個人的にはなかなかにハードルが高いこの依頼に、ありがたいことに4人の女性が協力してくださいました。いつも立つキッチン、自分にとって使いやすく工夫された収納やこだわりの調理器具、欠かせない調味料。そして自分が、自分のために作るふだんの料理。それらをフォトグラファー小林真梨子さんが、さりげなく、自然体に切り取ってくれました。そんな写真をコラージュしたページは、見るだけでなんだか気持ちがあたたかくなるような、そして何よりおなかがすく!
とりわけ私の個人的な感情を呼び覚ましたのが、仕出し弁当とケータリング業「美菜屋」を経営する、モデルの浅野美奈弥さんの一皿。トーストと目玉焼き、小さなソーセージと角切りのリンゴ。シンプルそのものの朝食が何とも美味しそうですが、このお皿、私の祖母がいつも使っていたカレー皿の色にそっくり。日常こそ思い出は濃い。そんなことを思わせてくれた、この特集「キッチンに愛を込めて」。ぜひゆっくりとご自宅で、お読みいただければと思います。