コロナ禍の停滞ムードが過ぎ去り、ようやく勢いが戻ってきた海外ウェディング。待ち焦がれた夢をセンスよく叶えるには、まずは感性が合うプランナー&フォトグラファーを知ることから。モードな結婚式やフォトウェディングを叶えてきた注目の5名を早速チェック!
世界のクリエイターを味方に理想のウェディングを/ハワイ・パリ
[01:プランナー 小林直子さん]
“プランナーのデビュー作は自身のウェディング”。当時、自身の結婚式を作り上げる日々で感じた胸の高鳴りが今でも原動力に繋がっていると語る、プランナー歴20年以上の小林直子さん。結婚を機に移住したハワイでの人脈を基に、現地でのウェディングを中心に活躍。近年はヨーロッパの結婚式も意欲的に手がけている。
小林直子さん:「5年ほど前からヨーロッパにも積極的に足を運んでいます。実際に訪れたからこそ出合える素晴らしいアーティストが各国にはたくさんいて! その方々と創るウェディングは、準備期間からワクワクするような時間を感じてもらえると思います」。
ウェディングを作る上でよく耳にする、基本プランや提携ショップの縛りは一切なし。小林さんのプランニングするウェディングは、すべてがゼロベースからスタートする。
小林直子さん:「決められた提携先がないので、世界中どこからでもアーティストを呼べるのがオーダーメイドウェディングの特権です。大掛かりな装花やテーブルコーディネートだけでなく、ゲストへのプチギフトや、メニューカード・席札などのペーパーアイテムまで、デザインはすべて一から製作。最初のカウンセリングでおふたりの希望イメージやご予算、ゲストの年齢層などもしっかりとヒアリングすることで、ひとつひとつ、丁寧におすすめのスタイルをお伝えしていきます」。
一時は停滞ムードが漂っていた海外ウェディング。その中でも近年の記憶に残るウェディングとして語ってくれたのが、度重なる延期を経てようやく実現したパリでの結婚式。
小林直子さん:「久しぶりのパリでのウェディング。まず南国のハワイより断然花がフレッシュで、種類の多さにも改めて感激しました! テーブル装花は個人的にも大好きなモカとベージュのコンビネーションで、柔らかい大人の世界観を表現。このエレガントな雰囲気が、パリにはよく似合います」。
これまでにハワイ、NY、フランス、マルタ島、ギリシャ、スイスと多くの国々でウェディングを手掛け、各国に人脈を持つ小林さん。現在の各国のウェディング状況を尋ねると、うれしいコメントが。
小林直子さん:「海外でのウェディングもいよいよ本格的に再始動していて、各国とても賑やかでお祝いムードにあふれています! 才能あるクリエイターと一から作り出すウェディングを、共に楽しんでいただけたらうれしいです」。
「Wedding Scenes」Planner小林直子さん
結婚を機にハワイに移住。現地でウェディングプロデュースのノウハウを学び、ウェディングプランナーとして独立。オーダーメイドスタイルの結婚式が人気を呼び、現在は日本や世界各地で、プレ花嫁のためにプランニングアドバイスを行うワークショップなども開催。著書『世界一素敵なウェディングシーンのつくり方』(集英社)も発売中。
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デュアルライフを活かして海外の“リアル”を祝宴に宿す/ハワイ・カリフォルニア
[02:プランナー 長野真季さん]
2015年から日本とハワイで二拠点生活をするウェディングプランナーの長野真季さん。2004年にブライダル業界に転身する以前は、インテリアコーディネーターとしてセンスを発揮。その感性は手掛けるウェディングのテーブルコーディネートや、空間デザインの隅々に今も生きている。
長野真季さん:「コンセプトに沿って世界観を創り上げていく。実はインテリアコーディネーターとウェディングプランナーはとても似ていると思います。ロサンゼルスに4年間住んでいた時は現地でのウェディングをメインに、ハワイに越してからはオアフ島やハワイ島での結婚式を中心に手掛けています。日本にも2カ月おきに帰国しているので、日本でのお打合せも異国での式当日もしっかり立ち会います。そこは安心して準備を進めて頂けると思います!」
“ハワイらしさが感じられる、家族だけの結婚式を行いたい”。パンデミックが少し落ち着いた頃にきた依頼にハワイ在住の長野さんが提案したのは、ローカルの人々が大切にする“マナ”が息づくウェディングスタイル。
