PART1でゼロ・ウェイストがなぜ必要か知識を取り入れたところで、PART2は実践編。できるだけごみを出さない暮らし、ゼロ・ウェイストを積極的に取り入れているサステナ賢者の皆さんに、どんなことに取り組んでいるのかを取材。4つのカテゴリー(FASHION/BEAUTY/FOOD/LIFESTYLE)別に紹介するので、自分に合うものを見つけて早速始めてみよう!
TIP1 ごみではなく資源として。回収サービスを利用 【FASHION】
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「コットンのキャミソールなど着古したインナーは雑巾に使ってから捨てています。どうしても捨てなければならない場合は、BRINGなどの回収サービスを利用してさまざまな方法でリサイクルすることを心がけています」(木村さん)
百貨店や量販店など、最近ではどこでも見かけるようになった回収ボックスを利用するのも手。BRINGは、古着に含まれるポリエステルはポリエステル原料にケミカルリサイクル、その他の素材も素材ごとに適した方法でリユース・リサイクルしている。
TIP2 “服を捨てない”という新しい取り組みにトライ!【FASHION】
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「最近見つけたブランドSyncs. Earthの循環購入。こちらは、利用しなくなった商品を返却すると、アップサイクルするか農園で土に還すという仕組みを取り入れています。私はパンツ2着を循環購入しました」(ノイハウスさん)
Syncs. Earthでは着なくなった服をアップサイクルしたり、土に還したりというサーキュラーエコノミーを実践している。
TIP3 買う、着る、修理する。消費サイクルをスローダウン【FASHION】
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「洋服はまず買うまでにきちんと考え、悩む時間を設けます。シミややぶれなどのダメージは、修理したりもしますが、むしろ個性が生まれたと前向きに受け止めることも。新品の靴は底張りをしてから履くと長持ちします」(eriさん)
スピード重視の大量生産・大量消費の価値観から離れるというのもゼロ・ウェイストの考え方。何かを買う前には本当に必要か立ち止まり、捨てる前にも修理できないか一考してみる。そのひとときが豊かな時間になるかもしれない。
TIP4 破けやすい靴下は丈夫な素材を選んで 【FASHION】
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「足の指が長くて靴下が破れることが多かったため、丈夫な靴下を探していたところ、GLEN CLYDEのLIFE LONG SOCKSを見つけました。強度のある素材を使用しているので頑丈なのですが、万が一破れたとしても永久保証で交換も可能。一年以上履いていますが破ける気配もなく、とてもキレイです 」(長澤さん)
コーデュラナイロンを混紡した独自の高耐久素材を使用した一足は、コットンソックスの6~10倍の強度を実現。
TIP5 容器回収しているブランドやノープラスチックのアイテムを選ぶ【BEAUTY】
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「スキンケアはWaphytoやWELEDAなど、容器回収をしているブランドのものを使っています。他にもプラスチックごみを減らすという観点で、ethiqueの固形シャンプーや固形石鹸を選択しています。歯磨き粉はココナッツオイルと重曹で自作してガラスジャーに入れています」(木村さん)
家庭から出るごみの60%以上(※1)を占める容器・包装を減らすのは、ゼロ・ウェイストライフの大きな一歩!
(※1)参考:環境省「容器包装廃棄物の使用・排出実態調査の概要(令和元年)」
TIP6 シャンプーはオールインワンを使う【BEAUTY】
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「オールインワンですむNaturalcosmoのトリートメントシャンプーを使っています。パッケージも一つになるし、流すのが一回なので節水にもなります」(長澤さん)
シャンプーとトリートメントは別々が当たり前だと思っていても、実は省ける工程であることも。Naturalcosmoのトリートメントシャンプーは、保湿成分がしっかり配合され、洗いすぎを防いでくれる。資源を無駄にしないために、身の回りのものを見直してみよう。
TIP7 マイ容器を持参して、昔ながらの個人商店で買い物【FOOD】
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「肉屋やパン屋など、マイ容器で買い物ができる個人商店を積極的に利用しています」(服部さん)
しょうゆ、みそなどの調味料や惣菜など、日本では昔から量り売りの専門店が多い。一度しか使わずに捨ててしまう容器・包装を減らすための店選びも大切。マイ容器を持参する場合は、事前に店に問い合わせ、どんな容器が必要か確認してみて!
