フリーランスのプレスとして活躍する森次まりなさんが祝福の一日に選んだのは、重要文化財「自由学園明日館」。洗練されたロケーションで心地よい空間を作り上げた、自然体の結婚式に密着。
Profile:森次まりなさん  
フリーランスPR。広告制作の分野で活動中の阿部遼さんと2023年11月4日に結婚。「自由学園明日館」にて、ゲスト約50名を招いたウェディングパーティを開催した。

「自由学園明日館」が舞台。プレス・森次まのタイトルイメージ

「自由学園明日館」が舞台。プレス・森次まりなさんのクラシカルウェディング【ハッピーストーリーvol.93】

フリーランスのプレスとして活躍する森次まりなさんが祝福の一日に選んだのは、重要文化財「自由学園明日館」。洗練されたロケーションで心地よい空間を作り上げた、自然体の結婚式に密着。
Profile:森次まりなさん  
フリーランスPR。広告制作の分野で活動中の阿部遼さんと2023年11月4日に結婚。「自由学園明日館」にて、ゲスト約50名を招いたウェディングパーティを開催した。

 

リラックスして楽しむ、名建築での結婚式

三角にせり上がった屋根のシルエットに、縦長の窓と幾何学的な建具の装飾が目を引くデザインが魅力的。
三角にせり上がった屋根のシルエットに、縦長の窓と幾何学的な建具の装飾が目を引くデザインが魅力的。

アパレルブランド「プラージュ」など、人気ブランドのPRを手がける森次まりなさん。夫の阿部遼さんもPR業でブランドのルックを制作するなど、クリエイティブな分野に携わるふたりが選んだ会場は、池袋・目白にある「自由学園 明日館」。2021年に築100年を迎え、巨匠建築家フランク・ロイド・ライトが設計した学校建築は“活用保存する”ことを前提に重要文化財の指定を受けた、稀有な名建築だ。 

まりなさん:「重要文化財で挙式をしたいとふたりでイメージしていたのですが、明日館を訪れてすぐ、ここしかない!と直感で決めました。当時住んでいた自宅のムードにどことなく似ていたところも、後押しとなりました」。 

まりなさんが目指したのは心からくつろげる、ホームパーティのようなウェディング。装飾や演出など細部に工夫をちりばめたプログラムで、ゲストの笑い声が響く温かな一日を作り上げた。

フランク・ロイド・ライトの初期の作風「プレーリースタイル(草原様式)」を代表する建築が美しい。
フランク・ロイド・ライトの初期の作風「プレーリースタイル(草原様式)」を代表する建築が美しい。

建築の特徴は、水平線を強調した屋根、窓やドアなどに多用されている幾何学的デザイン。当時は食堂として使用されていた部屋をパーティ会場に、柔らかな日が差し込む中でゲストをもてなした。  

会場装飾のインスピレーションはふたりのマイホーム。植物に囲まれた自邸のエッセンスを取り入れ、大きなオリーブの木やお気に入りのフラワーベースなどを気の向くままにディスプレイ。ゲストから「家に遊びに来たみたい」と言われたとか。

「この日のために特別に購入したり、用意したものはほとんどないんです。日ごろから愛着を持つアイテムに囲まれると、自然と自分たちの気持ちが落ち着いてリラックスできました」。 

愛着のあるアイテムが、ふたりの日常を感じさせる。
愛着のあるアイテムが、ふたりの日常を感じさせる。写真はフォトグラファー・松木宏祐さんの撮影によるもの。

笑顔と歓声に包まれた感動のセレモニー

お互いに作ってきた誓いの言葉を読み上げ、承認の拍手で祝福された。
お互いに作ってきた誓いの言葉を読み上げ、承認の拍手で祝福された。

セレモニーの会場は、懐かしさと気品を感じられるミニマムな講堂。ふたりが同時に入場すると、ゲストからは大きな拍手と歓声で出迎えられた。 

「全員が楽しめる“参加型パーティ”をコンセプトにしていたのですが、入場から大盛り上がりで(笑)。おめでとう、と声を掛けてくれるゲストの温かさに触れて、セレモニーの始まりから感動していました」。

リングボーイには共通の友人男性を指名し、思わぬキャスティングに笑いが起こるワンシーンも。ふたりの縁を結んだ友人に結婚証明書のサインをお願いするなど、固定概念にとらわれないオリジナリティ溢れる人前式を楽しんだ。

シンプルなデザインに惹かれて選んだカルティエのリングとハムのブレスレット。
シンプルなデザインに惹かれて選んだカルティエのリング。まりなさんはゴールド、遼さんはプラチナをセレクトした。

マリッジリングはカルティエのシグネチャーであり、タイムレスな魅力を放つ「ソリテール 1895」リングをセレクト。  

“婚約指輪はいらない派”のまりなさんに彼が贈ったのは、ハムのブレスレット。プロポーズにはふたりらしい素敵なエピソードが。 
「その日は私の誕生日で、自宅で彼がフルコースのディナーを作ってくれて。デザートの後には私に宛てた手紙を読んでくれたんです。さらに、いつか自分で買おうと決めていたブレスレットまで用意してくれたことに驚くばかりで、プロポーズだって気づいていなかったのも、よい思い出です(笑)」。

