校内で「リア充」の陰でひっそり過ごしていたのは昔の話。今、いちばんかっこいいのはファッションにも最新のアニメにも精通している広義な意味での「オタク」。知識を深く掘ることができる人が注目される時代の到来です。オタクとファッション、ギークとヒップホップの親和性がここ数年でぐんと高まってきたとも言えます。バッドボーイなジェスチャーやマッチョイズムは鳴りを潜め、むしろギークな仕草がかっこいいものとしてメインストリームに取り入れられるように。現在トレンドを動かしているのは間違いなく「オタク」です。もし今映画『ナポレオン・ダイナマイト』(2004)」が公開されたら、主人公の彼は最初から人気者であるはず。
音楽の世界でも、ギーク×ヒップホップなムードが頻出。このカルチュラル・リセットに目をつけ、シュプール5月号では「GEEKY HOPHOP」というモードを提案します。それはグッチのアレッサンドロ・ミケーレによってじわじわと広がってきたムードであり、音楽でいえばブロックハンプトンやAGクラブがけん引するテイスト。そしてジョージアのブランド、LTFRは、何年も前からこのムードでものづくりをしています。
今回シュプールでは、コレクター3人がサマーハウスに集まり、サンプラーや古いVHSなどを持ち寄ってヒップホップを流しながらゆるく過ごす時間を再現。そう聞くとちょっと意味が分からないかもしれませんが、誌面を見れば「なるほど」と思っていただけるはず。OKAMOTO’Sのオカモトレイジさんによるこのカルチャーの解説と、プレイリストも掲載しています。Cultural Resetをぜひ目撃してください。