米マテル社がいわゆる“バービー体型”じゃない、あるある体型の人形を発表。これからの子供たちは、たくさんのスタイルのお人形からしっくりくる一体を選んで遊ぶことができる。Photo by twitter/@Mattel by Mattel
「みんなキレイだし、みんな好きになっちゃう」が口癖のNY在住のメイクアップアーティストに取材したときのこと。「昔は僕にも確固たる理想像があって、どんなモデルが来ても、たったひとつの正解に向けてメイクをしてたんだ。でも、すぐにネタ切れになっちゃった」。そんな彼はある意識改革を経て、有名モード誌やアーティストのビジュアル、果てはファーストレディのメイクまで手がける人気者に。「バラバラの個性を持つ女性達の、それぞれの美しいところを見つけて愛して最大限に引き出すメイクに変えた。これが転機になったんだ」。
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彼によれば、「テレビや雑誌に出ている流行の美人と自分を比べて、“私なんて”という人は、見る力が足りないね。100年単位で美女の歴史をひも解いてみなよ。必ずヒントになるスタイルがあるはずだよ」。スタジオに並んだ一流モード誌のカバーを一瞥し、「ほら見て。典型的な美人なんて一人もいない。ある意味、みんなブスなんだよ。でも、そのブスな部分が個性として引っかかって、人とカブらないハッとさせる美しさを生むんだ」。
例えば、カリッとしたスレンダーボディににヒョウ柄を着たケイト・モスも、とろけ出しそうな白ピンクのふくよかさを持つルノアールの裸婦も。どちらの素敵さも感じとれたほうが、世界が豊かに見えるように。多様な美を味わい愉しむためには、審美眼にもトレーニングが必要。“THEバービー体型”だけじゃない次世代バービー達の誕生は、子どもたちが多様な美に親しむきっかけを作ってくれるはず。