2024.07.19

ドリス・ヴァン・ノッテンが教えてくれたこと

ドリス・ヴァン・ノッテン ラストコレクションのバックステージにて
photography: KAJ LEHNER ラストコレクションのバックステージにて。

2024年6月22日、パリで開催された2025年春夏メンズコレクションを最後に自身の名を冠したブランドのデザイナーを退任したドリス・ヴァン・ノッテン。SPUR9月号では、独占インタビューも含めて、20ページの大ボリュームで特集しています!

担当編集の思い出で恐縮ですが、20代でSPUR編集部に異動し、一番印象的だったことは、先輩たちがそれぞれの感性でドリス ヴァン ノッテンの服を楽しんでいることでした。第一線で活躍するエディターさん、スタイリストさんたちのワードローブのスタメンでもあり、いつか私もと憧れました。そして、その時の自分には似合わなかったのですが、30代も半ばを迎えるころ、ふと、しっくりくる日が来たんです。ドリスの服は、人生経験を積めば積むほど似合ってくるのだと発見し、年を重ねることがうれしくなりました。

コレクションのバックステージ取材では、多くのモデルたちが柄のストールを愛用していましたし、先のメンズコレクションのランウェイも歩いたハネ・ギャビー・オディールが毎日ドリスの服を着ていたので、モデルスナップ企画の原稿で何度も「ドリス ヴァン ノッテン」という名を書きました。2016年12月号でアーカイブスと新作をミックスするという前代未聞の特集を担当した時は、アーカイブスの色褪せない魅力、常に、一歩も二歩も先行く提案をしていた事実を目の当たりに。

ドリス・ヴァン・ノッテン SPUR9月号
photography: Mai Kise

異なる要素や感情を混在させた革新的な創造性は、いつも私たちを未知の世界へと連れ出してくれました。そこでSPURは想像の翼を広げ、南インドのニルギリ山地へ。ドリスの作品ともゆかりの深いインドは、彼が愛する豊かな自然と多様な文化が交錯する場所。2人のフォトグラファーと2人のスタイリストを交えたチームの個性が融合し、世界でひとつの物語を連作でなぞります。さらに、これまでSPURがインタビューしてきた中から、忘れられない名言も再掲載。人生の指針となるような哲学は、永遠に胸に刻みたいものばかり。そして、チームSPURからの寄せ書きも用意しました。

心からの、ありがとうとともに

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