2024年6月、イタリアのヴェネツィア市で開催された国連会議「海洋リテラシー世界会議」で、ユネスコ事務局長補兼ユネスコ政府間海洋学委員会(ユネスコ-IOC)事務局長のヴィダー・ヘルゲセンさんは警鐘を鳴らした。「ユネスコの『海洋環境の現状報告2024年版』によると、海の温暖化の速度は過去20年間で2倍に増加し、海面水位は20世紀に比べて20cm上昇したことがわかりました。海は窒息状態にあり、私たちに残されている時間はわずかです」
SDGsの達成期限である2030年まであと5年と数ヵ月。各国、各市民の課題解決に向けた行動が喫緊に求められるなか、持続可能な開発目標14「海の豊かさを守る」への明確な姿勢を示しているのがプラダ・グループだ。本記事では、2020年から同グループが支援している若者向けの教育プログラム「シー ビヨンド(SEA BEYOND)」について紹介する。
2024年6月、イタリアのヴェネツィア市で開催された国連会議「海洋リテラシー世界会議」で、ユネスコ事務局長補兼ユネスコ政府間海洋学委員会(ユネスコ-IOC)事務局長のヴィダー・ヘルゲセンさんは警鐘を鳴らした。「ユネスコの『海洋環境の現状報告2024年版』によると、海の温暖化の速度は過去20年間で2倍に増加し、海面水位は20世紀に比べて20cm上昇したことがわかりました。海は窒息状態にあり、私たちに残されている時間はわずかです」
SDGsの達成期限である2030年まであと5年と数ヵ月。各国、各市民の課題解決に向けた行動が喫緊に求められるなか、持続可能な開発目標14「海の豊かさを守る」への明確な姿勢を示しているのがプラダ・グループだ。本記事では、2020年から同グループが支援している若者向けの教育プログラム「シー ビヨンド(SEA BEYOND)」について紹介する。
2024年にプログラムの規模を拡大。人道支援も
2024年に「シー ビヨンド」は第3弾を迎えた。「海洋と気候の相互関係と、それに伴う環境問題」というテーマのもと、世界56ヵ国から184校の中高生約35,000人が参加した。これまでと同様、学生たちはユネスコ-IOCの専門家によるオンライン授業を受け、自分たちで企画した啓発キャンペーンの作品をコンテスト形式で競い合う。
2023年夏以降、リサイクルナイロン素材を使った「プラダ リナイロン(Prada Re-Nylon)」コレクションの収益の1%が継続的に「シー ビヨンド」に寄付されることになったため、今回からプログラムの規模が大幅に拡大。従来の教育分野のみならず、海洋に関する科学研究や人道支援プロジェクトも始まった。その変化を象徴するのが、パリに本部を置くNGO団体「国境なき図書館(Bibliothèques Sans Frontières)」とのパートナーシップの締結だ。





