雨の日のファッションは何かとやっかい。でも、例えば『雨に唄えば』のどしゃ降りのなかで歌って踊るシーンを思い浮かべたら、ちょっと楽しい気分に、なりませんか。クラシックな傘を持ってジャケットなんか着ていたら気分はジーン・ケリーです。
今月号の巻頭ストーリーは、降っても晴れてもファッションを楽しもう、という思いを込めて、雨にまつわる名作をテーマにしたファッション特集をお届けします。
写真は、アンリ・カルティエ=ブレッソンの有名な1枚「サン・ラザール駅裏」をテーマにした撮影の様子。男性が水たまりを飛び越える決定的瞬間を切り取った、あの写真です。景色が反射する大きな水たまりを探していたら、ウユニ塩湖にも例えられる木更津の江川海岸にたどり着きました(許可を得て立ち会いのもと撮影しています)。
当初のイメージはブレッソン。でも『千と千尋の神隠し』に登場する、雨が作った海のようにも見えなくもない。雨の記憶の引き出しはどこかで繋がっているのでしょう。雨にまつわる名シーン、みなさんは何を思い浮かべますか?