長野真季さん:「セレモニーの場所に選んだのは、自然や生命のエナジーに満ちたパーク。音楽はウクレレのレジェンドと呼ばれる方にお願いし、お祝いにフラを踊る、まさにハワイの風土やカルチャーを肌で感じてもらえる挙式です」。
また過去にはリゾートのオフシーズンを狙って、カリフォルニアで50部屋のホテルを貸し切って行う2泊3日の滞在型ウェディングを実現。海外に住み、現地のムードを熟知しているからこそ生まれる、大胆なアイデアも長野さんの大きな強みだ。
今後も日本とハワイを中心にウェディングを手掛ける一方、ハワイ島の邸宅ウェディングのプロデュースも新たにスタート。マカダミアナッツの木が200本以上生い茂る大自然に囲まれた邸宅は、ハワイの“リアル”を求めるカップルにもリコメンドしたい祝福の場に。
長野真季さん:「ハワイ島は日本から直行便も出ていて、邸宅のオーナーも日本人で安心です。臨場感ある海外らしいフォトウェディングを求めるおふたりにもおすすめです!」。
「BY TWO TEMPOS inc.」Planner長野真季さん
2004年にインテリアコーディネーターからウェディングプランナーに転身。著名人のウェディングも多数手掛け、1,000組以上の結婚式に携わる。現在は日本とハワイの二拠点をベースに活動。コーディネート力を生かし、ホテルのコンサルティングや、マンションや店舗、パールブランド「マルレナ」のデザインまで幅広く活躍。
非日常のリゾートに浸る、南国ステイウェディングの提案/カンボジア
[03:プランナー 石村文花さん]
海外ウェディングに惹かれる多くのカップルが求める“非日常感”。その感覚に数日かけてどっぷり浸かれるステイウェディングを手掛けるのが、プランナーの石村文花さん。パンデミック以降は伊勢志摩「アマネム」での結婚式をプロデュースするなど、国内外問わず大人のリゾート地に精通した存在だ。
石村文花さん:「海外カップルの結婚式をお手伝いしていたこともあり、いわゆる半日で行われる日本式のウェディングにとらわれない、日をまたいで行う海外式のステイウェディングも積極的に提案しています。たとえお手伝いしたことがないエリアでもリクエストがあれば、その国を訪れ現地で打ち合わせをし、結婚式の実現へとポジティブに進めていきます」。
近年では海外ウェディングの舞台としては珍しい、カンボジアで2泊3日のウェディングを担当。初日はレストランでのウェルカムパーティから現地のクラブでダンスパーティ、翌日からはホテル「Phum Baitang」を貸し切り2日間通してのパーティを開催するなど、壮大なスケールのウェディングを演出した。
石村文花さん:「初日はあえて街の雰囲気を楽しんでもらうために、街のレストランでゲストをお出迎え。2日間開催するホテルでのパーティは、その移り変わりも楽しんでもらえるよう、日によってコンセプトをシフト。ドラマティックな打ち上げ花火や、カンボジアならではのアプサラダンスのショーケース、海外のDJを呼んだダンスパーティ、またサーカス団も招くなど、エンターテインメント性も高いプログラムに。多くのゲストに喜んでもらえた、最高にエキサイティングなウェディングでした!」。
ダイナミックな演出アイデアについつい目が行きがちだが、当日までに交わされるスタッフとの丁寧なコミュニケーションも、石村さんの大きな魅力。全ての資料を英語版・日本語版の両方で作成して現地スタッフとイメージを明確に共有するなど、海外ならではのトラブルが起こらないよう、晴れ舞台に向けて抜かりはない。
石村文花さん:「カンボジアの次は、今回会場にした「Phum Baitang」の姉妹ホテルがあるベトナムや、フィリピンもお気に入りのホテルがあるのでぜひトライしてみたいです! 今後もヒアリングの中で、おふたりがなぜその国を選ばれたのか、エピソードを伺うのが楽しみですね」。
「AYAKA ISHIMURA WEDDING & DESIGN」Planner石村文花さん
神戸のゲストハウスにてウェディングプランナーを経験後、ハワイの現地プロデュース会社に転職。会場選びからゼロベースで携わる海外のウェディング作りを学んだ後、プランナーとして独立。現在は広島を拠点に国内・海外ウェディングを担当。今までに600組以上を手掛けた経験から、カップルの気持ちもケアするプランニングをモットーにする。
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感性のおもむくままに、ふたりのラブストーリーを写す/パリ・マルタetc.
