秋口から春先まで楽しめるステディアイテム、ニット。トレンドの主流は前衛的なシルエットや柄が特徴の「プログレ」と、タイムレスで洗練された魅力を持つ「スタンダード」だ。モードを愛するライバルたちが繰り広げる熱いバトルを制するのは果たしてどっち?
(右)スタンダードの先鋒は新しいクラシックを打ち出した今季のセリーヌ。70年代のアーカイブスから着想を得たコレクションだ。カレッジガールを彷彿とさせるスタイルは深い
カーキのクルーネックセーターが主役。上質なシェットランドウールを採用し、あえて毛羽立たせた内側が着心地のよさを約束する。
ニット¥75,000・シャツ¥92,000・スカート¥295,000(すべて予定価格)/セリーヌ ジャパン(セリーヌ バイ エディ・スリマン) 03-5414-1401
(左)対抗するプログレは暖かみのあるモヘアカーディガンが代表選手だ。輝くクリスタルとスパンコールで描くオリエンタルなモチーフが袖と身頃に。マキシ丈ニットコートをインに合わせ、繊細な素材の重なりを楽しんで。
ニット¥1,400,000・中に着たニットコート¥550,000・スカート¥198,000/グッチ ジャパン クライアントサービス(グッチ) 0120-99-2177
クリーン
第一試合はフォルムで対決。スタンダード派は無駄のない美しいシルエットで勝負する
デザイナー自身のこだわりが詰め込まれ、不定期で発表されるライン「the Shepherd UNDERCOVER」。しっとりとした手ざわりのウール混カシミヤと、メンズサイズならではのゆとりあるシルエットが体をやさしく包み込む。
デザイナーが所有するスウェーデンの牧場で育った羊の毛を編み上げた一枚。ハンドメイドならではのぬくもりを実感できる。裾にはその羊がつけていたイヤータグが。エシカルな服作りにも注目したい。
レイヤリングに適したスリムなニットながら、温度調整に優れたメリノウールを重ねているため暖かい。体のそれぞれの部分に合わせて編み方を変えたためエフォートレスな着心地をかなえる。スポーティなスタイリングにもマッチ。
2013年の誕生以来、愛されている定番のニットシリーズ「CHELSEA」。着用した際、体のラインを美しく見せる計算されたシルエットが魅力だ。上質なカシミヤ素材と肌なじみのよいキャメル色がやわらかな印象を与える。
ツイスト
プログレ派は変型デザインで負けじと対抗。一枚で存在感のあるスタイルに昇華する
色鮮やかなレッドのベストに、ジャカード織りに着想を得た柄のニットがドッキング。たっぷりとしたビッグスリーブと、体に沿ったスリムな身頃が生むメリハリのあるシルエットが華やかだ。セパレートして、単体でまとうこともできる。
日本家屋にインスパイアされた今季。トラッドなケーブル編みセーターの襟元を大きくデフォルメし、ひねりを加えた。また、軽量化されたウール糸を採用したため、型崩れもしにくい
ショート丈のボディに、深いカーキのテープを重ねた構築的なルックス。ロング部分はボトムにインしたり、そのままにして揺れる様子を楽しむことも。レイヤードするアイテムによってさまざまな表情を見せる優れた一枚だ。
ビビッドなピンクが目を引く、なめらかな手ざわりのカシミヤ混ニット。今季のコレクションのキーとなるモチーフ、ジョーゼットドレープが裾を彩る。このディテールは糸を通した針をイメージしたもの。
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SOURCE:SPUR 2019年11月号「プログレ VS スタンダード 精鋭30ピース」photography: Bungo Tsuchiya 〈TRON〉(model), Takehiro Uochi 〈TENT〉(cutout) styling: Lisa Sato 〈bNm〉 hair: Keiko Tada 〈mod’s hair〉 make-up: Rie Shiraishi model: Kovichi, Alya Spir