憧れのドレスで魅せるリュクスなスタイル

ヘア&メイクアップはファッション雑誌等で活躍する加藤志穂さんが担当。
ヘア&メイクアップはファッション雑誌等で活躍する加藤志穂さんが担当。

大学で服飾学を専攻していたというまりなさん。セレモニーの際に披露したドレスは、イタリア発のドレスブランド「アントニオ・リーヴァ」のもの。素材の美しさを存分に堪能できるシンプルなドレスは、今季ブームの兆し。 

「ゼミの卒業制作でウェディングドレスを作ることを選び、その際に参考にしていたのがアントニオ・リーヴァのドレス。立体的でボリューム感のあるシルエットと洗練されたデザインが本当に美しくて、いつか着てみたいという願いがかないました」。  

ヘアスタイルは重めのバングスを合わせて、スパイスを加えたスタイリングを披露した。

カラーのワインレッドとケイトウをアクセントに、秋らしさが際立つシックなブーケ。
カラーのワインレッドとケイトウをアクセントに、秋らしさが際立つシックなブーケ。
イスラエルのデザイナーが手がけるブランド「DANA HAREL(ダナハレル)」のモードな一着にイメージチェンジ
ジュエリーデザイナーである叔母が成人のお祝いに贈ってくれた、ダイヤモンドのイヤリングを耳もとのアクセントに。

パーティの途中からはイスラエルのデザイナーが手がけるブランド「DANA HAREL(ダナハレル)」のモードな一着にイメージチェンジ。前髪を流してタイトに仕上げたヘアスタイルで、きちんと感とモダンさを漂わせた。

 「コルセットのボディがたまらなく好みで一目惚れでした。後ろから見たときの、バルーンのようなシルエットもポイントです」。 

大胆に開いたオープンバックのデザインが、バックススタイルを美しく演出。
大胆に開いたオープンバックのデザインが、バックススタイルを美しく演出。

一体感を楽しむ気軽な食事会

ゲストとの距離が近いパーティでは、ゆったりとした時間を楽しんだ。
ゲストとの距離が近いパーティでは、ゆったりとした時間を楽しんだ。

パーティではメインテーブルを設けず、ゲストの近い場所にふたりの席をセッティング。いつでも気軽にゲストと会話ができるようにするほか、80年代のアメリカのレストランで聞けそうなBGMをセレクト。カジュアルダイニングで食事をするようなムードを演出した。 

「母が好きなQueenから多めにセレクトしました。ケーキ入刀では『We Are The Champions』のサビとタイミングを合わせたりと、ちょっと笑えるような要素も織り交ぜています」。

まりなさんのイメージでオーダーしたというケーキ。
まりなさんのイメージでオーダーしたというケーキ。シンプルなクリームにさりげなく金箔をあしらった上品なデザイン。
見た目にも楽しい料理の数々は、ゲストにも大好評!
見た目にも楽しい料理の数々は、ゲストにも大好評!

彩り豊かなフレンチのフルコースに舌鼓を打ちつつも、余興として用意したのは「テーブル対抗 クイズ大会」。ふたりの日常生活の中から出題し、同じテーブルのゲストが相談して回答するルールにしたところ、会場は大盛り上がり。 

「地元仲間、東京の仲間など関係性を超えて、ゲスト同士が会話をしている姿を見られたのがうれしかったです! あえて手作り感満載のゲームを選んだのですが、予想以上に和やかなムードになりました」。

ふたりが大好きな「AMBESSA」のオーガニックドライフルーツ
ふたりが大好きな「AMBESSA」のオーガニックドライフルーツを、見送りの際のプチギフトに。
カリグラフィーが趣味というまりなさんの母が制作したウェルカムボードがゲストを出迎えた。
カリグラフィーが趣味というまりなさんの母が制作したウェルカムボードがゲストを出迎えた。
明日館のモダンなイラストが可愛いエコバッグには、明日館オリジナルのクッキーや、まりなさんが好きな「卵かけごはんセット」などをコンパクトにセット。
明日館のモダンなイラストが可愛いエコバッグには、明日館オリジナルのクッキーや、まりなさんが好きな「卵かけごはんセット」などをコンパクトにセット。

 

周りからの愛に気づいた、かけがえのない一日

ウェディングの準備を進める中で、パートナーの遼さんとの感覚の近さを実感するなど、たくさんの“気づき”があったそう
ウェディングの翌日は、ユニークな遼さんの提案でディズニーリゾートへ。非日常感の世界で、挙式後のハッピーな余韻をあますことなく楽しんだ。

ウェディングの準備を進める中で、パートナーの遼さんとの感覚の近さを実感するなど、たくさんの“気づき”があったのだとか。
「一番大きく感じたのは、自分たちがどれだけいつも素敵な人たちに囲まれ、愛され、そして幸せなのかということ。今まで受け取ってきた愛情を、また周囲の人たちにお返しできるように生きていきたいです」。 
アウトドアが好きなふたりらしく、休日は緑あふれる郊外でのライフスタイルを楽しんでいるまりなさん夫婦。 「自分自身も楽しみながら、いろんなクリエイティブに携わっていきたい」と意欲的に語ってくれた。

[WEDDING DATA]
挙式会場:自由学園明日館  ドレス:アントニオ リーヴァ 、DANA HAREL