タレント・ラジオパーソナリティとして活動するIMALUさんは最近、フェムテックなど、女性の身体や生き方について話し合うオンライントークイベントをSNS上でスタートさせた。
自身が30代になり、結婚や出産、女性の働き方といったワードをより身近に感じ始めた中、「みんなでもっと自分の身体のことについて話したい」という思いから、音声配信SNSのClubhouseにて、気軽に話し合うトーク部屋「ネイキッドルーム(#ハダカベヤ)」を今年2月に開設。毎週土曜日22時から期間限定で配信しており、生理やPMS、セックスの悩み、脱毛、妊娠・出産やおっぱいのことなど、毎回決まったテーマについて、まるで友人と語り合うようにゲストやリスナーたちとゆるく話し合っている。
今回は、フェムテックショップ未体験のIMALUさんと一緒に、「未来の日用品」をテーマにユニークなプロダクトを集めた話題のセレクトショップ「New Stand Tokyo」を訪ね、フェムテックアイテムを見ながら、生理や性、身体のことなど、色々と語り合いました。
「フェムテックって何?」「膣トレって?」という思いを抱え、初のフェムテックショップへ
実は、つい最近まで「フェムテック」という言葉を知らず、ネイキッドルーム仲間である友人から教えてもらったというIMALUさん。女性が抱える健康問題を解決するものとして、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語と知り、とても興味を持ったそう。
様々なフェムテックアイテムが置かれているショップで中村さんから説明を受け、まず手に取ったのは骨盤底筋のトレーニングアイテム、エルビートレイナー。
「調べていて気になっていたんですが、膣トレって、そもそもなんですか? どんな人が必要なんでしょうか?」と興味津々。「膣トレは緩むと尿もれの原因にもなる骨盤底筋という筋肉を鍛えるトレーニング。エルビートレイナーはスマホと連動させ、ゲーム感覚で膣トレができます。産後の尿もれや子宮脱の予防になり、若い時からやっておくと効果的で、損はありません」と説明を受けると、「そうなんですね。アプリをダウンロードすればゲーム感覚で、スマホの画面で確認しながら、骨盤底筋のトレーニングできるのはすごいです。それにデザインも可愛い!」と驚きの様子。
アプリのサンプル画像
(エディターの膣トレ体験記はこちら)
他にも、シリコンボールを膣に挿入し、ベル型の重りで骨盤底筋を鍛えるケーゲルベルというシンプルなものもあり、膣トレアイテムは値段も種類も色々と用意されてます。「自分の悩みや目的など相談して選べるのはショップ訪問の魅力ですね」とIMALUさん。
使うと実感するデリケートゾーンケアの必要性
続いてIMALUさんも使っているというデリケートゾーン用ソープの話に。「ボディソープだとデリケートゾーンとのpH値が合わず、乾燥を引き起こす原因になるので専用ソープをおすすめしています」と中村さん。デリケートゾーンはおおよそpH4、顔やボディはpH6あたりなのに対し、ボディソープはpH9~11に作られているので、乾燥しやすいそう。pH値や洗浄力をデリケートゾーンとあわせてある、専用のものを使用するのがベターなんですね。
「EVEのオイルウォッシュなど、オイルベースのソープはきっちりと洗浄しつつ保湿力が高く、自分の好きな加減で泡をつくれるからこのショップでは人気ですね。泡状で出てくるRael フェミニン フォームウォッシュも便利」と中村さん。ソープだけでも保湿はできるものの、洗った後にはデリケートゾーン用オイルなどでさらなるケアをプラスするのもおすすめだそう。「明日わたしは柿の木にのぼる」のデリケートゾーン用オイルを手の甲でトライしたIMALUさん、「伸びが良くてベタつかないのがいいです!使ってみたい!」と、自分とお友達のプレゼント用に早速購入。
吸水性ショーツを購入! 不安だった月経カップは「思ったより怖くないかも」
そして話題は悩みの尽きない生理について。「月経カップ(※)に興味はあるものの、タンポンも苦手なのでまだ試せていませんでした。でも実際手にとってみると、思っていたより大きくなくて、これなら怖くないかも」と実物を見て安心したよう。(月経カップのフェムテック調査団メンバー体験記はこちら)
「今手にしているEVEミニサイズは、月経カップの着用経験がなく、膣の深くに指を入れるのに抵抗がある方におすすめです。容量は20mLで、女性の1日の平均的な経血量にあたります」という説明を受け、「改めて月経カップの大きさを見ると結構多いですよね…… 。これだけの経血量の中、私たちは働いたり、走ったり、生活しているんですね。大変ですよね。ロケの時など自由にトイレへ行けず、経血が漏れるんじゃないかと不安な時もあります」と自身も悩みがあるとIMALUさん。月経カップは災害時にも使えるアイテムとして注目されているという話にも「そんな用途もあったんですね!」と目から鱗の様子。
