020」(ライターZリコメンド)
ルイジュリアン ルージュ 2020〈1,000㎖〉¥2,530/BATONS(ヴォルテックス)
Z このカジュアルな雰囲気、めちゃくちゃ良くないですか!? しかもおいしいんだな~! 何食わぬ顔でふるまってゲストから褒められたいですね、アイツなかなかやるなと。
A 正直もんだね、清々しいよ(笑)。 口に含んだときの芳醇な香りと果汁あふれるようなジューシー感に比べて、軽やかなタッチで喉ごしはスルスルしてる。 濃い赤紫色だからもっと重めな味かと思っていたので意外!!
K 1リットルでこの価格ってなんて魅力的なんでしょう! ワインとしては軽やかなので、お料理といただいたときにお互いの繊細な味わいをちゃんと感じられます。 「しし唐のスカペーシェ」(レシピは下部をチェック)と一緒に是非。野菜の青みと赤ワインの相性が良いんです。
A おいしすぎてもうお皿に残ってなかった! おかわりしま~す!
唯一無二のワインリキュール「A.A.バーデンホーストファミリー カペリティフ No.9(ヴェルモット)」(岸本恵理子リコメンド)
A.A.バーデンホーストファミリー カペリティフ No.9 (ヴェルモット)〈750㎖〉¥4,620/BATONS(ラフィネ)
夏だったらかき氷にかけても最高! お湯割りもイケる
A ヴェルモットとは白ワインにハーブやスパイスを漬け込んで造る「フレーバードワイン」の一種。岸本さんが太鼓判を押すリキュールです。
K この機会にみなさんに知ってもらいたくて! カペリティフは毎年、その年の気候に最適な季節のボタニカルを用いて仕込んでいて、キュヴェごとにロットナンバーが付けられているんです。ベースの白ワインはシュナンブランから造られていて、酸味がしっかりあるから味のバランスがとれやすく、甘味やハーブの風味が際立ちます。
Z 造り手のセンスがかなり問われますね!
K No.9はスパイス感がかなりシャープですね、結構タンニンもあってピリッとした感じもする。飲み方はソーダで割ってもロックでも。早生みかん、すだちなど柑橘系の果汁と半々くらいの割合でハーフロックにして飲むのも好きです。あとね、前出のヴォリア・ビアンコで割ってもおいしいですよ。
A んま~~い!!
K かなり贅沢ですけどね(笑)。カペリティフは抜栓してから急いで飲む必要がないので、おうちにあると幸せな1本です。
しし唐のスカペーシェ(ミントビネガー和え)【岸本さんのワインに合うおつまみ①】
冷めたくらいが味が馴染んでおいしい。冷蔵庫で冷やしてもまた格別です。お好みでピーマンやパプリカに代えてもOK。
[材料](4人分)
しし唐 1パック(250g) エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1/2 にんにく 1かけ ミント 1/2パック(5〜10g) ワインビネガー 大さじ1程度 塩 ふたつまみ程度
[材料](3〜4人分)
鶏モモ肉 2枚(500g)塩 小さじ1/2強程度(皮を取り除いた肉の重さの1%程度) 玉ねぎ 1/3個 セロリ 1/3本 にんじん 1/3本 オリーブオイル 大さじ2 にんにく 1片 粒胡椒 15粒程度 白ワイン 100ml ワインビネガー 30ml ローズマリー 1枝 A パルミジャーノ・レッジャーノ (またはペコリーノチーズ) 適宜 オリーブオイル 適宜 胡椒 適宜
うち飲み向上委員会メンバー
岸本恵理子 出張料理人。「自ら感動した味とその記憶を伝えたい」と、イタリア修行からの帰国後、出張料理人を始める。個人宅から映画のなかの料理制作まで、流しの料理人として食に関わる仕事を幅広く手掛けている。実は自分の台所でもひと様の台所でも、ガソリン=ワインがないと動きが鈍る。ワイン発祥の地と言われるジョージアでの料理修行経験もあり。
Instagram:
eritin_on_the_earth
ライターYOKOMIZO おいしいお酒とごはんのためなら、高い海外輸送費も厭わず即ポチ。苦手な家事は休日に大好物の泡を飲みながらやっつけます。最近は海外の料理番組を観て、妄想トラベル。
エディターAKIYAMA お酒はもっぱら外でハシゴ酒だったのが、ここ1年でうち飲みの魅力に開眼! おいしいお酒を飲みながら、ほろ酔い気分で愛猫と遊ぶのが至福の時間。
photography:Hiroki Nishioka illustration:Abbott Okutani text:Momoko Yokomizo