ガニーが打ち出す「スカンジナビアン スタイル 2.0」とは?
エディター林 今日はガニーの魅力についてみなさんと語っていきたいと思います。さっそくですが、ガニーのイメージを聞かせてください。
スタイリスト早川さん 毎シーズン色があふれていて、柄も華やかで、北欧ならではのセンスを感じます。
エディター秋山 独特の色使いがデンマークらしいですよね。プレイフルだけれどロマンティックで、セシリー・バンセンとはまた違った路線のオプティミスティックなムードがある。以前つけ襟がマイブームだったときに、ヒョウ柄のピーターパンカラーを買いました。
早川さん ガニーといえば確かにピーターパンカラー! 私も大襟の白いブラウスを持っています。以前は日本で手に入れるのが難しかったけれど、最近はおしゃれなセレクトショップでよく見かけるようになりました。ブランド自体はいつからあるんですか?
PR宮田さん もともとはカシミヤニットの会社として2000年に創業したのですが、2009年に現在のクリエイティブディレクターのディッテとニコライ・レフストラップ夫妻が参加し、彼らがリブランディングしたことによって誕生しました。当時のコペンハーゲンでは、ボーホーシックとミニマリズムの2つのムードが主流だったのですが、いずれもディッテの思い描くスタイルにフィットしなかったんです。そこで彼女自身が着たいと思える服を作ろうと始めたのが、ガニーでした。彼らは自分たちのファッションを「スカンジナビアン スタイル 2.0」と呼んでいます。
世界的コミュニティにまで広がった「#GANNIGirls」
林 モダンで遊び心があって、クオリティもしっかりしているのに、手に取りやすいプライスなのが本当にうれしい! そういえば、ガニーはSNSのハッシュタグ「#GANNIGirls」も有名ですよね。この赤いニットを着ているおしゃれなガニーガールの写真をインスタで見たことがあります。
宮田さん 「#GANNIGirls」は、ケイト・ボスワースとヘレナ・クリステンセンがナイトアウトの際にたまたまおそろいのガニーの服を着てきたところを撮影し、その写真をSNSに投稿したのがきっかけで生まれました。そこから自然と増えていき、世界中のガニーファンがこのハッシュタグを付けて投稿するようになったんです。
秋山 今見たら、投稿数が9.2万件も(2022年11月23日現在)! 狙ってブランディングしたわけじゃなく、自然発生したというのがヘルシーでいいですね。ガニーガールズがエンパワーされていることのあらわれだと思う。
宮田さん これはディッテの言葉なのですが、ガニーにとって一番大切な要素は「自信に満ちた感情」です。体型や肌の色にとらわれず、自分に自信を持ってファッションを楽しむ女性たちにインスパイアされながら、クリエーションを続けてきました。つまり、ポジティブなマインドを共有する「#GANNIGirls」は、ブランドの原動力でもあるんです。単なるハッシュタグを超えた世界を股にかけるコミュニティとして、今もなお広がり続けています。