モード界では“ジェンダーレス”であることはもはや当たり前。ならば、ラグジュアリーなジュエリーも男女の垣根無くシェアしたっていいじゃないか! そんな心の叫びから始まった「ジュエリーこそ、ジェンダーレス」企画。共演するのは歌舞伎界のプリンスこと、片岡千之助さんと安藤ニコさん。誕生日が1日違いの同い年の2人を迎えて、いとこ同士の淡い恋心をテーマに撮影しました。そうです、三島由紀夫の『春の雪』に着想しました。彼らの表情ひとつひとつに意味が込められているので、隅々までチェックしてみてください。
ファッション撮影が初めてという千之助さんは「遠足の前夜のような気持ちで、ほとんど寝られなかった」と朝は少し緊張の面持ち。衣装のフィッティングをしてヘアメイクをほどこし、撮影スタート。さすが歌舞伎役者、立ち姿の美しいこと‼ 撮影中は、18歳の男の子であることを忘れてしまうほどの表現力にただただ圧倒されました。しかも、撮影を重ねるごとに、表情が凛々しくなっていき、一人の青年の成長物語を見ているようでした。受け止める安藤ニコさんも、イノセントな佇まい。二人の間にだけ醸し出されるマイナスイオンは誌面にもあふれ出ています。一編の恋愛小説を読んだ後のような余韻をぜひ感じてください。
エディターKINUGASA
顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。