ピンチは突然やってくる! 予期せぬタイミングで生理になってしまったり、避妊に失敗してしまったり。そんな時はどうすれば良いだろう? スマートフォンひとつで答えにアクセスできる時代だからこそ、信頼できる情報源や頼りになる場所を知っておいて損はないはず。いざという時に役に立ったり、誰かにシェアしたくなる、身体まわりの困り事を助けてくれる3つのサービスを紹介。
個室トイレに設置! 生理用ナプキンの無料提供サービス【OiTr】
出先で急に生理がきてしまい、ナプキンなどフェムケア製品を持参してなかった時…… 駆け込んだトイレにOiTr(オイテル)があればもう安心。OiTrは個室トイレに設置してある、生理用ナプキンの無料提供サービスだ。無料の専用アプリをダウンロードし、個室内に設置してあるデジタルサイネージ付きのディスペンサーにかざすと、生理用ナプキンが自動で一枚出てくる。
サービスは2021年8月末に本格スタートし、アプリは10万ダウンロードを突破。日本全国のショッピングモールや学校、公共施設、オフィスなどに1,500台以上が設置されている(※)。アプリをディスペンサーにかざした際、婦人科系、薬品メーカーといった親和性の高い企業広告が数十秒流れるため、広告収入によって無料配布が成り立つという仕組み。
(※)2022年4月現在
「日常的に必要となるサニタリー用品という意味では、生理用品はトイレットペーパーと変わらないはず」と考え、生理用ナプキンの無料提供を目指すOiTr。その名前の由来は「One in The restroom(個室トイレにあるべき大切な一つ)」の頭文字だというから心強い。自分の行動範囲にOiTrが設置されているかチェックして、事前にアプリをダウンロードしておくと、もしもの時に助かるかも。
妊娠や性に関する悩みを相談できるオンライン相談サービス【ピルコン】
「もしかして妊娠したかも?」「生理が遅れていて心配」。もしそんな悩みや疑問があれば、NPO法人ピルコンの無料オンラインサービスに頼ってみるのも一つの手。ピルコンは産婦人科医や性教育研究者などのさまざまな専門家と連携し、科学的に正確な性の知識と人権尊重に基づく情報を発信している非営利団体。性教育に関する講演や教材製作など性の健康に関する啓発や、政策提言の活動を行っている。
ピルコンが無料提供している「ピルコンにんしんカモ相談」は、避妊や検査、支援先などの妊娠・出産に関する正しい情報を自動で即答してくれるLINEアカウント。1万人以上がLINE友だちに登録しており、1割が10代、7割が20代だ(※)。ユーザーからは「医師などの専門家が監修しているので、検索するより信頼性の高い情報にすぐにアクセスできる」「解説がわかりやすい」といった声が寄せられている。
※2022年4月現在
LINEのトーク画面で「相談を開始する」ボタンを押すと、「妊娠に失敗したかも」「生理が遅れている」「相談先を知りたい」といった選択肢が表示される。選択肢を選んでいくと、これからどうすれば良いか、具体的にどこに相談すれば良いかなどの回答が自動返信で即座に得られる。例えば、よく寄せられるという「避妊に失敗してしまった」という相談には、
「妊娠が不安な性行為から72時間以内の場合は緊急避妊薬を」、「生理が遅れて妊娠が不安」という相談には、「生理予定日から1週間たっても来ない場合は妊娠検査薬を」という回答が得られ、近くの薬局や産婦人科をマップ検索することもできる。
現在ピルコンでは、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ=性と生殖に関する健康と権利)を実現するために、緊急避妊薬を薬局で入手できるように求める政策提言の活動を行っている。将来的には女性だけではなく、男性や多様なセクシュアリティの方も対象とする、若者の性の健康の相談窓口を広げていきたいそう。万が一の時だけでなく、知っておくと自分や誰かのためになる情報を得られるので、登録しておこう!
ピルコン
https://pilcon.org/help-line/contact
コンドームを店頭で無料配布しHIV/AIDSの問題に取り組む【アニエスべー】
フランス発ファッションブランドのアニエスべーは、HIV/AIDSの予防と撲滅に長年関わってきた。1995年にはパリのアニエスべーショップにて、HIV/AIDSと戦える手段のひとつであるコンドームの無料配布をスタート。世界で毎年約6万個のコンドームが配られている。日本では国内の一部店舗にて、コンドームの無料配布を通年で行なっている。2013年にはコンドームのパッケージデザインを募集するワールドワイドプロジェクトを実施し、世界でこの活動を広めた。デザインはSNSを通じて一般公募され、採用されたデザインはコンドームのパッケージに描かれ配布された。
全世界で150万個以上のコンドームを配布し、社会課題に取り組んできたアニエスベー。季節に応じてコットンやウール素材で作られる“赤いマフラー”の販売を1988年から行っており、その収益をエイズ患者を受け入れる組織や病院に寄付するという活動も行なっている。店舗に訪れた際は、ぜひこの取り組みに参加し、広めてみて。
【コンドーム配布対象店舗】※2022年4月時点
青山店、渋谷店、銀座Rue du Jour店、心斎橋大丸店、オム名古屋パルコ店、京都BAL店、アニエスベー ギャラリー ブティック
agnès b.
https://www.agnesb.co.jp/