※膣内に挿入し経血をためるシリコン製カップのこと。
次は気になっていたという吸水性ショーツ(※)のコーナーへ。店内にずらりと並ぶショーツを見て、思わず「これで吸収するの!? 一日中もれない?」と驚くIMALUさん。「吸水性ショーツの定義は基本的に3層構造になっていること。吸収量に応じて薄めのものから厚めのものまであります。もし漏れてしまったら、量が多いだけではなく、形があっていない可能性も。ショーツ、ボクサー、Tバッグやレース付きなど、さまざまな選択肢がありますよ」と中村さんにおすすめされ、サイズやデザインなど悩んだ末に「肌に優しそう」という理由でEVEのオーガニックコットンショーツと日本発のPeriod.を自分用に購入。「自分に合うものを探せる選択肢があるっていいですね。欲しいものがたくさんありました。フェムテックについてはまだまだ勉強中で知りたいこともたくさんあるから、このNew Stand Tokyoのように気軽にアイテムを買える場所や機会が増えればいいなと思います」
気になっていたアイテムに触れたり、新たな可能性に出合うことができて満足げなIMALUさん。満を持した吸水性ショーツデビューの感想は、主催するネイキッドルームで聞くことができるかも。
※吸水性のある布をクロッチと言われる股の部分に何層も重ねたショーツ。生理中に履くだけで過ごせる。
(吸収性ショーツ7種18種類試し履き記事はこちら)
「身体や性のことについて、もっと気軽に話し合える環境を作りたい」
音声配信SNSのClubhouseで、女性の身体や社会のことについて気軽に話し合うトーク部屋「ネイキッドルーム」は誰でも参加することができ、IMALUさんがまるで友人と話すように、恋愛やセックスに関してリスナーと対話しているのが印象的だ。後半では彼女が「対話の場」を作ろうとしている目的や、パートナーとの性的関係のあり方など、IMALUさんが今感じていることを深掘って聞いた。
――なぜ今、女性の身体や私たちを取り巻く現状について、オープンな場で語り合いたいと思ったのでしょうか?
そもそも友人と原案を企画したのは2020年の初め。30代になり結婚や子供がいる将来をリアルに感じ始めたタイミングでした。女性の特有の身体の悩みや働く女性としての苦悩だけではなく、働く女性は強いとか料理ができないとだめとか、「世間の思う女性」と「実際に働く女性」のイメージのずれや、産む・産まないの選択の必要性を感じているときに、友人から「フェムテック」という言葉を聞いて「これだ」と思ったんです。イベントの企画はコロナ禍で延びてしまったんですが、ちょうど今年になってClubhouseが出てきて、これなら喋りやすいなと思ったんです。
また、女友達と喋っていると、身体や生理に関する悩みの話題って尽きないんですよね。それだったらみんなで話し合って、サポートしあえる場所を作ってみたいなと。ネイキッドルームの目的は意見を押し付けるのではなく、選択肢を増やすことにあります。私たち企画者の中でも意見は違うし、いろいろな価値観を知って、話し合うのが大切だと思うんです。
――すでに10回配信(※)されているそうですが、ネイキッドルームで一番盛り上がった話題は? ※2021/4/29時点
妊娠出産をテーマにしたときかな。ママさんをゲストとして呼んだら、出産していない人では知り得ない「出産の時ってトイレはどうするの?」といったリアルな質問などがリスナーから絶えませんでした。卵子凍結の体験者が「出産への焦りやストレスがなくなった」と語っていた時は、私自身、時が来たら真剣に考えてみようと思ったり。こうして知らないことに出合ったとき、自分自身の身体に関してあまり勉強してこなかったなと、改めて気づきました。
――なぜ「勉強してこなかった」と思ったのでしょう?
女性の身体や心が傷つけられる場面って驚くほどたくさんあって、それに対して声をあげる人やその人たちに共感する人が世界中で増えていますよね。そういう人を見ていたら、過去を振り返った時に「あの時もっとパートナーに考えてほしかった」と思うこともいくつかあったんです。でも今になってそう思うということは、当時の自分が勉強不足だったかもしれないとも感じ始めて、学ぶことの大切さに気がつきました。
セックスに関して言うとティーンエイジャーの時はバージンかどうかで焦ったり、少し大人になると好きな人に求められることには応えなきゃと思ったり。例えば「コンドームをつける・つけない」とか「こっちは気分が乗らないのに頑張らないといけないのかな」といった場面で、「NOと言ってもいいんだよ」ということを早く知りたかったし、みんなに知って欲しい。男女ともに等しく、年齢にそった性教育を受ける機会があったほうがいいと思います。
――パートナーと性的同意に関して話したことはありますか?
