ソムリエの田邉公一さん監修【シャトレーゼ】で選ぶ本当においしい1000円台のワイン【うち飲み向上委員会vol.63】

おいしい上にコスパも抜群の菓子店「シャトレーゼ」。バラエティに富んだラインナップの中に、ワインがあるのを知っていましたか。豪華に過ごす年末年始もいいけれど、気張らずカジュアルにうち飲みしたいという気分なら、シャトレーゼが正解! ソムリエの田邉公一さんと一緒に年末年始におすすめのワインをお届け。

おいしい上にコスパも抜群の菓子店「シャトレーゼ」。バラエティに富んだラインナップの中に、ワインがあるのを知っていましたか。豪華に過ごす年末年始もいいけれど、気張らずカジュアルにうち飲みしたいという気分なら、シャトレーゼが正解! ソムリエの田邉公一さんと一緒に年末年始におすすめのワインをお届け。


臆せずグビグビ飲める! シャトレーゼの超お買い得ワイン

ライターYOKOMIZO(以下Z) 山梨から全国に展開するシャトレーゼは、流通を一本化することによってデイリー価格が可能に! 糖質カットや低アレルゲンの食品の充実ぶりでも、注目されているんですよ。

田邉公一さん(以下T) ワインはリーズナブルに楽しめて、大勢の家族や友達が集まる年末年始のホームパーティにも満足できる味わいです。

エディターAKIYAMA(以下A) 田邉さんが提案するシャトレーゼのお菓子やフードとのペアリングもぜひチェックしてみて。最後に発表する「ベストうち飲み賞」もお見逃しなく!

すっきりドライな味わい「樽出し生ワイン(白)シャルドネ」

シャトレーゼ 樽出し生ワインシャルドネ
樽出し生ワイン(白)シャルドネ〈720㎖〉¥836/シャトレーゼ

A まずは2003年より発売している看板商品、樽出し生ワインからいただきましょう。

Z こちらは店頭で樽から専用のワインボトルにボトリングして販売するというスタイル。樽生ビールはメジャーだけど、ワインは初めて聞きました! どうゆうこと!?

T スイスなどであるんですけど、ツーリスト向けの体験としてワイナリーに行くと樽からすくったワインを飲むことができるんです。その体験が店頭で叶うというワケですね。さらに無濾過で、造りたてのフレッシュな状態のワインを提供しているのがポイント。自然のうまみを残したこの造り方は、自然派ワインでも一部取り入れられています。

A 初回はボトルの購入が必要になるのですが、次からはボトルを持っていくとリフィル代だけでOKだそう。ボトル720mlで836円、1杯100mlで換算するとグラス100円くらい! 安いしエコだし、嬉しい衝撃です

Z 樽出し生ワインはいくつか品種があるのですが、田邉さんがシャルドネを選んだ理由はなぜでしょうか?

T どの国のワインにも言えるのですが、リーズナブルなワインの場合は白の方がいいものを見つけやすい。白ワインは熟成せずフレッシュな状態で飲むものが主流です。赤ワインのように果皮や種の要素を加えず、果汁のみで造れるなど、工程が比較的シンプルなことが理由になります。

A フレッシュで爽やかな飲み口で、1杯100円とは思えないおいしさですね。

T シャルドネらしい個性がきちんとあって、洋梨とりんごのニュアンスや、グレープフルーツのような柑橘類の香りもほのかにします。酸はいきいきとして爽やかに飲めるタイプの辛口。ソーダで割ったスプリッツァーや、オンザロックで和柑橘類を絞って飲むのもおすすめです

Z お正月の料理は贅沢ですから、ワインの出費を抑えられるのはありがたすぎる(涙)。ふぐちり鍋、寿司などに合わせたいです。

T いい意味で個性が強くない分、幅広い料理とペアリングできるのが魅力。もしこだわるなら、このワインの一番の特徴は酸なので、酸味で合わせるのがベター。シャトレーゼでは「しらす明太チーズピザ」とのペアリングがおすすめです

樽出し生ワイン(白)シャルドネをチェック!

醤油の風味や和菓子に合う「樽出し生ワイン(赤)メルロー」

シャトレーゼ 樽出し生ワインメルロー
樽出し生ワイン(赤)メルロー〈720㎖〉¥836/シャトレーゼ ※店舗限定

Z 続きましても樽出し生ワインのシリーズから、メルローです。メルローは品種の個性として、シャルドネのような立ち位置だと思うんですよね。ニュートラルだけど、奥行きやまろやかさも感じられて。

T シャルドネって順応性が非常に高い品種で、化けるワインなんですよ。メルローもある意味でシャルドネと似たところがあり、育つ土地に順応し、汎用性が高い品種。酸味もタンニンも中程度、キャラクターが突出していなくて、バランスがいいのでリーズナブルなワインから100万円くらいする超高額ワインまで造れる葡萄なんです。

Z なるほど! ビヨンセやデュア・リパみたいなワールドワイドなポップスター的品種ってことですね(笑)。

A このメルローはデイリー用。渋みが強すぎずスルスルとグラスが進み、赤ワインが苦手という人でも飲みやすそう

T 樽出し生ワインシリーズは、ヨーロッパでいうハウスワインみたいな感じで、難しいことなしでカジュアルに飲めるのがいいところ。ビールや酎ハイを飲む感覚で乾杯しましょう!