TIP8 コンポストを活用して生ごみを削減・再資源化【FOOD】
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「コンポストは自作したキエーロとLFCコンポストを使っています。スペースに余裕がある家にはキエーロがおすすめです。コーヒーはフレンチプレス、お茶も茶葉を茶こしでこして、茶殻はコンポストに入れています」(木村さん)
生ごみ処理で注目のコンポストとは、生ごみなどを土に混ぜ込んで微生物の力で分解させる装置のこと。最近では自宅で手軽にできる形状のものも多く、採り入れやすくなってきている。
TIP9 農家から直接購入して支援&ごみ削減 【FOOD】
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「土や水に負担が少ない自然農法やオーガニックで栽培されている野菜が直接農家から届く野菜ボックスはおすすめです。梱包もできるだけなくすようお願いすれば、小規模農家の支援とごみ削減で一石二鳥!」(ノイハウスさん)
配送時のCO2排出を考慮して、近隣でサステイナブルな取り組みをしている農家さんを探してみるのも手。
TIP10 炭酸水を自分でつくってペットボトル削減【FOOD】
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「ペットボトルを買いたくないので、ソーダストリームを購入。おかげでペットボトルをごみに出すのが年に数回に!」(長澤さん)
日常的に炭酸水を飲む場合は炭酸水メーカーがおすすめ。中には専用ボトルを持ち運びできるものもあるので、出先でペットボトルを買う必要がなくなるのもうれしいポイント。
TIP11 不要なものをもらわないために会話で一工夫【LIFESTYLE】
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「スーパーのポリ袋や飲食店のおしぼりなど、断るときに気をつけていることがコミュニケーション!『ごみを出さないようにしているので、結構です』と丁寧なコミュニケーションを心がけています」(ノイハウスさん)
ただ断るだけでなく相手に気づきを持ってもらうためにも、なぜ要らないのかを説明することがゼロ・ウェイストの効果的なアクションにつながるはず。
TIP12 消耗品は長く、効果的に使える天然素材に置き換える【LIFESTYLE】
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「食器洗いにはびわこふきんを使用しています。石油系素材のスポンジや洗剤が不要になりました」(服部さん)
オーガニックコットンの落ち綿を原料にガラ紡績という昔ながらの織り機で織られたびわこふきん。でこぼことした不均一な繊維が油や汚れをしっかり絡め取るため、洗剤も不要。
TIP13 フリマアプリやオークションを活用する【LIFESTYLE】
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「大きなごみになりやすい家電や家具は、メルカリやヤフオクを利用しています。私はバルミューダのオーブンレンジ、ソファを購入しました」(eriさん)
今やサステイナブルライフに欠かせない、フリマアプリとオークション。新品を購入する前に、一度メルカリやヤフオクで調べてみるという人も多い。まずは新しいものを買わないことで大量消費を生まない行動を。
TIP14 不要なダイレクトメールは受け取り拒否! 【LIFESTYLE】
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「ダイレクトメールはすべて断っています。ポストに入ってきたものは封を開けずに『受け取り拒否。返送願います』と赤ペンで書き込み、サインして投函すれば、無料で返送してもらえます」(服部さん)
勝手に送りつけられて、その場ですぐにごみとなるダイレクトメールに終止符! 他にもチラシや広告を断るメッセージを書いてポストに貼っておくのもおすすめ。
TIP15 使わなくなったものは捨てずに寄付へ【LIFESTYLE】
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「不要になった日用品や衣類、化粧品はWORLD GIFTというNPO団体に送っています。寄付が最善かどうかは分かりませんが、活動報告を見て利用しています」(長澤さん)
災害や紛争などで寄付団体やNPO団体なども多くなり、本当に必要なところへ届けられる寄付はとても喜ばれるというのは確か。寄付されたものがどういう使われ方をしているのか事前に調べてから寄付することがおすすめ。