私はオープンに話すタイプですが、NOと言えない気持ちもわかります。だけど自分が嫌だと思うならNOと言っていいし、それは何も間違ってないんですよね。私の場合はパートナーとは「一緒に関係を作っていく」という感覚があるからかもしれません。今までの経験はお互い違うし、このパートナーとだから知ることができる楽しいことや気持ちいいことってあると思います。お付き合いをする中でセクシャルウェルネスって大切な部分だと思うから、良好な関係を築くためにも、お互い素直な気持ちを話したほうがいいですよね。話しにくい話題は、ドラマや映画などをきっかけにするのがいいのかもしれません。
――例えばどんな風に?
素敵なキスやベッドシーンを見ながら、「ああいうの素敵だね」とか。苦手なシーンがあれば「こういうのされたら嫌だよね」とお互いの意見を交換しやすいムードをつくれると思うんです。
――確かに、ドラマからっていいですね。SPUR.JP読者にセクシャルウェルネスに関連する映像作品のおすすめはありますか?
Netflixで配信されているドキュメンタリー『クリスチャン・アマンプール:世界の恋愛&セックス』は面白く興味深かったですね。 エピソードごとに各国の性に対する理解や意識を取材しているので、日本との差や世界における問題点などもわかり、知識を深めるのに役立つし、わかりやすいです。あと、Netflixオリジナルドラマ『セックス・エデュケーション』かな。いわゆるティーンドラマですが、セックスだけではなくジェンダーや家族の関係など、10代ならではの悩みをテーマにエンタメ要素を盛り込みつつ問いかけています。イギリスの田舎町が舞台で、ファッションが超可愛いのも見逃せないポイント。 昔見ていた海外のティーンドラマって、ブロンドの女の子はいじめっ子で、オタクの男の子がいて、イケてるアメフト部の子がいて…… みたいな典型的な構図が多かったけど、このドラマはそういう固定観念がないのがいいんです。こういうドラマをティーンの時に見たかった!
――IMALUさんは今回フェムテックショップに来るのは初めてとおっしゃっていましたが、セクシャルショップなどに行かれたことはありますか?
海外で暮らしていた時に好奇心で友だちと行ったことはありますが、ただ眺める感じで終わりました。
――今回のフェムテックショップ体験はいかがでしたか?
実際に見たり触れたりするとイメージが変わりますね。また、今回、ショップの中村さんとのお話が楽しいし、明るくなんでもオープンに話してくださるので、こちらも話しやすくて、本当にいいですね。もっとお話ししていたい気分です。「New Stand Tokyo」はセレクトショップなので、おしゃれな日用品も置かれていて入りやすいですよね。それがいいなと思いました。
――お話しした中で、何が気になりましたか?
色々と気になるものはありましたが、アメリカの女性ふたりがつくったプレジャートイ、Dame Productsの販売システムの話です。アメリカ国内の話ですが、オーダーして使ってみて、満足できない場合は返品できて、その際に記入したアンケートで、好みにあいそうな別の商品を送ってくれるというのに、驚きました。セクシャルウェルネスはアメリカでは本当に進んでいるんですね。
――最後に、「ネイキッドルーム 」や自身の発信を通して、実現したいことはありますか?
