一見相反するさまざまな魅力をひとつの身体に内包したような、驚くべき存在でした。
Snow Manの最年少センターとして華々しくデビューした、ラウールさん。(撮影当時はまだ16歳!)ティーンエイジャーでありながら、驚くべきダンススキルの持ち主です。そのスタイルの良さと表現力に編集部一同すっかり惚れ込み、「ぜひハイブランドをご着用いただいて出演いただきたい!」とオファーしたのが3月のこと。スケジュールも決まり一度撮影に向けて動いていたものの、そのときはコロナウイルスにより一度断念せざるを得なくなってしまったのです。それでも必ずリベンジさせてくださいと熱くオファーし、やっと実現した機会、SPUR9月号でみなさまにお届けできることが嬉しいです!
どうしたらラウールさんの最上の瞬間を収められるだろう? とスタッフで頭を悩ませた結果、その表現力を発揮してもらうべく、ハイモードと戯れているような、「静」と「動」のどちらもを感じられるイメージで考えました。いざ当日、颯爽とスタジオに現れたラウールさん。最初に「今日は、服の特徴を生かしつつラウールさんに自由に動いてもらい、撮影したいと思います」と伝えると「分かりました〜!」と軽快なお返事。実際にルックの特性やキャラクターを瞬時に飲み込んで、ゆらゆらと踊るように動いたり、ポーズを決めたり。挑戦的なモードとの掛け合いを披露してくれました。的確に、かつバリエーションもつけて表現するラウールさんに、現場でも感動の声が上がるほど。天性の勘の良さをひしひしと感じました。着用していただいたのはBOTTEGA VENETA、MARNI、Maison Margiela、JW Andersonをはじめ、こちらのPRADAのウェアなども。
ノースリーブから伸びた腕の長さには正直目を疑いました……! このスタイルからは「スパイみたい!」とイメージを汲み取って大胆なポーズを決めてくれています。プロポーションの良さと言えばGUCCIのセットアップのルックも印象的でした。撮影用のサンプルはつくりが大きいことが多いのですが、恐るべき股下95cm(!)でブーツカットのボトムを難なく履きこなしており、思わず「足が長いですね!!」と口走ってしまいました。そんな感じもあり終始、なにか「とてつもなく美しいもの」を見せられている、半ば鑑賞モードなところもあったかもしれません(笑)。
そして実際に撮影されたカットを見てみると、ここでも驚くほど、1枚ごとに表情や魅力がまったく異なるんです。高校生とは信じがたいほどの色気が感じられることもあるし、少年らしいあどけなさが滲み出ることもある。鋭い眼光に思わずドキッとしたりも。モードとの化学反応は、私たちの想像を遥かに超えていました。捉えきれない、多様な魅力が最大限伝えられるようにと誌面掲載カットをセレクトしています。
インタビューでは、デビューから今まで、そしてこれからのこと。ファッションのこと、モデルの仕事についても聞きました。歳上とのメンバーの関係性には「とても感謝しているんです」と語った全文、ぜひじっくり読み込んでいただきたいです! ラウールさんという存在をこよなく愛しながら、お互いに切磋琢磨するバランスが絶妙なSnow Manというグループの可能性にも、改めて「奇跡」を感じます。言葉を選びながら、真摯に語ってくださるラウールさんは、バラエティ番組などで元気にはしゃぐ姿ともまた違って、いったいいくつもの顔を持つんだろう?と底知れなさを感じました。
情熱を胸に秘めた17歳の存在がさらにどう花開いていくのか、まだ本人も気づいていない魅力がもっともっとあるのでは?と、今後の活躍も楽しみな思いでいっぱいです。のべ数時間にわたるセッションを経て「ありがとうございました〜!」とスタジオを出ていく姿まで軽やかでした。「ラウール、奇跡の存在」。このタイトルは決して大げさではありません。控えめに言って絶対に保存版だと思います!!! ぜひ、SPUR9月号の誌面で目撃してください。