TIP16 割れた食器は金継ぎでアップサイクル! 【LIFESTYLE】
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「最近、金継ぎにチャレンジ! 今まさに数週間かけて取り組んでいるところです。すぐに捨てずに直すというマインドセットの大切さを感じています」(ノイハウスさん)
漆や金などで器の割れやカケをつないで修理する金継ぎ。壊れてしまったものを捨てるのではなく、新たな価値を加えて再利用するアップサイクルの一つとして人気を集めている。
TIP17 くり返し使える月経カップや吸水ショーツを使用【LIFESTTLE】
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「月経カップを使用するようになって毎月の生理用品のごみがほぼ出なくなりました」(服部さん)
女性が一生で消費する生理用ナプキンは膨大な数に。月経カップや吸水ショーツなど、フェムケアの分野でもごみを出さなくてすむアイテムが登場している。
TIP18 ○○専用はいらない! マルチな洗剤でごみ削減 【LIFESTTLE】
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「家中の洗剤を、ホタテの貝殻からできた618 scallop powderにリプレイスしました」(eriさん)
産業廃棄物であるホタテの貝殻をアップサイクルしてつくられたマルチパウダー。水に溶かすと塩基性(アルカリ性)が高まり、キッチンまわり、床、トイレ、風呂など、家中の掃除に洗剤として使用することができ、何種類もあった専用洗剤が不要に。天然成分100%ながら除菌・消臭効果も。使用後は、排水管や河川をきれいにしながら自然に還る。
TIP19 ネット通販の過剰包装は断る意思表示を【LIFESTTLE】
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「ネット通販の緩衝材のごみを減らせるよう、ワレモノでない場合は注文時に『破損してもクレームは入れないので緩衝材は一切入れないでください』と備考欄に書き込んでいます。そうすると、大体8割は入れないでくれます」(服部さん)
食品通販などで割れる心配がない場合は、過剰な包装は不要なもの。ごみになる前に意思表示を。
TIP20 資源をむだにしない昔ながらの掃除法にシフトチェンジ【LIFESTTLE】
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「掃除機を使わずに、お茶殻とほうきで掃除をしています。京都の老舗・内藤商店のほうきを愛用中」(服部さん)
適度に水分を含んだ茶殻が埃やチリを取り込んでキレイにしてくれるという昔ながらの方法で洗剤いらずのエコ・クリーニング。内藤商店のほうきは、職人が一つ一つ手作りで、使い込むほど味わいも出てくる逸品。長く使い続けることに価値を置くことがむだをなくす上でも重要。
家庭から出るごみを減らすことは、日々の暮らしからできる身近で始めやすいアクション。次回は、その家庭ごみの中でも特に問題視されている“生ごみ”を減らす取り組み、コンポストについて取り上げる。
【サステナ賢者プロフィール】
服部雄一郎・服部麻子
神奈川県、バークレー、南インドを経て、高知県の山のふもとに移住。ゼロ・ウェイストやギフトエコノミーを取り入れた暮らしを発信中。夫婦の共著に『サステイナブルに暮らしたい/ー地球とつながる自由な生き方ー』がある。
eri
「DEPT」オーナー、デザイナー。アクティビストとしてSNSで環境問題や社会課題に関する情報や疑問などを投げかけたり、サステイナブルなプロダクトをリリースしたりしている。
ノイハウス萌菜
サステナビリティ・コンサルタント、のーぷら No Plastic Japan代表、量り売りの店「斗々屋」の広報として活動。ラジオ局J-WAVE 81.3「STEP ONE」ナビゲーター。 社会活動の裏話を届けるポッドキャスト「BEHIND THE CHANGE」ホスト。
木村舞子
スタイリスト。百々千晴氏に師事し、独立。『Union magazine』のファッションエディターとしても活動。プライベートではサステイナブルなライフスタイルを目指すべく、日々模索中。
長澤葵
ヘアメイクアップアーティスト。美容師を経て石川智恵氏に師事し、独立。自然や旅が好きで各地の海で珊瑚が白化していることに衝撃を受け、自然災害や環境について独学で学ぶ。