SPUR6月号のカバーガールは三浦透子さん! なぜ彼女の表現に惹き込まれるのか? その答えを探して。

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photography: Teruo Horikoshi

「特に赤いSAAB900を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します!」第94回アカデミー賞で、日本映画としては13年ぶりとなる国際長編映画賞に輝いた『ドライブ・マイ・カー』。受賞スピーチを終える合図のような音楽が流れるのをジェスチャーで止め、濱口竜介監督が壇上で語った言葉です。ライブで見ていたのですが、堂々としていて格好よく、(こちらは何も関係ないのに)誇らしい気持ちになりました。

その、三浦透子さんがSPUR6月号にてファッション誌初となるカバーに登場です! まとうのは、ロサンゼルスのハリウッド大通りで発表された「GUCCI LOVE PARADE」の1着。ボウタイがポイントになったジャケットルックに、カウボーイハットとアワードを意識したコサージュが華を添えます。

Hobbies Drive My Life」と題し、趣味のある人生の豊かさにフォーカスした今号。「三浦透子を因数分解」特集では、三浦さんの好きなことやものを事前にリモートで打ち合わせをしました。画面越しに挨拶を済ませ、彼女の口から最初に出てきたのは「考えることが好きなんですよね」という言葉! 想定の斜め上をいく回答に彼女への興味がますます掻き立てられました。大学で数学を専攻したことにも通じる、思考することへの欲求がちょっと早口な会話からも受け取れ、気づけば1時間以上も経っていて……苦笑。スタイリスト飯島朋子さんが彼女のお話から導き出したモードなスタイルと、6つの「好き」をピックアップしていますが、ここでは誌面に入れられなかったエピソードをひとつご紹介します

「ジム・ジャームッシュ監督の映画が好きなのですが、そのひとつ『ナイト・オン・ザ・プラネット』(’91)のウィノナ・ライダー演じるタクシードライバーのファッションが好き」と教えてくれた三浦さん。それを聞いて、『ドライブ・マイ・カー』での三浦さんに通ずるものがある!と感じたスタッフ陣です。さらにコーヒー好きとあって、ジャームッシュの世界とウィノナを裏テーマにした撮影を行いました。どのページかぜひ当ててみてください〜。

世界が今最も注目する25歳を知れば知るほど、個性を育む趣味の時間を、きっともっと大切にしたくなるはずです。

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エディターKINUGASA

顔面識別が得意のモデルウォッチャー。デビューから好きなのはサーシャ・ピヴォヴァロヴァ。ファッションと映画を主に担当。

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