[04:写真家 ナカシマ アキラさん]
遠方にゲストを招待することが突然困難になってしまった2020年。そこで一躍ニーズが高まったのが、ふたりだけで行うフォトウェディング。近年存在感を増しているこのスタイルを、2010年から脈々と続けているのがフォトグラファーのナカシマ アキラさん。海外での撮影経験も豊富で、アメリカ、フランス、イギリス、スウェーデン、モロッコ、クロアチアなど、訪れた国もさまざまだ。
ナカシマ アキラさん:「誰もが特別な思い出になる海外フォトウェディングは、その情景を何枚もの写真によって、色濃く残せることが素晴らしい! 撮影スケジュールは国によってさまざまですが、例えばマルタを訪れるときは顔なじみの船頭がいるので、おふたりを船に乗せて夕暮れ前を狙って撮影をします。船に乗ると旅行気分も上がり、気持ちもロマンティックになっていい表情に。とはいえ天候やその時の私のひらめきで、打ち合わせ通りに進行しないこともしばしば。それも旅の醍醐味として受け取っていただけたらうれしいです(笑)」。
フォトグラファーとして撮影を行うだけでなく、海外での豊富なキャリアを生かして宿泊先の提案や、衣裳のアイデアを出すこともしばしば。撮影前にふたりのエピソードや人柄をじっくり知ることで、作品のインスピレーションが浮かぶことも。
ナカシマ アキラさん:「このメリーゴーラウンドで撮影したカップルは、音楽の勉強でパリに渡り、そこで出会い恋に落ちたおふたり。ドラマのようなストーリーから、とびっきり甘い世界観にしようと決めました。服装はあえてキメすぎず、普段のデートの延長線上のようなイメージで撮りましたね」。
時にはカップルとサハラまで2日間の小旅行を共にし、ラクダに乗って砂漠のキャンプを目指すことも。異国特有の連帯感で砂嵐さえも乗り越えた先に生まれる一枚は、ナカシマさん自身にとっても生涯忘れられない思い出に。
ナカシマ アキラさん:「今撮影したいのは、パンデミック前にプライベートで訪れた夏のノルウェーやフィンランド。ムーミンが生まれたのは必然のように思えるぐらい、のどかで素晴らしい場所でした。街ならブエノスアイレスも!」
パンデミックが収束し、これからの展望を明るく語ってくれたナカシマさん。アートな感性で切り取るフォトウェディングに今後も注目したい。
「ivory」Photographerナカシマ アキラさん
2010年に「ivory」を設立。関西を拠点に沖縄などの国内エリア、海外各都市で精力的にフォトウェディングを行う。2022年には大阪に「caja photostudio」をオープン。ミニマルな空間のスタジオでクリエイティブなブライダルフォトを提案する。“シャッターを切るその瞬間まで感じとること”が、撮影でのマイ・ルール。
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ポージングは決めずに、海外での自然体を刻む記録写真/ハワイ・ラスベガス
[05:写真家 ohba hideさん]
ナチュラルでいてドラマティック。フォトグラファー・ohba hideさんの手掛けるフォトウェディングを見ると、ふたりがどこまでも自然体で、異国の地を身体いっぱいに楽しんでいる情景が力強く伝わってくる。NY、LA、ハワイ島、イギリス、イタリア、ドイツと各国を巡って撮影をしてきた中で、モットーに掲げていることとは。
ohba hideさん:「撮影ではまず、ポージングを指示しないことを一番に掲げています。むしろカメラマンがいることを忘れてもらうぐらいがちょうどいい。おふたりが非日常の海外ロケーションを体験し、心を動かされている瞬間、瞬間を切り取る。異国で過ごすありのままの姿を写真で記録する感覚に近いですね」。
パンデミック中はベースを国内に移していたが、2023年10月には拠点を東京からホノルルへシフト。本拠地に挙げるハワイでは、大自然に囲まれたハワイ島を一日かけて巡り、その時期、その土地だけのロケーションをバックにふたりの姿を収める。過去にはヘリコプターでしか降り立てない秘境での撮影にトライしたことも。
ohba hideさん:「ハワイを含め、どの国でも大体一日かけて撮影を行います。例えば、ロンドンはひと気の少ない早朝に街で撮影を行い、段々と暗くなる街並みを感じながら、最後はナイトフォトを。このおふたりの足元がさりげなく写る一枚はラスベガスで撮影をしていて、日中は大自然とノスタルジックな雰囲気が共存しているのが背景からも伝わってきます。夜の街もまたムードが変わって撮りがいがありますよ」。
どんな場所でも事前に必ずロケハンを行い、ベストなスケジュールを提案してくれるohba hideさん。英語が堪能なことから、海外滞在中は困ったことも気軽に相談できる頼れる一面も。
最後に、海外でのフォトウェディングを検討中のカップルに、行き先へのアドバイスをするなら?
ohba hideさん:「コロナ禍で渡航できなかった分、行きたかった憧れの地や、素直に思い出の国を選ぶのが一番! 撮影中は街の人々が陽気に声をかけてくれることも。最初は照れくさくても、そんな異国ならではのコミュニケーションも嬉しいものですよ。多様な文化や人々との触れ合いもぜひ満喫してほしいです」。
「suave.suave」Photographerohba hideさん
ブライダルフォトを中心に、広告撮影でも活躍する東京在住の写真家。“おふたり自身、まだ気づいていない可能性を、生きた写真によって表現したい”。そんな願いから2018年に「suave.suave」を設立。2023年10月からは再度拠点をハワイに移し、海外フォトウェディングも本格的に再始動。ニューボーンフォトや家族写真の依頼も受付中。
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