A 年末年始は明るい時間から飲んじゃいますから、そんな時にもじゃんじゃんいける軽やかな味わいです。

T メルローはジンジャーエールで割ってカクテルにしたり、ハチミツとシナモンを入れて、ホットワインにしてもおいしくなりそうですね。コッテリ系の醤油味と合うので照り焼きマヨチキンのピザ」もいいし、「北海道産大納言どら焼き」もおすすめ。

A え〜!どら焼き? どんなところがメルローと合うんですか?

T 粒あんの豆由来の香ばしさと、ワインの果皮から出るスモーキーな風味が通じる部分があります。重たいどっしりした赤ワインだと合わないのですが、ちょっと軽めでシンプルなタイプだからこそ成立するペアリングです。

樽出し生ワイン(赤)メルローをチェック!

甲州を知るのにうってつけの1本「シャトレーゼ ブラン」

シャトレーゼ シャトレーゼ ブラン
シャトレーゼ ブラン〈720㎖〉¥1,815/シャトレーゼ

Z こちらの白ワインは山梨県産の甲州種、シャルドネ種を主体にブレンドし、樽熟成もしているタイプ。先ほどの樽出し生ワインに比べるとお値段が約2倍になります。いかがですか?

T 品種の個性がしっかり出ていて、プライスが上がるのも納得の味わい。テロワールが連想でき、日本ワインらしい味になっていますね。

A  きれいな酸を感じます。適度な苦味の余韻もあってより本格的な味わい。清々しいわ〜。これを飲みながら、新年の抱負を考えたいね。冷蔵庫できりっと冷やして飲みたいです。

T  甲州はクローブなどスパイスのニュアンスが少しある品種なのですが、それもちゃんと出ていますね。それから、柚子やカボスを思わせる爽やかな香りも甲州らしさ

Z 和柑橘の香りが和食にぴったりかと! 年末年始用にストックしておいたら大活躍してくれそう。

T 野菜との相性が抜群なので、野菜や山菜の天ぷらを一緒に食べたいですね。コハダなど白身魚の握りや軍艦巻き、長ねぎとの相性もいいので芽ねぎ寿司も合いますよ。シャープな飲み口なので、スイーツよりも食事とのペアリングでどうぞ

シャトレーゼ ブランをチェック!

肉料理との相性は間違いなし!「シャトレーゼルージュ(赤)」

シャトレーゼ シャトレーゼルージュ
シャトレーゼルージュ(赤)〈720㎖〉¥1,815/シャトレーゼ

T どちらかというとボルドースタイルのブレンドワインですね。果実味が豊かで、酸もいきいき。味の骨格が比較的しっかりとしているので、ちょっと冷やした方がよりおいしく飲めるタイプ。コップではなく、ちゃんとワイングラスに注いで飲んでいただきたい一本です。

A 適度なタンニンがあり、渋みも緻密で味わいに複雑味があります。ちょっと飲みごたえのあるワインが欲しい時はこちらですね!

T 少しナッツのフレーバーがあるので、「国産和栗のモンブラン」や「スイートポテトパイ」とペアリングしたら合いますよ。ブルーベリーなどベリー系の香りが主体ですが、アクセントに燻製香があるため焼き肉とも相性抜群

Z お正月の食卓に並ぶことが多い、ローストビーフにも合いそう。とはいえ、重すぎずしなやかさもあり、万能選手な赤ワインとして覚えておくと便利!

シャトレーゼルージュ(赤)をチェック!

今回の「ベストうち飲み賞」を発表!

A シャトレーゼのワインは初めてでしたが、4本のワインを飲み比べてみていかがでしたか?

T 1,000円台の2本は、ワインをある程度飲んでいる人にも納得の味わいじゃないかな。1,000円以下のワインは、いい意味でキャラが強くないからこそアレンジがしやすい。エントリーラインとして楽しむのにちょうどいいと思います。

Z その中でも1本をリコメンドするとしたら?

T
 「シャトレーゼブラン」ですね。甲州ワインらしい和柑橘フレーバーがよく出ていてテロワールが感じられる本格的な味わい。一般的に甲州の白ワインは2,000円くらいするものが多いなか、1,000円台とコスパもいい。

A 出費がかさむ年末年始に嬉しいデイリー価格。ホリデー料理やシャトレーゼのスイーツと一緒に味わってみてください!

【うち飲み向上委員会メンバー】 
田邉公一
ソムリエ・ワインディレクター。レストランやワインショップ数社の飲料の監修を手掛ける。飲食店のワインはもちろん、コンビニやスーパーのワインにも一切の妥協なく日夜真剣に向き合っている。ワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」の講師。近著に『ワインを楽しむ 人気ソムリエが教えるワインセレクト法』がある。https://twitter.com/tanabe_duvin

ライターYOKOMIZO
おいしいお酒とごはんのためなら、高い海外輸送費も厭わず即ポチ。苦手な家事は休日に大好物の泡を飲みながらやっつけます。最近は海外の料理番組を観て、妄想トラベル。

エディターAKIYAMA
お酒はもっぱら外でハシゴ酒だったのが、ここ4年でうち飲みの魅力に開眼! おいしいお酒を飲みながら、ほろ酔い気分で愛猫と遊ぶのが至福の時間。