「ネイキッドルーム」は友達との会話から始まったので、最初は一人二人に聞きにきてもらえればいいと思っていたけど、リスナーも増えて取材もしてもらって、繋がりがどんどん増えました。対話やコメントのやり取りを通して、みんなも同じ気持ちなんだということを日々感じています。今は少しずつ女性たちが色々な想いを吐き出せるようになり始めている感じがありますよね。ネイキッドルームはまだ小規模だけど、少しでも多くの人がホッとできて、笑える時間を提供していきたい。女性たちがお互いをサポートしあえる世の中になっていけばいいなと思います。
IMALU
1989年生まれ。語学を学ぶためカナダの高校へと留学し、帰国後にファッション誌にてモデルデビュー。現在はタレントとして、TVやメディアで活躍中。毎週土曜日22時から音声配信SNSのClubhouseにて、生理や恋愛、妊娠やセクシャルウェルネルのことなど、女性の身体や社会・生き方について気軽に話し合うトーク部屋「ネイキッドルーム」を期間限定で配信中。TWITTERとINSTAGRAMで#ハダカベヤでみんなの悩みや相談、感想などを募集しているので、ぜひ参加を! instagram:IMALU / LULU X (imalu_0919)
photography:Koomi kim
New Stand Tokyo
東京都港区六本木 7 丁目 2 番 8 号 WHEREVER 1F
営業日や時間はHPにて確認ください。https://newstand.jp/
【覚えておきたいフェムテックプロダクトリスト】
【膣トレ】尿もれなどを防ぐ、骨盤底筋トレーニング
骨盤底筋トレーニング=ケーゲル体操が手軽にできるトレーニングアイテムのセット。膣内にボール部分を挿入し、そこからぶら下がる重りで負荷をかけることによって骨盤底筋を鍛えることができる。30g、60g、120gの3種類の重りと大小の2種類の本体ボールがセットになっているので、自分のコンディションに合わせて使うことも可能。慣れてきたら歯磨きやドライヤーの最中など、ながらトレーニングも楽しめる。
【月経カップ】女性たちの声を反映させたカラフルタイプ
スクーンカップはオーガニックコットンの布ナプキンなどを手がけるブランド「スクーン」が2013年に発売した月経カップ。度重なるバイオテストと日本人女性を含む何百人もの女性モニターの声を聞き、3年かけて既存の月経カップの不満点をひとつずつ改良することで誕生した。医療グレードのシリコーン製で、カラフルな8色展開。
【月経カップ】豊富な種類を誇るドイツ発月経カップ
メルーナはドイツ発の月経カップ。審査の厳しいドイツの医療機器や赤ちゃんの哺乳瓶の乳首に用いられる低アレルギー性TPEを使用し、日本の医療機器としても正式に認可されている。サイズはS〜XL、クラシック、スポーツ、ショートサイズなど、豊富な種類がラインナップ。洗浄用のアイテムなども取り揃えており、月経カップを初めて使う人に便利なセット販売も。
植物由来の成分を使用した泡状デリケートゾーン用ソープ
3人の韓国系アメリカ人女性によって設立されたナチュラル生理ケアブランド、Raelが手がけるデリケートゾーン用ソープ。オーガニック認証COSMOSを取得し、8つの植物由来成分を使用した敏感肌にも優しい処方がポイント。泡状で出てくる使いやすいプッシュタイプなので、いつものケアにさくっとプラスできる。
【デリケートゾーン用ソープ】動物実験をしていないヴィーガンボディソープ
植物由来成分でできたEVEボディソープはデリケートゾーンにも使えるため、これ一本で全身をケアできる。動物実験をしていないヴィーガン製品という特徴も。化学加工をせず、本来の栄養素が維持されたサトウキビ由来成分のスクロースが肌の汚れや古い角質を洗い流し、ココナッツオイル(ヤシ油)が洗い流したあとの乾燥からお肌を守ってくれる。
【デリケートゾーンケア】柿の果皮から抽出した成分を使用したフェミニンミスト
ムレや匂いなど、デリケートゾーンの不快感をクリアにしながら保湿成分でうるおいを与えるミスト。石油系界面活性剤や防腐剤、鉱物油は使用せず、平種無柿と蜂屋柿の果皮から抽出した成分に加え、厳選した植物由来成分を使用したシンプルな処方にこだわっている。デリケートゾーンに直接スプレーしたり、気になる部分の拭き取り用に使ったり、マスクの外側にかけてリフレッシュスプレーとして使ってもOK。同シリーズにはオイルやミルクもラインナップ。
【吸水性ショーツ】親子で使えるサイズ展開豊富なベア
平均的な2日目の量、30-50mLの約3倍にあたる120mLの吸収量を誇る吸水性ショーツ。吸収・抗菌・防臭加工を施した5層のテクノロジー構造で、横漏れ防止のテープが日常のアクティブな動きにも対応してくれる。S〜3Lを取り揃えた大人用に加え、140〜160のジュニアサイズ「ベア ペティート」も登場。大人用は視覚的ストレスを軽減するため、黒色の吸収体。吸収場所や量を確認して、自分の隊長や上手な付き合い方を学べるよう、ジュニアサイズはグレーの吸収体になっている。
【吸水性ショーツ】日本発のおしゃれな吸水性ショーツPeriod.
日本発の吸水性ショーツブランドPeriod.は、機能性はもちろん手持ちのランジェリーともマッチするようなおしゃれなショーツがラインナップ。防臭抗菌加工の生地を使用した4層構造で、肌に当たる部分は速乾吸水素材を採用しているためデリケートゾーンへの負担も軽減。サイズはSからXLまで揃え、選択肢が豊富なのも嬉しいポイント。